2層フレキシブル銅張積層板(プリント配線板関連材料)の市場動向

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ポリイミドフィルムと銅層で構成される、接着剤レスのフレキシブル銅張積層板(2層FCCL)を対象とする。接着剤を使用しない為、耐熱性、耐薬品性、マイグレーション(プリント基板等を高湿条件下に置き電圧を印加した場合に、一方の金属電極から他方の金属電極に金属イオンが移行し、金属又は化合物が析出する現象)特性、折り曲げ性が良いという特徴がある。

参入メーカーはFCCLの外販専業メーカーと内製メーカーが挙げられる。内製メーカーでは自社でFCCLを製造、エッチング加工を施して、セットメーカーに納入している。

■タイプ別構成比(2002年:世界市場ベース)

タイプ 数量ウェイト(%)
キャスト法 71
ラミネート法 21
スパッタ+メッキ法 8
合 計 100
出所:富士キメラ総研

キャスト法はトップシェアの新日鐡化学をはじめ、携帯電話分野で強いソニーケミカル、デュポンが採用している。ラミネート法の宇部興産、スパッタ+メッキ法の東洋メタライジング、住友金属鉱山等、キャスト法以外の方式は30%程度である。

当該市場の主要製品は、新日鐡化学の「エスパネックス」に代表されるキャスト法(銅箔にポリイミドワニスをコーティング後に焼成して製造)の2層FCCLである。一方、メッキ法はPIフィルム(カプトン100EN)にスパッタ+メッキを施すことにより銅層を形成している。

■用途動向(2002年:世界市場ベース)

用途名 数量ウェイト(%)
FPC 88
COF 8
TAB 4
合 計 100
出所:富士キメラ総研

2002年中頃から携帯電話の需要分野では、2層FCCLを採用する動きが急速に進み供給が逼迫している。

携帯電話用液晶ディスプレイのCOF用途や大型TFT-LCDのCOF向けの2層FCCLは、ファインパターン化に適したスパッタ+メッキ法で製造されている。ラミネート法で製造された2層FCCLは、2003年ではFPC用途で採用されている。

宇部興産のPIフィルムは、耐吸湿性、寸法安定性、ピール強度が優れておりCOF向けに適している。

■2層フレキシブル銅張積層板の市場規模推移(2002〜2007年:世界市場ベース)

●市場規模推移及び予測 (単位:1,000m2、%)
  2002年 2003年
見込
2004年
予測
2005年
予測
2006年
予測
2007年
予測
国内販売数量 4,120 6,900 10,000 12,500 15,000 18,000
前年比 167.5 144.9 125.0 120.0 120.0
海外販売数量 660 1,100 1,600 2,000 2,400 2,900
前年比 166.7 145.5 125.0 120.0 120.8
合 計 4,780 8,000 11,600 14,500 17,400 20,900
前年比 167.4 145.0 125.0 120.0 120.1
出所:富士キメラ総研

銅張積層板の全体市場は2001年にマイナス3割以上の減少を示すなか、2002年の2層FCCLは二つ折仕様、カラーTFT-LCD仕様、カメラ付き仕様の携帯電話において需要が急増し、数量ベースで2001年比49.8%増加した。

2002年は供給不足となり、トップメーカーの新日鐡化学は増産を相次いで発表しており、その他メーカーも本格的な量産を開始している。

2002年の2層FCCL世界市場は数量ベースで478万m2、金額では約234億円の市場に拡大している。2007年は、約773億円(2002年比3.3倍)に急上昇すると予測している。

■研究開発・技術動向

企業名 技術開発 製品・技術概要
新日鐵化学 柔軟性、耐折性があり、精密なパターニングが可能なフレキシブル銅張積層板(FCCL)を開発 最近の高密度実装化に伴い、電子機器の筐体内に収納されるフレキシブル銅張積層板(FCCL)では、屈曲部が増えると共に、屈曲部を形成する2つの面のなす角度が小さくなってきている。
配線の狭ピッチ化に対応するには、FCCLの銅箔層には電解銅箔が良いと考えられる。しかし、電解銅箔は、剛直性が高く、抗張力が大きく、延性が低い。そのため、従来、電解銅箔を用いて製造されたFCCLは、銅箔の延性疲労によって配線が断線し易く、電気的信頼性が得られないことが多かった。
FCCLの耐折性を高めるために、抗張力の小さい電解銅箔を用いてFCCLを製造することも考えられる。しかし、抗張力の小さい銅箔を用いると、FCCLの製造時に銅箔のテンション調整が難しくなる等、銅箔の取り扱いに注意が必要になり、FCCLの生産性が低下する。
このような背景から、これまでは、銅箔層における良好な延性とFCCLにおける良好な耐折性が得られ、且つ精密なパターニングが可能なFCCLを製造する方法が開発されている。同社は、ポリイミド系樹脂層を含むベース層と、このベース層の片面または両面に銅箔層が接合した新しいFCCLを開発した。銅箔層に使用する電解銅箔の特性は、320℃の温度で30分間の熱処理を行った場合に、熱処理前における電解銅箔の抗張力の値が450〜500MPaの範囲内にある。
銅箔層に上記特性を持つ電解銅箔を用いることによって、FCCLの製造において、銅箔の操作性、応力緩和性能が良好になる。同社は、柔軟性及び耐折性が良好であるため、精密なパターニングができるFCCLを開発している。

■参入企業とメーカーシェア(2002年:世界市場ベース)

メーカー名 数量ウェイト(%)
新日鐵化学 34
宇部興産 17
三井化学 11
東洋メタライジング 6
その他 32
合 計 100
出所:富士キメラ総研

新日鐡化学は携帯電話向けのFPC需要を背景に、2層FCCLの製造はフル稼働で生産している。

宇部興産は2001年度から量産を開始している。その他、東洋紡、藤森工業、ソニーケミカル、3M、日本高度紙工業、クラレ、カネカ、日東電工、Dupont等が参入している。

■今後の動向

2層フレキシブル銅張積層板のCOF用途では更なるファインピッチ化が要求されているのに伴い、薄肉化、寸法安定性の向上が求められている。

スパッタ+メッキ法では、既に8mの銅箔仕様を実現しているが高価である。このため安価なキャスト法でもファインピッチ化が進められている。

参考文献:「2003 エレクトロニクス実装ニューマテリアル便覧」
(2003年5月23日:富士キメラ総研)


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