データ記録用ベーステープの市場動向

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データ記録用ベーステープ
データ記録用テープのベーステープは、テープ規格によってPET、PEN、アラミド等のプラスチックフィルムが使い分けされている。マイグレーション(プログラムやデータの移行・変換作業)の高度化に伴って、高密度記録が要求される為、薄膜化、高強度、表面平滑化等の性能が向上している。

■データ記録用ベーステープにおける高分子部品・材料の特徴

テープ規格とベーステープ用樹脂の対応は以下の通りである。
テープ規格/様式 樹脂の種類
S-AIT (スーパーAIT )、
DLT (デジタルリニアテープ)、S-DLT(スーパーDLT)、
DDS I (デジタルデータストレージ I )の一部
PET
LTO (リニアテープオープン)、
DDS I の一部
PEN
AIT (アドバンストインテリジェントテープ)、
DDS
アラミド
その他の規格 PET、PEN

ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムは、PETフィルムを凌駕する優れた特性(強度・剛性、耐熱性、薄膜化、等)を有しており、特に高い信頼性が求められるデータストレージテープ分野や電子材料用途で市場が拡大している。

■用途動向(2003年見込ベース)

<PET+PEN+アラミドの合計生産数量に対するウェイト>
用途名(規格別) 生産量ウェイト(%)
DLT、S-DLT、DDS I 、その他 59
LTO、DDS I 、その他 34
AIT、DDS II 7
合 計 100
出所:富士キメラ総研

DLT、S-DLT、LTOの3規格で、ベーステープ需要の70%強を占めている。

アラミドは、AITの蒸着型とDDSの塗布型の仕様がある。塗布型は2002年をピークに減少しており、また蒸着型も2003〜2004年頃をピークにその後減少すると見ている。LTOの磁気テープ用途には、PENフィルムが主に使用されている。

■市場規模推移(2002〜2008年生産量ベース)

●市場規模推移(2002〜2008年生産量ベース) (単位:t、%)
テープ用樹脂名 2002年 2003年
見込
2004年
予測
2005年
予測
2006年
予測
2007年
予測
2008年
予測
PET
生産数量
2,220 2,000 2,060 2,150 2,300 2,450 2,650
  前年比 90.1 103.0 104.4 107.0 106.5 108.2
PEN
生産数量
920 1,140 1,270 1,460 1,660 1,860 2,030
  前年比 123.9 111.4 115.0 113.7 112.0 109.1
アラミド
生産数量
250 220 200 180 170 160 150
  前年比 88.0 90.9 90.0 94.4 94.1 93.8
合 計 3,390 3,360 3,530 3,790 4,130 4,470 4,830
  前年比 99.1 105.1 107.4 109.0 108.2 108.1
出所:富士キメラ総研

2002年の全体生産数量は3,390t(前年比5%増)であったが、2003年は微減の3,360tが見込まれている。

ベーステープ市場はデータテープのメディアソフト市場と連動している。アラミドがメインのDDS、PETのDLTは今後縮小する傾向にあり、代替需要を持たないアラミドの使用量が減少する見通しである。

2002年全体の生産金額は約212億円であり、2008年には186億円(2002年比87.7%)に縮小すると予測している。(当該市場は数量的には拡大しているが、金額ベースでは減少していく。)

2002年の樹脂別生産量比率は、PET:66、PEN:27、アラミド:7である。2008年はPET:55、PEN:42、アラミド:3と予測しておりPENが15%(2002年比)拡大する。一方PET、アラミドの比率は減少する見通しである。

■研究開発・技術動向

高密度記録の対応は、薄膜化に耐え得る高強度テープ素材又は、表面平滑性に優れたテープ素材が有効であるが、現状では、薄膜化の方向で研究開発されている。

■ベーステープ材料の構成比(2003年見込ベース)

<材料(PET+PEN+アラミド)別合計生産量に対する構成比>
材料 生産量ウェイト(%)
PET 60
PEN 34
アラミド 6
合 計 100
出所:富士キメラ総研

PETはS-AIT、DLT、S-DLT、DDS I の一部、PENはLTO、DDS I の一部、アラミドはAIT、DDS、その他のテープ規格ではPETやPENが使用されている。

AIT、DDS I のデータテープ市場の縮小に伴い、アラミドの需要は減少傾向にある。

■参入企業とメーカーの生産量シェア(2003年見込)

メーカー名 取扱い樹脂の種類 生産量ウェイト(%)
東レ アラミド、PET 60
帝人デュポンフィルム PEN 、PET 39
その他 PET、アラミド 1
合 計 100
出所:富士キメラ総研

東レはアラミドでほぼ100%、PETでも高いシェアを占めている。

帝人はPENの特許を持っており、PENのベーステープ市場ではシェア100%である。(PENフィルムは、国内では帝人デュポンフィルムが「テオネックス」ブランドで生産。)

その他のメーカーは、旭化成、三菱ポリエステルフィルムが参入し、PETとアラミドを少量扱っている。

■今後の動向

記録容量の高密度が求められる次世代の規格(S-DLT II〜LTO III〜等)では、ベーステープの薄膜化、高強度化が技術課題となっている。この課題に対応し、PEN又はハイグレードなPETの採用が検討され共に高成長が期待されている。

参考文献:「2004 ストレージ関連市場調査総覧」
(2003年11月21日:富士キメラ総研)

※本記事は富士経済グループ各社の独自調査により編集したものです。

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