リチウムイオンポリマー電池の市場動向

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リチウムイオンポリマー電池は、電極等の構成材料は液体型のリチウムイオン2次電池とほぼ同様であるが、電解液の代わりに固体電解質を使用している点が大きく異なっている。従って、液漏れがないこと、限られたスペースに対して体積効率が高くかつ形状自由度が大きいことが特長である。

■リチウムイオンポリマー電池における高分子部品・材料の概要

リチウムイオンポリマー電池の構造は、通常のリチウムイオン電池が捲回構造を一般的であるのに対して、スタック構造という正負極板等を所定の寸法・形状に打ち抜き、それを積層した構造になっている。

この構造は、積層数によって電池容量の調整が可能であり、電池形状の自由度も高い。

電解質には、完全固体型(真性ポリマー)とゲル型(ゲル状ポリマー)の2タイプあるが、商品化されているリチウムイオンポリマー電池ではゲル型を採用している。

■用途動向(2002年:世界需要ベース)

用途名 販売量ウェイト(%)
携帯電話 68
PDA 14
ノートパソコン 9
その他(MD/DVDプレイヤー他携帯AV機器、情報機器等バックアップ電源用他) 9
合 計 100
出所:富士キメラ総研

リチウムイオンポリマー電池は、応用機器の薄型化・軽量化に有利であることから、携帯機器を中心に採用されている。近年PDA、ノートパソコン等、可搬型の電子機器に同電池を搭載した新製品が増えている。

■世界市場規模推移(2002〜2006年)

●市場規模推移及び予測 世界需要ベース (単位:千個、%)
  2002年 2003年
見込
2004年
予測
2005年
予測
2006年
予測
販売数量 70,000 90,000 120,000 153,000 184,000
前年比 128.6 133.3 127.5 120.3
出所:富士キメラ総研

薄型・軽量で、安全性の高い2次電池として、携帯機器向けに実績を伸ばしており、携帯機器の小型化、軽量化を進める上で重要なアイテムとして注目されている。

リチウムイオンポリマー電池は、薄型・軽量の特性を活かし携帯機器(携帯電話、PDA、ノートパソコンや携帯型AV機器等)向けに急速に需要を伸ばしている。

2002年の販売数量は7,000万個(350億円)であり、2006年は18,400万個、650億円(2002年比1.86倍)の成長を予測している。2002年の国内需要は64.3%を占め、海外需要を上回っている。

■採用素材動向(2002年:世界需要ベース)

構成部材名 使用樹脂/主な材料 使用量(t) 構成比(%) 採用理由
ポリマー電解質 PAN、PVDF、PMMA他 50 5 電解液の保液性、機械強度他
正極材料 コバルト酸リチウム他 560 56 リチウムイオンの放出・吸収能力
負極材料 グラファイトカーボン 240 24
外装 アルミラミネートフィルム(PET+アルミ+PE) 150 15 軽量性、薄肉化、ヒートシール性
合 計 1,000 100  
出所:富士キメラ総研

リチウムイオンポリマー電池の特徴は、電解液を担持したポリマー電解質(PAN、PVDF、PMMA等)を使用していることである。

電解液の担持力(保液性)では、PMMA系が優れているが、機械強度が他の材料に比べて低いことが指摘されている。エンプラでは、PVDFがポリマー電解質に使用されている。

■製品開発・技術動向

ソニーはリチウムイオンポリマー電池「A8シリーズとSパック」を、2004年12月から新製品を上市している。

製品名 製品・技術の特徴
A8シリーズ A8シリーズは、外装部品を薄型化することにより、容量を830mAh(同社従来製品と比較して約9%上昇)に高容量化している。形状自由度が高く、ポリマー構造により安全性が高い。同サイズの角型リチウムイオン電池と比較しても高容量であり、多機能化した新世代携帯電話に適している。

エネルギー密度は475Wh/L。本体サイズと重量は幅34×奥行き3.8×高さ50mm、重量は14.3g。

Sパック Sパックは、リチウムイオンポリマー電池の特徴(液漏れしない、膨れにくい)を活かし、電池パック構造をシンプルにすることで部品点数を半減し、強度の高いフィルムをパック外装に採用することにより、限られたスペースで高い体積効率を実現している。

エネルギー密度は本体サイズにより異なり、代表サイズ(幅34×奥行き5.7×高さ53mm)の場合380Wh/L、重量は22.5g、容量は1050mAh。

用途は、携帯電話専用のリチウムイオンポリマー電池パックである。


■参入企業とメーカーシェア(2002年:世界需要ベース)

メーカー名 販売量ウェイト(%)
ソニー 70
三洋電機 5
GSメルコテック 5
Samsung SDI 4
その他 16
合 計 100
出所:富士キメラ総研

情報機器、AV機器の薄型・軽量化を得意とするソニーは、自社の携帯型電子機器には、リチウムイオンポリマー電池を積極的に採用するなど、市場を牽引している。

2位の三洋電機と3位のGSメルコテックは、2003年2月、三洋電機はGSメルコテックの株式を51%取得しており、三洋ジーエスソフトエナジーとして再スタートを切っている。

■今後の動向

リチウムイオンポリマー電池は薄型化、軽量化を図った製品開発が進んでおり、今後も右肩上がりの成長が期待されている。日本は、特に携帯機器の薄型・軽量化のニーズが高く、国内需要が中心と見られる。

リチウムイオンポリマー電池は薄型・軽量化以外に、ゲル状のポリマー電解質に利用しているため、液漏れや発火等の危険性が低く、安全性の面でメリットがあり、次世代2次電池として注目され研究開発が活発に行われている。

参考文献:「2003年 エレクトロニクス高分子材料の現状と将来展望」
(2003年8月21日:富士キメラ総研)


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