光ディスク基板材料の市場動向

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CD、CD−ROM/R/RW、DVD−ROM/R/RW/RAM等に使用される光ディスク基板材料を対象とした。
光ディスク用の基板材料には、ポリカーボネート(以下PC)、ポリメチルメタクリレート(以下PMMA)、非晶質ポリオレフィン(α-PO)樹脂の3種類が挙げられる。

光ディスク基板材料には、高透明性、高耐熱性、高流動性、被屈折率が小さい、吸水性が低い、離型性が優れる等の特性が要求される。

■用途動向(2003年見込ベース:光ピックアップ用対物レンズの場合)

用途名 生産量ウェイト(%) 具体的用途例
CD系 80 CD、CD−ROM/R/RW
DVD系 20 DVD−ROM/R/RW/RAM
合 計 100  
出所:富士キメラ総研

2002年は光ディスク基板材料市場のうち、CD系用途が約80%を占めている。中でもCD−R向けの割合が最も高くなっている。2003年以降は、DVD(デジタル・ヴァーサタイル・ディスク)系のウェイトが拡大して行く見通しである。(ヴァーサタイル:Versatile=多用途の)

CD−ROMからDVD−ROM/VIDEOへ、CD−RからDVD−Rへのシフトが進んでおり、2005年ではCD系:DVD系:その他の比率は、75:23:2になると予測している。

■市場規模推移(2002〜2008年)

●市場規模推移及び予測(生産量ベース) (単位:t、%)
  2002年 2003年
見込
2004年
予測
2005年
予測
2006年
予測
2007年
予測
2008年
予測
生産数量 500,000 560,000 610,000 660,000 710,000 750,000 790,000
前年比 112.0 108.9 108.2 107.6 105.6 105.3
出所:富士キメラ総研

2003年見込の光ディスク基板材料市場は56万t(前年比12.0%増)、金額ベースでは前年比11.6%増の 2,120億円になる見込みである。

DVDプレーヤ、レコーダ等の普及が原動力となり、記憶容量が大きいDVDディスクの市場拡大が見込まれている。金額ベースでは、2008年に2,900億円(2003年比1.37倍)に拡大すると予測している。

■デバイス/材料(2003年見込生産量ベース)

基板材料 生産量(t) ウェイト(%)
PC 560,000 100.0
PMMA 僅少
合 計 560,000 100.0
出所:富士キメラ総研

光ディスク基板に使用されている材料の多くはPC樹脂であり、PMMAのウェイトは極めて僅かである。

DVD市場が拡大しても、基板材料の主流は今後もPCがリードしていく見通しである。一方、PMMAの用途はLD(レーザーディスク)向けである。

従来、光学特性(複屈折性)の面では、PCよりもPMMAが優れている。しかし、吸水率・耐熱性等の実用特性ではPCより劣っている。特に、吸水率が高いと基板に変形が起こり汎用性に欠ける。

光ディスク基板材料として高性能透明樹脂が開発されている。一般的には、嵩高環式オレフィン樹脂と呼ばれ、三井化学の「APO」、日本ゼオンの「ZEONEX®」、JSRの「ARTON」等が代表的である。

■研究開発・技術動向

DVDは、1つの記録面において異なる深さの位置に、複数の記録層を設定することができる。また、2枚貼り合わせたディスクは、両面に記録層を設けることができる。一般的には、片面に1層の記録層を持つDVDの記憶容量は4.7GBである。また、両面に1層ずつの記録層を持つ9.4GBのDVDディスクも上市されている。また、片面2層で8.5GBのDVD-Rも開発されている。

<次世代DVD(Blu-rayディスク)の開発動向>
企業名 技術開発 新製品・技術概要
TDK 記録層が4層で100GBのディスクを開発 2004年11月に同社は、単層(記憶容量25GB)で等倍速記録の書き換え型Blu-rayディスクを発売した。
同社は、2005年4月、追記型Blu-rayディスクの記録層を4層重ねにした大容量タイプのDVD技術を開発した。4層タイプのBlu-rayディスクは、青色レーザ(光源)から最も遠くなる記録層にも書き込みができるように、透過率の高い記録膜の開発が不可欠である。
同社は、ジスモス(ZSMOS)という酸化物系の記録膜を使用して4層タイプの2倍速記録対応の技術を開発している。今後さらに4倍速記録の開発を目指している。4層タイプのBlu-rayディスクの記憶容量は100GBである。
ソニー 記録層を8層重ね、200GBにする技術を開発 同社は、すでに、Blu-rayディスクの記録層を8層重ねて、200GBの記憶容量を確保する技術を開発している。Blu-ray方式の記憶容量は片面単層当たり25GBである。
ただし、大容量化することは可能であるが、生産性が悪いため、歩留まりの向上が技術課題となっている。Blu-ray方式のディスク生産は、専用設備が必要となるためイニシャルコストの負担が大きくなる。従って、Blu-rayディスクは、HD-DVD方式のディスクよりも割り高になると言われている。

■参入企業とメーカーシェア(2003年見込)

メーカー名 生産量シェア(%)
三菱エンジニアリングプラスチックス 57
帝人 17
バイエル 12
GEプラスチックス 10
その他 4
合 計 100
出所:富士キメラ総研

三菱エンジニアリングプラスチックスがトップメーカーであり、2位以下の帝人、バイエル、GEPを引き離している。その他のメーカーは、Dow Chemical、出光石油化学、三井化学、日本ゼオン等が挙げられる。

■今後の動向

CD、DVD等の光ディスク基板には、大量のPC樹脂が使用されている。今後も、PC樹脂の光学特性が活かせる用途分野で幅広く利用される見通しである。またPC樹脂は、記憶容量が15〜25GBとなる次世代高密度メディア基板の材料として期待されている。

参考文献:「2004 ストレージ関連市場調査総覧」
(2003年11月21日:富士キメラ総研)

※本記事は富士経済グループ各社の独自調査により編集したものです。

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