プラスチック光ファイバーの市場動向

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プラスチック光ファイバー
プラスチック光ファイバー(POF)は、透明材料からなる円柱状のコア(芯)と、コア周囲にそれよりやや低い屈折率を持つクラッド(鞘)から構成されている。

■プラスチック光ファイバーにおける高分子部品・材料の特徴

コア材料はPMMAが主流であり、クラッド材料はフッ素系ポリマーが使用されている。近年、全フッ素系ポリマーのPOFが製品化されている。

石英系光ファイバーのコア径は10μmと小さいのに対して、POFは750〜980μmと大きいため接続が容易であり石英系と比較すると配線コストを低く抑えられる。

■用途動向(2002年世界需要ベース)

用途名 販売量ウェイト(%)
ライトガイド/装飾 49
通信用 40
センサ用 11
合 計 100
出所:富士キメラ総研

主な用途はライトガイド・装飾用、通信用、センサ用に分類される。ライトガイド・装飾用は、屋外のイベント装飾や半導体製造装置に使用されている。今後は通信用途(オーディオ、自動車ネットワーク、FA)において、需要拡大が期待されている。

自動車ネットワークの分野は2002年が採用元年であり、欧州の高級車でPOFが採用されている。米国、日本での採用はこれからであるが、各自動車メーカーが採用の検討を進めている。

■世界市場規模推移(2002〜2006年)

●市場規模推移及び予測 世界需要ベース (単位:千km、%)
  2002年 2003年
見込
2004年
予測
2005年
予測
2006年
予測
販売数量 350 380 420 470 550
前年比 108.6 110.5 111.9 117.0
出所:富士キメラ総研

2001〜2002年は低迷したが、2003年以降は回復基調にある。

2002年のプラスチック光ファイバー市場は35万km、86億円である。特に通信向けが伸びており、自動車ネットワークが拡大基調にある。欧州自動車メーカーでは高級車に導入されており、ここにきて採用車種が増えている。2006年は55万km、130億円(2002年比1.51倍)に拡大すると予測している。

■採用素材動向(2002年世界需要ベース)

構成部材名 使用樹脂/主な材料 使用量(t) 構成比(%) 採用理由
コア部分 PMMA、PC、α-PO、透明フッ素 315 95.0 光透過率が高い。その大半がPMMA。
クラッド部分 フッ素系ポリマー、共重合体 18 5.0 屈折率、透過率、コア材料に対する密着性。
合 計 333 100.0  
換算基準:コア材料 0.9g/m、クラッド材料0.05g/mとして重量換算
出所:富士キメラ総研

PMMA系のPOFでは通信速度500Mbpsが最大であり、ギガビットへの対応が困難である。ギガビットは旭硝子の全フッ素化のPOFのみが対応でき、石英系光ファイバーの代替ファイバーとなっている。

一般的に、コア部分は光透過率が高いPMMA樹脂を用いる。これよりも耐熱性が要求される用途にはPCやα−PO、マレイミド系ポリマーを採用する場合がある。クラッド材料はテトラフルオロエチレン/ポリフッ化ビニリデン共重合体やフロオロアルキルタククリレート系のフッ素系ポリマー共重合体が一般的に利用される。

■製品開発・技術動向

企業名 製品開発 製品・技術概要
旭化成
エレクトロニクス
耐薬品性に富んだ「ルミナス」マルチコアPOFを開発 プラスチック光ファイバー(POF)「ルミナス(製品名)」は、旭化成の高分子技術と合成繊維で培われた紡糸技術を結集して開発されている。
ルミナスは、コア材料に透明性の高いメタクリル樹脂とクラッド材料はフッ素系樹脂から構成されている。
「ルミナス」のマルチコアPOFは、旭化成が開発したクラッドの海に多数のコアが配列されたプラスチック光ファイバーである。
シングルコアPOFは、極端に曲げると曲げ損失が発生して光量保持率が低下する欠点がある。
マルチコアPOFはコアを複数化することにより、ファイバーを曲げた時の光伝送ロスを限りなく小さくすることを実現している。
同社は、油脂類、ワックス、潤滑剤、可塑剤、石油類、溶剤、滅菌薬品等、耐薬品性に富んだマルチコアPOFを開発した。
耐薬品性に富んだ被覆樹脂層を備えた多芯プラスチック光ファイバー素線は、同光ファイバーの適用が困難であった用途にも、適用が可能である。
具体的には、油脂類、ワックス、潤滑剤、可塑剤、石油類、溶剤又は減菌薬品等の薬品と接触の可能性のある、車載用配線、FA機器配線、家庭内機器配線、光電スイッチ用ファイバー、工業検査用や医療検査用ファイバスコープとしての利用が可能である。

■参入企業とメーカーシェア(2002年:世界需要ベース)

メーカー名 販売量ウェイト(%)
三菱レイヨン 72
旭化成 14
東レ 14
合 計 100
出所:富士キメラ総研

三菱レイヨンは、ホームネットワーク用POF「エスカミウ」の量産を2002年9月から開始し、富山事業所に数億円の新設備を導入している。

ホームネットワークの開発が急速に進んでおり、積水化学工業、大成建設が都内のモデルハウスにPOFを採用している。

■今後の動向

ホームネットワーク分野では、POFはネットワーク用の配線ケーブル用途では有利であるが、その市場形成時期は2010年以降と見ている。但し、FTTHとホームネットワークは技術的にも事業者的にも異なっており、現段階では不透明な要素が多い。

参考文献:「2003年 エレクトロニクス高分子材料の現状と将来展望」
(2003年8月21日:富士キメラ総研)


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