ガラス基材銅張積層板(プリント配線板関連材料)の市場動向

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ガラス基材銅張積層板はガラス布にエポキシ等の樹脂を含浸させ、プリプレグ(樹脂含浸基材)に銅箔を張り合わせた積層板であり、片面板、両面板用の他、多層板用にも多く出荷されている。エポキシ樹脂系のFR-4(耐燃性ガラス基材エポキシ樹脂積層板)が代表的である。高周波対応としてフッ素樹脂系、BTレジン等がある。用途先が近いPPO樹脂、PPE樹脂系もここに含める。

FR(flame retardant)は、プリント基板の部材である銅張積層板の耐燃性の等級を示す記号である。FR-4は、主にノートPC、携帯電話等の情報通信機器、デジタル機器に採用されている。

■タイプ別構成比(2002年世界市場ベース)

タイプ 数量ウェイト(%)
FR-4 94
FR-5(FR-6を含む) 4
BTレジン 2
その他 僅少
合 計 100
出所:富士キメラ総研

当該製品はFR-4が市場の中心を占めている。FR-4は片面板(特殊用途)、両面板、多層板(20層位まで) 、IC基板に使用されている。2002年は自動車分野及び携帯電話用途でFR-4が伸長した。

FR-5は全体の数%と少なく、多層板(20層以上が中心) 、IC基板に使われている。採用実績は少ないが、多層であるため面積ベースでは販売数量が大きくなる。上表にはFR-6が含まれている。BTレジンは全量IC基板向けである。(BTレジンは三菱瓦斯化学の商標名であり、ビスマレイミドトリアジン樹脂等からなる熱硬化性樹脂である)

■用途動向(2002年世界市場ベース)

用途名 数量ウェイト(%)
多層板 44
両面板 36
片面板 17
基板 3
IC合 計 100
出所:富士キメラ総研

多層板は多層構造であるため、面積ベースの販売数量が最も多くなっている。2002年は自動車、携帯電話分野で需要が拡大している。両面板は海外市場でCEM-3(基材の種類:難燃グレードの1つ)と競合しており、CEM-3に一部代替されている。IC基板用途では、FR-4、FR-5が約半数を占め、残りはBTレジンである。

■ガラス基材銅張積層板の市場規模推移(2002〜2007年世界市場ベース)

●市場規模推移及び予測 (単位:1,000m2、%)
  2002年 2003年
見込
2004年
予測
2005年
予測
2006年
予測
2007年
予測
国内販売数量 14,100 14,900 15,200 15,500 15,800 16,000
前年比 105.7 102.0 102.0 101.9 101.3
海外販売数量 73,000 77,200 78,600 80,000 81,200 82,300
前年比 105.8 101.8 101.5 101.9 101.3
合 計 87,100 92,100 93,800 95,500 97,000 98,300
前年比 105.8 101.8 101.8 101.5 101.4
出所:富士キメラ総研

2002年のガラス基材銅張積層板の世界市場は、8,710万m2(2001年比5.1%増)、1,985億円である。自動車及び携帯電話向けの多層基板用途を中心に市場が伸びている。2007年は2,025億円と予測している。また、国内と海外の販売比率(2002年数量ベース)は1対5で、海外販売数量が上回っている。

当該製品は産業用機器に使用されるケースが多く、同市場はインフラ等、設備投資の動向に影響を受ける面が大きい。IC基板用途に使用されているFR-5やBTレジンは、IT不況の影響等を受け2002年は伸び悩んだ。

■研究開発・技術動向

企業名 技術開発 製品・技術概要
松下電工 銅箔のシワ発生を
低減できる
銅張積層板を開発
銅張積層板は、通常、ガラスクロス等の基材にエポキシ樹脂等の樹脂ワニスを含浸させ、これを加熱乾燥することによってプリプレグ(樹脂含浸基材)が製作される。
プリプレグの基材には、ガラス織布(ガラスクロス)、ガラス不織布、アラミド織布、アラミド不織布が用いられ、樹脂ワニスには、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シアネート樹脂等の熱硬化性樹脂を用いて調製した樹脂を用いることができる。
このプリプレグの片面又は両面に銅箔を所要枚数重ね、これを加熱加圧して積層成形することによって製造される。
そして、この銅張積層板の銅箔にエッチング加工等を施してパターンニングを行い回路形成することによりプリント配線板を仕上げることができる。プリント配線板の製造において、銅張積層板の銅箔にシワが入っていると、回路の断線やショート等を起こす可能性がある。銅箔にシワが入ることなく積層を行う必要がある。
そこで同社は、プリプレグの表面に銅箔を重ね、この銅箔の端部を外方に引っ張ってシワを延ばした後に、これを加熱加圧成形することにより、銅箔のシワ発生を防止している。
プリプレグは、静電気の帯電量が2KV以下であるものを用いる。
厚さ12m以下という薄物の銅箔が、静電気によって受ける影響は十分に小さくなり、シワ不良の発生を低減することができる。
しかもシワを延ばすため、銅箔に対して引っ張る等の外力を加える必要がないので、銅箔に傷が付くことを回避できる。

■参入企業とメーカーシェア(2002年世界市場ベース)

メーカー名 数量ウェイト(%)
イソラ 29
Nanya 20
松下電工 12
日立化成工業 10
その他 29
合 計 100
出所:富士キメラ総研

トップのイソラは欧州のメーカーであり多層基板向けが強い。2位のNanyaは台湾メーカーで両面板が得意である。

国内では松下電工がトップメーカーである。その他には住友ベークライト、BTレジンを用いた三菱ガス化学、フッ素樹脂系の中興化成、Arlon等が含まれている。多層基板が得意なイソラや国内メーカーがシェアを拡大している。

■今後の動向

ガラス布に耐熱ガラス布を使ったFR-5製品の開発が進んでいる。耐熱性が高く高インピーダンスなFR-5は、LSIインターポーザ等のパッケージ基板としての採用が増えている。

参考文献:「2003 エレクトロニクス実装ニューマテリアル便覧」
(2003年5月23日:富士キメラ総研)


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