3層フレキシブル銅張積層板(プリント配線板関連材料)の市場動向

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フレキシブルプリント配線板、TABテープ(インタポーザ含む)で使用されるフレキシブル銅張積層板(3層FCCL)を対象とする。構造は銅箔とフィルムを接着剤で一体化させた3層構造である。

3層FCCLの調達・製造方法は、FPCメーカーが3層FCCLを購入するか、3層FCCLの構成部材を個別に購入し自社で貼り合わせるか、接着剤付フィルムを銅箔に貼り合わせるかの3通りの方法がある。3層FCCL市場は3層FPCメーカーによる内製が多いという特徴がある。

■用途動向(2002年世界市場ベース)

用途名 数量ウェイト(%)
FPC 92
TAB 8
合 計 100
出所:富士キメラ総研

FPC用途では屈曲性が要求される用途を中心に採用されている。具体的にはHDD等の各種ディスクドライブ、パソコン、プリンタ、DSC、携帯電話等が挙げられる。

TAB用途にはLCDドライバ向けとパッケージインターポーザ向け(T-CSP、BGA等)がある。ドライバIC市場は拡大傾向にあるが、3層TABから2層COFにシフトしており微増と見られる。パッケージ向けは需要が横這いである。

■3層フレキシブル銅張積層板の市場規模推移(2002〜2007年:世界市場ベース)

●市場規模推移及び予測 (単位:1,000m2、%)
  2002年 2003年
見込
2004年
予測
2005年
予測
2006年
予測
2007年
予測
国内販売数量 13,800 15,900 17,800 19,900 22,300 25,000
前年比 115.2 111.9 111.8 112.1 112.1
海外販売数量 6,700 8,000 9,400 10,800 12,400 14,300
前年比 119.4 117.5 114.9 114.8 115.3
合 計 20,500 23,900 27,200 30,700 34,700 39,300
前年比 116.6 113.8 112.9 113.0 113.3
出所:富士キメラ総研

3層FCCLの主力用途はHDDであり、その他に光ストレージ、デジタルカメラ(DSC)、ディスプレイ、VTR、プリンタ、携帯電話等が挙げられる。2002年の3層FCCL市場はノートPC、HDDが低迷しているが、前半よりアジアでの汎用品需要が立ち上がり、DSCやDVD向けの好調もあり、数量ベースでは2001年比34.9%増加した。

特定分野では、2層FCCLへのシフトが今後進むものと見られるが、棲み分けによって市場は堅調に推移していくものと予測している。

■研究開発・技術動向

企業名 技術開発 製品・技術概要
ニッカン工業 燃焼時にハロゲン化合物が発生せず、耐マイグレーション性に
優れたFPC用材料を開発
近年、地球の環境問題に対する関心が高まり、環境に有害なハロゲン化合物(臭素、塩素等)を使用しない材料の開発が進められており、フレキシブルプリント基板においても非ハロゲン化が要望されている。
既に、フレキシブル銅張積層板においても接着剤を用いずに、ポリイミド樹脂上に直接、導体層を形成したフレキシブル銅張積層板(2層FCCL)が販売されている。しかしポリイミド樹脂では半硬化型接着剤の形成が難しく、また完全硬化時に高温を必要とするためカバーレイフィルムとしての使用は困難である。
ポリイミドは吸湿性が高く、導体層がポリイミドフィルムに直接接触していることにより電気特性が変化しやすい。また、接着剤を用いたフレキシブル配線板(FPC)用材料は、リン酸エステルを使用したりすることにより耐熱性を確保する場合がある。
同社は、燃焼時に有害なハロゲン化合物を発生せず、かつ耐マイグレーション性(プリント基板等を高湿条件下で電圧を印加した場合に、一方の金属電極から他方の金属電極に金属イオンが移行し、金属又は化合物が析出する現象)に優れたフレキシブルプリント配線板用材料を開発している。このFPC用材料は、リン酸エステルアミド型難燃剤を使用した接着剤を用いることにより、接着力、耐燃性、電気絶縁性に優れたフレキシブル銅張積層板、カバーレイフィルム及び接着剤シートを得ることができ、エレクトロニクス製品の高機能化に貢献している。

■参入企業とメーカーシェア(2002年:世界市場ベース)

メーカー名 数量ウェイト(%)
NOKグループ 23
ニッカン工業 17
有沢製作所 10
その他 50
合 計 100
出所:富士キメラ総研

FPCメーカーであるNOKグループ(日本メクトロン、台湾)による内製(90%以上)が最も多い。ニッカン工業はDupontのOEMも手がけている。

その他の内製メーカーには秋田ベークライト、ソニーケミカル、日東電工、住友電工(東海ゴム製)等が参入している。外販メーカーとしては、信越化学工業、東レ、京セラケミカル等が挙げられる。

■今後の動向

地球環境問題に対応して、ハロゲンフリー接着剤や鉛フリー実装用の高耐熱性接着剤のニーズが高まっている。そのニーズに呼応して、鉛フリーハンダリフローに要求される高耐熱製品やハロゲンフリーで優れた難燃特性を持つ環境対応型の製品開発が進められている。

参考文献:「2003 エレクトロニクス実装ニューマテリアル便覧」
(2003年5月23日:富士キメラ総研)


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