全国共通図書カードの市場動向

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全国共通図書カード(以下、図書カード)は、書籍・雑誌等の出版物を対象としたプリペイドカードであり、発行元は日本図書普及(株)である。磁気カード式の図書カードは「全国共通図書券制度」に加盟している全国の書店等のうち、カード読取り端末が設置されている約9,800店舗で利用できる。

■図書カードの特徴とカード発行形態

図書カードの特徴
図書カードは全国共通図書券の加盟店で購入できる。図書券の加盟店であっても、カード読取り端末がなければ使用できない。また、全国共通図書券制度に加盟していないコンビニエンスストア、駅売店及び古書店でも使用できない。
1990年の導入以来、年々加盟店が増加し、また図書券に代わる図書専用のプリペイドカードとして認知度が高まり、従来使用の図書券から図書カードへの移行に加え、企業等の販促・ギフト用途で利用されている。
カード発行形態
図書カードには、全国の取り扱い書店で常時販売されている「一般図書カード」と、オリジナルの注文製作ができる「広告図書カード(オリジナル図書カード)」の2種類がある。
広告図書カードには、額面金額に印刷代金や製作費用が上乗せされる。広告図書カードには、30種類のベースカードに名入れができる「ハーフメード図書カード」と、写真・イラストも入れられる「オーダーメード図書カード」に加え、小ロット・簡易印刷タイプの「クイックハーフ図書カード」「クイックオーダー図書カード」があり、用途や枚数に応じて選択できる。
「ハーフメード」「クイックハーフ」は30枚以上、「オーダーメード」は300枚以上、「クイックオーダー」は5枚以上からの申し込みとなる。
カード材料
図書カードのプラスチック基材にはPET樹脂が使用されている。従来からの図書券は、2005年10月1日から、磁気カード方式の図書カードに移行する予定である。

■研究開発・技術動向

企業名 技術開発 製品・技術概要
凸版印刷 焼却時に安全な、
カード用基材シート
を開発
【課題】
キャッシュカードやクレジットカード、IDカード(身分証明書)、会員証等に用いられる磁気カード(磁気記録媒体)は、車載用途やコンピュータ、家電製品用途で使用した場合、変形することがなく、焼却時に塩化水素ガスの発生を防ぐため、カード用基材シートが求められていた。
【解決方法と効果】
同社は、ポリ塩化ビニル、非晶性ポリエステル、又はそのポリエステルとポリカーボネート及び、又はポリアリレートとのポリマーアロイを主成分とするカード用基材シートの作製時において、水酸化カルシウムを添加することによって、焼却時に塩化水素ガスの発生を防ぐカード用基材シートを開発した。
この水酸化カルシウムは、焼却時に焼却炉中で発生する塩化水素ガスと効率良く反応し、無害な塩化カルシウムが生成する。
生成した塩化カルシウムは、焼却炉中の高温度条件下でも分解しない特性がある。また、この塩化カルシウムは、融雪剤や食品添加剤として使用されており無害である。

■図書カードの市場規模推移(2002〜2007年)

●市場規模推移及び予測 (単位:千枚、%)
  2002年 2003年
見込
2004年
予測
2005年
予測
2006年
予測
2007年
予測
国内販売数量 18,000 20,000 22,000 24,500 27,000 30,000
前年比 111.1 110.0 111.4 110.2 111.1
出所:富士キメラ総研
図書カードは当面、図書券からの移行に伴う発行増が期待できる。(図書カードの取扱店は増加している。)また、少子化傾向は読書人口の減少を招き、入学祝等に多く利用される図書券・図書カードの需要減少に影響を与える。

2002年の全国共通図書カードの販売金額は200億円であり、2007年は320億円(2002年比1.6倍)に上昇すると推定している。

出版業界全体としては、出版物の販売部数・販売金額が低迷しており、厳しい運営状況が続いている。個人消費の減少や新古書店の増加等が、新刊出版物(書籍・雑誌)の販売増を阻害している面がある。また、インターネット等電子メディア・TVゲーム・携帯電話等の普及で若年層を中心に活字離れも進んでいる。

■参入企業とシェア(2002年)

発券企業名 数量ウェイト(%)
日本図書普及 100
合 計 100
出所:富士キメラ総研

図書カードは日本図書普及(株)が発行しており、同社は出版社や出版販売会社・書店等、出版業界の共同運営会社であり、「全国共通図書券」の運営管理会社として1960年(昭和35年)に設立された。一般図書カードは、1990年12月に発行開始されている。同社は直接販売は行っておらず、全て加盟店による販売となっている。


■図書カードのサービス動向

偽造カード対応
現在のところ、テレホンカードやハイウェイカード等のように偽造カードの存在や被害は表面化していない。
使用済みカード
の処理
使用済みのカードは利用者に返すか、店側で回収しているケースもあるが、最終的にはゴミとして処理されている。他のプリペイドカードと同様に、使い捨てカードを大量生産、大量消費するシステムの転換期にきている。
図書券から
図書カードに移行
図書券は取次店経由で都度発行元に回収され、人手とコストをかけて照合・処理されされていた。一方、磁気カードを使用することになると、オンラインで集計が可能になり、図書券よりも格段に効率化されている。

■今後の動向

当面は図書券から図書カードへの切り替えによって、図書カード需要が拡大していく。しかし、ある程度のところで伸びは鈍化すると予測している。

図書カードの認知度向上に伴い、企業・法人向けの販促、ギフト用途での需要増が期待されている。

参考文献:「2003 カード市場マーケティング要覧<市場編>」
(2003年8月8日:富士キメラ総研)


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