COFの市場動向

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COFはChip On Filmの略であり、フリップチップを直接FPCに実装する技術である。用途は携帯電話のLCDモジュールに多く採用されている。その他、プリンタヘッド、HDD、PDP用途でも一部活用されているが、ここではLCD用途での市場動向を整理している。また、COFはフィルム基板を使用した実装方式であるが、ここではCOF方式のFPCを調査対象とする。

COFの表面にはドライバICだけでなく、コンデンサ等、LCD駆動用の電子部品が同時に実装できるため、電子機器の小型薄型化に有利であると同時に、設計の自由化も広がる。

■COFの特徴と製品特性

COF方式は、TABテープにおいて加工されたデバイスホールを無くし、フライングリード(リード配線の張り出し)を不要にしている。従って、直接ボンディングすることが可能なため、フライングリードの脱落、変形の発生が起こりにくくなり、配線ピッチ幅のファイン化がTABテープ以上に実現可能である。

COFのメリットはFPCの厚さを薄くできるため、折り曲げ角がより鋭角になる。そのため狭いスペースで折りたたむことが可能である。逆にデメリットはTABに比べて、1〜3割コスト高になることである。

■COFの製造方法と使用材料(2002年:世界市場ベース)

<タイプ別 製造方法>
タイプ 販売数量(1,000m2 ウェイト(%)
キャスティング法 350 89.7
メッキ・蒸着・スパッタ法 40 10.3
ラミネート法 僅少 僅少
合 計 390 100.0
出所:富士キメラ総研

COFの製造方法は、キャスティング法、メッキ・蒸着・スパッタ法、ラミネート法の3つに大別され、中でもキャスティング法が広く使われている。

キャスティング法は、ポリイミド基板に銅箔を貼り付けた後、銅箔をエッチングして溝を切る方式が活用されており信頼性が高い。ソニーケミカル、日本メクトロン、日東電工等が採用している。

■用途動向(2002年:世界市場ベース)

用途名 数量ウェイト(%)
LCD・中小型パネル 87
LCD・大型パネル 13
合 計 100
出所:富士キメラ総研

主な用途はLCD分野であり、携帯電話用途で市場が本格化している。代表的な用途は携帯電話のLCDモジュール(ドライバIC実装部)に多く使われている。他にはPDA、DVC、カムコーダ等の小型パネルだけでなく、LCDモニタ、LCD-TV等の大型パネルにも一部採用されている。

韓国のSamsung El.は、大型LCDパネル用途においてTABテープの接着剤による熱膨張を避けるため、従来からCOFを採用している。

■COFの市場規模推移(2002〜2007年世界市場)

●市場規模推移及び予測 (単位:1,000m2、%)
  2002年 2003年
見込
2004年
予測
2005年
予測
2006年
予測
2007年
予測
国内販売数量 250 310 400 500 600 700
前年比 124.0 129.0 125.0 120.0 116.7
海外販売数量 140 200 270 370 500 630
前年比 142.9 135.0 137.0 135.1 126.0
合 計 390 510 670 870 1100 1330
前年比 130.8 131.4 129.9 126.4 120.9
出所:富士キメラ総研

シャープが1990年代半ばから、COFの内製を展開していたが、1997年8月ソニーケミカルが市場投入することにより市場が形成された。COF市場は携帯電話の小型化、カラー化、高階調化のニーズに対応し、今後の需要拡大が期待される。

2002年のCOF世界市場は数量ベースで39万m2、金額ベースで135億円である。ピッチ幅がTABの限界である40m より狭い製品の市場投入によって、更に市場拡大が期待されている。2007年は、338億円(2002年比2.5倍)と予測している。

■研究開発・技術動向

企業名 技術開発 製品・技術概要
新日鐵化学 COF実装に優れた銅箔-ポリイミド積層体の開発 携帯電話の液晶ドライバー等に使用されるCOFは、処理情報量の増加、小型化に対応し、配線の狭ピッチ化の進展に伴い、ICチップを基板配線上に直接実装するため、2層CCLに対してファインパターンの加工性、耐熱性等の要求が高まっている。
同社は携帯電話用COF(チップオンフィルム)等、IC・LSIなどの電子部品を実装する際に、配線のファインパターン加工性に優れ、配線とポリイミド間の接着力の高い金属-ポリイミド積層体を開発した。
この積層体は、ポリイミド層の片面にスパッタリング法や電解メッキ法により形成された金属層(M)を有する銅箔−ポリイミド積層体であり、ポリイミドと金属層間の初期接着強度は1000N/mm以上である。
その金属層(M)が、スパッタリング法で形成される第一層の金属層とその上に形成される第二層の金属層と二層構造で形成されている。
その第一層の金属層はニッケル、クロム、コバルト等の金属又はこれらの金属を主成分とする合金から構成されている。第二層の金属層は銅箔−ポリイミド積層体である。
銅箔の厚さは18mである。この銅箔上に調製したポリアミック酸溶液を塗布したのち、130℃で加熱乾燥し溶剤を除去する。その後、室温から280℃まで約4時間かけて熱処理しイミド化させ、合計厚み約40mのポリイミド系樹脂層が銅箔上に形成された片面銅張り積層体を開発している。

■参入企業とメーカーシェア(2002年:世界市場ベース)

メーカー名 数量ウェイト(%)
ソニーケミカル 51
住友スリーエム 31
日東電工 5
日本メクトロン 5
その他 8
合 計 100
出所:富士キメラ総研

トップのソニーケミカルはキャステンィグ法で参入している。同社は部材(CCL)からの一貫生産を行う唯一のメーカーであり、携帯電話用途が中心である。

住友スリーエムはメッキ・蒸着・スパッタ法も取り入れている。国内及びシンガポールで生産を行っている。日東電工、日本メクトロンは共にFPCの大手メーカーでありキャスティング法で参入。

その他には、日立化成工業、フジクラ、丸和製作所、カシオマイクロニクス等が参入している。

■今後の動向

携帯電話のカラー化対応において、TABの配線ピッチ幅は40mが限界とされており、COF方式の場合はそれ以上のファイン化が期待されている。2003年春の時点では、商用ベース製品においてミニマムのピッチ幅は45m であり、TABとの差別化をはかるレベルには至っていない。また、ピッチ幅30mの製品も開発中である

参考文献:「2003 エレクトロニクス実装ニューマテリアル便覧」
(2003年5月23日:富士キメラ総研)


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