エンボスキャリアテープの市場動向

マーケット情報TOP
エレクトロニクス高分子市場(素材別)
エレクトロニクス高分子市場(総論)
[PC]
液晶バックライト用導光板
液晶ディスプレイ用位相差フィルム
携帯電話用プラスチックレンズ
[PI]
液晶ディスプレイ用カラーフィルタ
FPC用フィルム
パッシベーション膜
液晶配向膜
[PET]
ドライフィルムレジスト(DFR)
液晶ディスプレイ用プリズムシート
エンボスキャリアテープ
反射防止(AR/LR)フィルム
液晶ディスプレイ用拡散フィルム
透明導電性フィルム
バックグラインド(BG)テープ
ダイシング(DC)テープ
液晶ディスプレイ用反射フィルム
[PVDF]
リチウムイオンポリマー電池
リチウムイオン電池用セパレータ
[フッ素]
プラスチック光ファイバー
エンボスキャリアテープは、PSやPVC等のシートを押出成形や真空成形加工によりポケットを形成したもので、電子部品やICの収納・搬送・保管等に使われる包装材料である。

■エンボスキャリアテープにおける高分子部品・材料の概要

形状はテープ状であり、エンボス成形されたポケットが連続的に続いている。そのポケットに電子部品等を入れた後は、フィルム状のカバーテープで蓋をしてリールに巻かれて使用される。

エンボスキャリアテープは、表面実装用部品を収納し、搬送又は自動実装する目的で使用される。例えば、BGA(Ball Grid Array)タイプのウェハーレベルCSP(チップサイズパッケージ:Chip Size Package)部品を収納するのに有用であり、搬送中等に落下衝撃が加わっても電子部品を保護できる。

実装部品の小型化によるポケットの小径化に伴い、ポケットの寸法精度や品質等が厳しく要求されている。

■用途動向(2002年世界需要ベース)

用途名 販売量ウェイト(%)
電子部品 62
IC 38
合 計 100
出所:富士キメラ総研

各種電子部品(コンデンサ、トランジスタ他)、半導体チップ(BGA、QFP、SOJ他)の用途がメインである。

電子部品のサイズは1608→1005→0603と年々極小化しており、微小チップから極小チップへと各種部品の小型化が進んでいる。高密度実装を背景として、更に小型チップ(0.4×0.2mm)の製品も開発されている。

■世界市場規模推移(2002〜2006年)

●市場規模推移及び予測 世界需要ベース (単位:千m2、%)
  2002年 2003年
見込
2004年
予測
2005年
予測
2006年
予測
販売数量 22,500 27,000 30,000 32,500 35,000
前年比 120.0 111.1 108.3 107.7
出所:富士キメラ総研

エンボスキャリアテープ市場は2001年に大きく落ち込んだが、2002年は末端製品市場(携帯電話、PC等)の回復により再び拡大基調に転じている。

2002年のエンボスキャリアテープ市場は2,250万m2(300億円)であり、2006年には410億円(2002年比1.37倍)に上昇すると推定している。

電子部品やICは小型化が進行しており、更にエンボスの狭ピッチ化も加わり、1個当たりの当該品使用面積は狭くなる傾向がある為、市場の伸びは徐々に鈍化すると推定している。

■採用素材動向(2002年世界需要ベース)

構成部材名 使用樹脂/主な材料 使用量(t) 構成比(%) 採用理由
原反シート PS 3,800 47.4 安価、製造が容易等
PET 2,000 25.0 耐薬品性等
PC 1,150 14.4 機械強度、精密成型性等
PVC 750 9.4 成型性、力学特性等
その他 300 3.8 複合材、生分解プラ等
合 計 8,000 100.0  
※シートの厚みを0.3mmとしたときの重量換算 出所:富士キメラ総研

PVCに替わって使用量が伸びた樹脂はPS、PET、PCである。

従来は、成型性や力学特性等に優れ安価なPVCがメイン素材であったが、焼却時のダイオキシン発生問題等から、使用ウェイトは1割程度に減少している。

収納部品の小型化がトレンドになっており、更に狭ピッチ化も進行し、より高度な精密加工が求められている。0603対応のエンボスキャリアテープが開発されているが、寸法精度や強度、バリ抑制等高い精度が求められる場合には、PC樹脂が採用されている。

■製品開発・技術動向

企業名 技術開発 製品・技術概要
信越ポリマー 帯電防止性、耐擦傷性、耐水性等を備えたキャリアテープを開発 プラスチックは導電性が乏しく、その表面は静電気が帯び易い。そこで、静電気による種々の障害(塵埃の吸着等)を防止するために、帯電防止性能を付与した様々な帯電防止性シートが開発されている。

通常、帯電防止性能を付与するには、帯電防止剤を用いプラスチックシートの表面を導電性にする方法が採用されている。

しかしながら、帯電防止剤を塗布する方法では、水洗や磨耗によって帯電防止剤が減少したり、シート表面から内部に吸収され、経時的に帯電防止効果が減少するという問題がある。また、帯電防止剤を練り込む方法は、帯電防止剤がプラスチック内部から徐々に表面に移行してくるため、帯電防止効果が発現するまでに時間がかかるという問題がある。

そこで同社は、煩雑な工程を経ることなく容易に製作することができ、優れた帯電防止性、耐擦傷性、耐水性等を備えた透明帯電防止性シート及び同シートを用いたキャリアテープを開発している。
帯電防止性シートは、側鎖にテトラアンモニウム塩を有する帯電防止性重合体からなる塗膜を、基材上に設けることにより帯電防止機能を付与している。


■参入企業とメーカーシェア(2002年世界需要ベース)

メーカー名 販売量ウェイト(%)
信越ポリマー 16
ヤヨイ 12
日本ガーター 9
ニッポー 8
その他国内メーカー 13
その他海外メーカー 42
合 計 100
出所:富士キメラ総研

エンボスキャリアテープは日系メーカーが6割近くを生産している。

信越ポリマーは国内拠点(東京工場、子会社の浦和ポリマー)の他に、シンガポール拠点を持っており、拡大する中国市場に向けた生産体制の強化を図っている。

■今後の動向

エンボスキャリアテープの需要は、部品実装の高速・高密度化、高機能化による使用部品点数の増加、中国を中心としたアジア市場の拡大等を背景に増加しており、今後も拡大傾向で推移すると予測している。

また、過当な価格競争によって販売価格が低下しており、金額ベースの伸びは数量ベースの伸びを下回ると予想している。

参考文献:「2003年 エレクトロニクス高分子材料の現状と将来展望」
(2003年8月21日:富士キメラ総研)


戻る