2層TABテープの市場動向

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2層TAB(Tape Automated Bonding)テープは、3層TABテープの接着剤層を省き、ファインピッチ化に対応した製品である。3層TABテープでは、接着剤の関係から配線パターンのファインピッチ化は40μmが限界とされていた。2層TABテープは配線パターンの高密度化を飛躍的に実現する材料として注目されている。

また、FPC(フレキシブルプリント配線板)メーカーが、COF(Chip On Film)実装方式でLCD用途へ進出したのに対抗して、2層TABテープは3層TABメーカーが開発した製品である。

■タイプ別構成比と材料特性(2002年世界市場ベース)

タイプ 数量ウェイト(%)
ポリイミド 100
合 計 100
出所:富士キメラ総研

ベースフィルムには、寸法安定性、耐熱性の観点からポリイミド樹脂が採用されている。2層TABテープの場合は、ポリイミドフィルムを使用しメッキや熱圧着等を行い、電極となる8μm厚の銅層が形成されている。

■用途動向(2002年世界市場ベース)

用途名 数量ウェイト(%)
LCD・中小型パネル 100
LCD・大型パネル
合 計 100
△:僅少 出所:富士キメラ総研

当該製品の応用先はLCD用途に絞られており、中でもファインピッチ化で先行している携帯電話用途を中心とした中小型パネルへの採用が進んでいる。

また、LCD・大型パネルのファインピッチ化も要求されており、同用途における需要は急速に伸びると見ている。

■2層TABテープの市場規模推移(2002〜2007年世界市場)

●市場規模推移及び予測 (単位:1,000m2、%)
  2002年 2003年
見込
2004年
予測
2005年
予測
2006年
予測
2007年
予測
国内販売数量 200 380 450 500 550 600
前年比 190.0 118.4 111.1 110.0 109.1
海外販売数量 20 100 200 280
前年比 500.0 200.0 140.0
合 計 200 380 470 600 760 880
前年比 190.0 123.7 127.7 126.7 115.8
出所:富士キメラ総研

2層TABテープ市場は2001年に立ち上り、歴史の浅い市場である。2002年の世界市場は20万m2、60億円の規模であり、TAB全体市場の10%程度である。

<参考:TABテープ全体市場>
市場区分 2002年世界販売数量(1,000m2 構成比(%)
3層TABテープ 1,750 89.7
2層TABテープ 200 10.3
合 計 1,950 100.0
出所:富士キメラ総研

配線パターンのファインピッチ化は40μmが限界とされる3層TABテープの世界販売数量は2005年までプラス成長で推移していくが、2006年以降の需要は減少に転じると予測している。一方、2層TABテープは35μm、30μm以下のピッチ幅で高密度化が可能であり、飛躍的な需要拡大が期待されている。

LCDのカラー化、高画素化に伴い、今後はファインピッチ化が進んでいる携帯電話用やLCDモニタ用、LCD-TV用途等で需要が伸びると見ている。2層TABテープの2007年世界市場は、202億円と予測している。

■研究開発・技術動向

企業名 技術開発 製品・技術概要
日立電線 液晶ディスプレイ用の
TABテープの開発
LCD用TAB(Tape Automated Bonding)テープの電気配線は、液晶ディスプレイ(LCD)の高精細化とカラー化の進展に伴って、益々超微細化が必要となっている。
そのため、LCDとTABテープの接続には、微細パターンとの接続が可能な異方性コネクタが使用されている。
またTABテープは、電気配線の微細パターンをフォトリソグラフィで製造できるようにするため、銅箔の厚さを従来の12μmから8μmに薄くすることによって、エッチング効率を向上させている。
同社は、異方性コネクタを使用して電気接続の信頼性が高く、微細な電気配線が形成された液晶ディスプレイ用TABテープを開発した。
同社が開発したTABテープは、接続端子を厚く形成することにより、異方性コネクタによる電気接続の信頼性を高めることを可能にしている。
また、電気配線形成部を薄く加工することにより、エッチング効率が向上し、より微細なパターンの電気配線を加工することができる。

■参入企業とメーカーシェア(2002年世界市場ベース)

メーカー名 数量ウェイト(%)
三井金属鉱業 75
新藤電子工業 25
その他
合 計 100
△:僅少 出所:富士キメラ総研

当該製品は三井金属鉱業、新藤電子工業の2社による寡占市場を形成している。その他には日立電線が参入している。

三井金属は国内(東京、大阪)、韓国(ソウル)、台湾(台中)に、販売拠点や代理店を設け製品の販売に注力している。

■今後の動向

2層TABテープの2002年市場規模は20万m2と小さい。これは配線パターンのファインピッチ化が2002年では45μmに留まり、安価な3層TABテープで対応(製品供給)ができたためである。

ファインピッチ化の要求は今後携帯電話を中心に進み、2003年40μm、2005年で30μmに達すると考えられている。また、LCDモニタ、LCD-TV等の大型製品は、携帯電話に追随する形でファイン化が進んでいく。

参考文献:「2003 エレクトロニクス実装ニューマテリアル便覧」
(2003年5月23日:富士キメラ総研)


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