反射防止(AR/LR)フィルムの市場動向

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反射防止フィルム(AR:Anti Reflective)、低反射(LR:Low Reflection)フィルムは、CRT、LCD、偏光板、PDP前面板(光学フィルタ)に貼って、反射防止層による光干渉を利用し、画面の表面反射・映り込みを抑え、反射光を低減する効果を持っている。

■反射防止(AR/LR)フィルムにおける高分子部品・材料の特徴

反射防止層は、屈折率の異なる多層膜からできており、各面界で発生する反射光が互いに干渉するように設計される。

ディスプレイサイズの大型化が進む中、静止画面における反射防止機能が特に求められている。

ARフィルムの製造方法は、無機系の誘導体材料を蒸着又は、スパッタリングで積層するドライコートと有機材料を塗布するウエットコートに分類される。

LRフィルムは低屈折率の材料を塗布(単層)し、一般的に反射率を1%台にしている。

■用途動向(2002年世界需要ベース)

用途名 販売量ウェイト(%)
PDP 40
LCD偏光板 34
CPT 9
CDT 6
その他 11
合 計 100
出所:富士キメラ総研

反射防止(AR/LR)フィルムの主用途は、PDP、液晶テレビ、モニタ、ノートパソコン、携帯電話である。CRT(CPT、CDT)向けが縮小しているのに対して、PDPとLCD偏光板用途が拡大している。

LCD偏光板用途はウェットコートフィルムを用い、液晶テレビ、モニタ、ノートパソコンで実績がある。

■世界市場規模推移(2002〜2006年)

●市場規模推移及び予測 世界需要ベース  (単位:千m2、%)
  2002年 2003年
見込
2004年
予測
2005年
予測
2006年
予測
販売数量 3,900 7,080 10,630 15,320 22,020
前年比 181.5 150.1 144.1 143.7
出所:富士キメラ総研

2002年の反射防止(AR/LR)フィルムの世界需要は390万m2、販売金額は151億円であり、2006年は大型液晶テレビ、モニタ等の需要増が期待できるため、482億円(2002年比3.19倍)に急上昇すると推定している。

■採用素材動向(2002年世界需要ベース)
構成部材別の使用重量は以下の通りである。
構成部材名 使用樹脂/主な材料 使用量(t) 構成比(%)
基材フィルム PETフィルム 530 45.1
TACフィルム 505 43.0
反射防止材 有機、無機材 140 11.9
合 計 1,175 100.0
出所:富士キメラ総研

基材フィルムには、耐熱性や寸法安定性からPETフィルムと、光学特性が良好なTAC(トリアセチルセルロース)フィルムが採用されている。PETフィルムとTACフィルムが、基材フィルムの需要をほぼ2分している。

日本油脂では、ReaLook7700シリーズの基材フィルムにはPETフィルム、同8200シリーズにはTACフィルムをそれぞれ使い分けている。

有機、無機材は、反射防止機能を目的として使用され、有機材ではフッ素系樹脂、無機系ではSiO2やITOがコーティングされている。

■製品開発・技術動向

企業名 技術開発 製品・技術概要
大日本印刷 可撓性に優れ、安価な反射防止フィルムを開発 同社は、LCD、有機EL、無機EL、PDP等の表面だけでなく、フレキシブルな表示装置の表面に積層・配置して、強く折り曲げても、柔軟に追従でき、反射防止等の光学機能性を維持できる反射防止フィルムを開発した。

同反射防止フィルムは、高温多湿雰囲気下や紫外線照射環境下でも基材層の劣化を抑制し、保存安定性、層間密着性、耐久性にも優れている。反射防止フィルムの構造は、可撓性基材の上に反射防止層(低屈折率層/高屈折率層/中屈折率層)が複数層成形されている。

このような層構成にすることにより、高温多湿雰囲気下や紫外線照射環境下で基材層の経時劣化を防止できる。

反射防止フィルムの可撓性基材層には、無色透明の延伸フィルムが好ましい。従って、透明性、耐熱性に優れている一軸又は二軸延伸PETフィルムや光学異方性がないTACが適している。


■参入企業とメーカーシェア(2002年世界需要ベース)

メーカー名 販売量ウェイト(%)
日本油脂 32
旭硝子 12
凸版印刷 8
富士写真フイルム 8
日東電工 8
その他 32
合 計 100
出所:富士キメラ総研

日本油脂が反射防止(AR/LR)フィルム業界をリードしており、その後を旭硝子、凸版印刷、富士写真フイルム、日東電工、住友大阪セメント、Southwall Technologies等が続いている。

富士写真フイルムは、カメラ用フィルムの光学技術を応用して2002年に新規参入している。

参入メーカーが非常に多い市場であり競争が激化している。

■今後の動向

大型パネルへの搭載やPDA、カーナビゲーションシステム等、ディスプレイ業界の成長が、反射防止(AR/LR)フィルム市場拡大の成長要因になっている。

参考文献:「2003年 エレクトロニクス高分子材料の現状と将来展望」
(2003年8月21日:富士キメラ総研)


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