リチウムイオン電池用セパレータの市場動向

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リチウムイオン電池用セパレータは、正極板と負極板の間に介在して、両極活物質の接触に伴う短絡防止や電解液を保持して導電性を確保する役割を担っている。

■リチウムイオン電池用セパレータにおける高分子部品・材料の概要

セパレータの種類は電池によって異なるが、リチウムイオン電池には、ポリエチレン(超高分子量PE)やポリプロピレン(PP)製の微多孔膜が用いられており、各々単層のものから、PE/PPの二層構造、PP/PE/PPの三層構造のタイプがある。

リチウムイオンポリマー電池では、有機電解液とポリマーシート(PVDF、PAN、PMMA等)からなるゲル状電解質がセパレータの役割を兼ねている。

■用途動向(2002年世界需要ベース)

用途名 販売量ウェイト(%)
リチウムイオン電池用 89
リチウムイオンポリマー電池用 11
合 計 100
出所:富士キメラ総研

リチウムイオン電池のセパレータには微多孔膜が採用され、リチウムイオンポリマー電池のセパレータには、ポリマー電解質保持シートが使用されている。

リチウムイオンポリマー電池は、軽量・薄型、安全性等の利点から、次世代2次電池の有望株として登場し、将来の携帯機器向け2次電池の主流になるといわれてきた。

電池メーカーでは、両電池の市場評価を見極めている段階であり、当面は、大幅なウェイトの変動はないと見ている。

■世界市場規模推移(2002〜2006年)

●市場規模推移及び予測 世界需要ベース (単位:千m2、%)
  2002年 2003年
見込
2004年
予測
2005年
予測
2006年
予測
販売数量 44,000 48,000 52,000 57,000 61,000
前年比 109.1 108.3 109.6 107.0
出所:富士キメラ総研

2002年セパレータ(リチウムイオン電池+リチウムイオンポリマー電池)の世界需要は、4,400万m2(139.5億円)となり、2006年は182億円(2002年比1.30倍)と高い成長が予測されている。

同セパレータの国内需要は88.6%(2002年数量ベース)であり、国内需要中心の市場であるが、今後は、海外需要の増加が見込まれている。

リチウムイオン電池は、携帯電話等の携帯機器を中心に利用されており、携帯機器の小型・軽量化を可能にする部材であることから、今後も順調に市場拡大すると見ている。

■採用素材動向(2002年世界需要ベース)

構成部材名 使用樹脂/主な材料 使用量(t) 構成比(%) 採用理由
リチウムイオン電池用セパレータ 超高分子量PE、PP 600 92.3 化学安定性、機械的強度、電流遮蔽特性他
リチウムイオンポリマー電池用セパレータ PVDF、PAN、PMMA他 50 7.7 上記及び電解液の保液性
合 計 650 100  
出所:富士キメラ総研

リチウムイオン電池用セパレータの使用樹脂は、超高分子量PE、PPが主に使用されている。

また、リチウムイオンポリマー電池にはPVDF、ポリアクリルニトリル(PAN)、PMMA製のポリマーシートが採用されているが、その使用量は少ない状況にある。これらのポリマーシートには、有機電解液の担持力が求められている。

■製品開発・技術動向

製品名 技術開発 製品・技術の特徴
旭化成
ケミカルズ
ポリオレフィン微多孔膜を開発 ポリオレフィン微多孔膜は、精密濾過膜、電池用セパレータ、コンデンサー用セパレータ等に使用されている。電池の高エネルギー密度化に伴って、セパレータにも高性能、高安全性が要求されている。

リチウムイオン二次電池用セパレータには、突き刺し強度で表される電池の組立性能と深い関係のある高い機械強度と、電池の出力特性を向上させるための高いイオン透過性能、異常発熱時にイオン透過や短絡を抑制し、発火等を防ぐ安全性能を併せ持つことが求められている。同社は、良好な透過性能と緻密な膜構造、及び高温時の低収縮性を併せ持ち、サイクル特性と初期電池特性を有し、安全性の高いポリオレフィン微多孔膜を開発している。

ポリオレフィン微多孔膜は、抽出前及び後の延伸工程の各々で特定の方向及び倍率で延伸させることによって、特定範囲の透水量/透気量バランスと特定範囲のバブルポイントを有し、さらには高温時の収縮を低減することができる。このポリオレフィン微多孔膜は、電池の初期容量を高く維持し、サイクル性があり安全性に優れたセパレータ用材料として適している。


■参入企業とメーカーシェア(2002年世界需要ベース)

メーカー名 販売量ウェイト(%)
旭化成ケミカルズ 43
東燃化学那須 27
セルガード 21
その他 9
合 計 100
出所:富士キメラ総研

超高分子量ポリエチレンメーカーである旭化成ケミカルズが他社をリードしている。(旭化成のケミカル事業部門は分社化に伴い、2003年10月1日より旭化成ケミカルズ(株))。

東燃化学那須は東燃タピルスから事業移管を受け、リチウムイオン電池用セパレータ事業を継承している。

■今後の動向

リチウムイオン電池用セパレータは今後も、携帯機器を中心に需要拡大が見込まれており、リチウムイオン電池の旺盛な需要に牽引され、セパレータ市場は順調に拡大していくと見ている。

例えば、リチウムイオン電池からリチウムイオンポリマー電池への代替が急速に進んだ場合、ポリオレフィン微多孔膜(超高分子量PE、PP)市場に対して大きな影響を及ぼすと予想している。

参考文献:「2003年 エレクトロニクス高分子材料の現状と将来展望」
(2003年8月21日:富士キメラ総研)


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