抵抗膜式タッチパネルの市場動向

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抵抗膜式タッチパネル
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タッチパネルは指や専用のペンで画面に触れることにより、コンピュータの操作を行なう装置である。指が触れた位置を検知して画面上の位置を指定し、コンピュータに指示を与えるモジュール機器である。

■タッチパネルの種類と特徴

タッチパネルには、抵抗膜式、静電容量式、光学式、超音波式等の種類があり、各々一長一短の特性がある。ここではPDAやOA、FA機器分野で最も一般的に使用されている「抵抗膜式」を対象とする。

抵抗膜式タッチパネルの方式には、アナログタイプとデジタルタイプがある。アナログタイプは、透明電極の表面抵抗が均一であり、タッチする場所を選ばず、文字入力等への対応が可能なことからPDA等の可搬型情報端末に用いられ、抵抗膜式タッチパネルの主流となっている。

デジタルタイプ(短冊状の透明電極が上下で直交しマトリクスを形成している)は、入力できる場所がマトリクス上に限定されるので正確な入力が可能であり、FA機器、OA機器に用いられている。

■抵抗膜式タッチパネルにおける高分子部品・材料の特徴

抵抗膜式タッチパネルの構造は、ITO膜(透明導電性フィルム)を付与したプラスチックフィルムの上部電極と下部電極(ガラスが一般的)の間に、スペーサを介してサンドイッチ状となっている。

基材の構成は一般的な「フィルム/ガラス」の他に、「フィルム/フィルム」、「ガラス/ガラス」がある。

ITO膜のベースフィルムはPET樹脂が中心であり、他にはPES、PC、PARが使用される。導電膜にはITO(酸化インジウムスズ)が用いられている。

■用途動向(2002年ベース)

用途名 数量ウェイト(%)
PDA 52
OA・FA機器 24
その他 24
合 計 100
出所:富士キメラ総研

PDAをはじめ、多くの用途で高精細カラーが求められており、TFT液晶パネルを使用したアナログ式のタッチパネルが主流である。

デジタル式タッチパネルは、工業用機器等のFA、OA機器用途や一部のFAX等の需要に限定され、市場は減少傾向にある。

■市場規模推移(2002〜2008年)

●市場規模推移及び予測(世界市場) (単位:千枚、%)
  2002年 2003年
見込
2004年
予測
2005年
予測
2006年
予測
2007年
予測
2008年
予測
販売数量 26,400 28,400 30,100 31,800 33,500 35,800 37,900
前年比 107.6 106.0 105.6 105.3 106.9 105.9
出所:富士キメラ総研

抵抗膜式タッチパネルのメインアプリケーションはPDAで、世界市場で1,300万台市場とも言われる。しかし、既に普及が頭打ちとの見解もあり、マーケットの拡大はほとんど見込めない状態にある。今後、市場を牽引するメインのアプリケーションは、他の商材に替わってくることが予想される。

最近ではカーナビゲーションシステムへの装備が標準化し始めたことや、欧米でのスマートフォン市場が立ち上がり始めたこと等が追い風となり、市場は拡大傾向にある。

2002年の抵抗膜式タッチパネルの販売数量は2,640万枚、販売金額は324億円であり、2008年は416億円(2002年比1.28倍)に拡大すると推定している。

■研究開発・技術動向

企業名 技術開発 開発・技術概要
富士通
研究所
半永久使用の
タッチパネル
を開発
現在、携帯情報端末(PDA)やペン入力PC のタッチパネルには、主に抵抗膜方式が採用されており、透明電極フィルムにはITO膜が使用されている。ITO膜は樹脂フィルム上にセラミックスを薄膜状に形成されるため、ペン入力動作の繰り返しによって微小な割れが生じ、導電性が劣化するという問題点があった。
同社は、電極材料を改良しタッチパネルの耐久性を高め、ペン入力試験を100万回以上繰り返しても性能が低下しない(構造劣化や電気抵抗値の上昇を抑えられる)、透明電極フィルムを開発した。従来品は50万回が限界であった。
同社は、透明電極フィルムに用いる有機化合物の導電性高分子に硬化剤を加え、水分子が浸入しても高分子の構造が乱れないようにしている。
これらの改良により、携帯電話やPDA等のタッチパネルとして、半永久的な使用が可能であり、夏場に高温多湿になる自動車の車中における使用にも適している。同社は、この耐久性を高めた透明電極フィルムを、早ければ2007年上期以内に製品化を目指している。

■参入企業とメーカーシェア(2002年ベース)

メーカー名 数量ウェイト(%)
日本写真印刷 24
松下電子部品 21
グンゼ 14
SMK 8
富士通コンポーネント 6
その他 27
合 計 100
出所:富士キメラ総研

抵抗膜式タッチパネル市場は、ガリバー企業は存在せず、上位3社が2桁のシェアを獲得している。上位2社はPDA用途を中心に展開している。

参入各社はアプリケーション毎に、それぞれに強みを持った商品で棲み分けを行なっている。グンゼは大型FA・OA機器、カムコーダー等の分野を得意としており、SMKはカーナビゲーション分野で圧倒的な強みを持っている。

■今後の動向

2002年以降大きな伸びを見せているカーナビゲーション分野は、今後も成長が継続すると考えられている。しかし、最大のアプリケーションであるPDAの伸び悩みが依然として続いている等、業界全体として大きな成長が期待できる要因に欠けており、携帯電話等の新規需要の拡大が望まれている。

参考文献:「2003 液晶関連市場の現状と将来展望(下巻)
(2003年7月31日:富士キメラ総研)

※本記事は富士経済グループ各社の独自調査により編集したものです。

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