多層フレキシブルプリント配線板(プリント配線板関連製品)の市場動向

マーケット情報TOP
多層フレキシブルプリント配線板(以下、多層FPC)は、両面FPCの高密度実装用という位置付けの製品であり、インピーダンスマッチングが良好である。

製法は2つに大別され、3層FPC材料とボンディングシートを交互に積層・熱圧着する圧着法と、感光性ポリイミドをビルドアップするタイプがある。

多層FPCは、DVC(デジタルビデオカメラ)、PDA、ハンディーターミナル等、小型・軽量・高密度化が求められる製品に使用されている。

■タイプ別構成比(2002年:世界市場ベース)

タイプ 数量ウェイト(%)
圧着法 80
ビルドアップ法 20
合 計 100
出所:富士キメラ総研

3層FPCをボンディングシートでサンドイッチ状に熱圧着し、銅箔を積み上げていく圧着法が8割を占めている。感光性ポリイミドをビルドアップするタイプのビルドアップ法は、高周波特性は良いが高価である。

■用途動向(2002年:世界市場ベース)

用途名 数量ウェイト(%)
小型電子機器 100
合 計 100
出所:富士キメラ総研

携帯電話を中心にPDA、DVC等の高密度実装と、軽量・小型化が要求される製品で多く採用されている。

■多層フレキシブル銅張積層板の市場規模推移(2002〜2007年:世界市場ベース)

●市場規模推移及び予測 (単位:1,000m2、%)
  2002年 2003年
見込
2004年
予測
2005年
予測
2006年
予測
2007年
予測
国内販売数量 230 270 460 860 930 990
前年比 117.4 170.4 187.0 108.1 106.5
海外販売数量 120 150 170 200 250 300
前年比 125.0 113.3 117.6 125.0 120.0
合 計 350 420 630 1,060 1,180 1,290
前年比 120.0 150.0 168.3 111.3 109.3
出所:富士キメラ総研

二つ折仕様、カラーTFT-LCD仕様、カメラ付き仕様の携帯電話における需要が急増し、2002年の多層FPC市場は数量ベースで35万†(前年比155.6%)となり、金額ベースでは290億円である。2007年は919億円(2002年比3.17倍)の巨大市場に成長すると予測している。

2003年以降も携帯電話の二つ折仕様、カメラ付き携帯電話の普及、欧州・アジア地域におけるカラーTFT-LCDの浸透が成長要因として挙げられる。

■研究開発・技術動向

企業名 技術開発 製品・技術概要
日本メクトロン 導電性バンプと
配線パターンとの
接続信頼性が高い
多層回路基板を開発
導電性バンプを用いて層間接続を行う多層回路基板は、一般に、導電性金属板の導電性バンプが貫通するように、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド等の絶縁樹脂層を積層して、回路基板素板が形成されている。
多層回路基板は、周囲環境の変化等に応じて変形歪み部分への局部応力を生じ易く、導電性バンプと配線パターンとの電気的接続の信頼性に欠けたものとなり易い。そこで、同社は、導電性バンプと配線パターンとの接続信頼性が良好な、多層回路基板の製造技術を開発している。
配線パターンにおけるバンプの接続部は、下方に向かって押し込まれた状態に変形しており、これに伴い絶縁樹脂層も同様に変形し、この変形は回路基板素板の絶縁樹脂層にまで及んでいる。
そして、最外層をなす上下の導電金属層をエッチングして配線パターンを形成すると、内部に変形歪みを含んだ4層の断面構造を持つ回路基板が形成される。(このような断面構造が形成される原因は、加熱による絶縁樹脂層の軟化により加圧に耐えられなくなるためであり、多層化のために積層、加熱加圧すると、絶縁樹脂層等が軟化し、バンプが押し付けられることによって変形を生じる。)
同社は、層間接続用バンプを持った導電性金属板と絶縁樹脂層とを積層した多層回路基板において、熱可塑性絶縁樹脂(昇温により軟化し更に昇温すると結晶化して硬化する)を用いることにより、積層接着後に絶縁樹脂層を硬化して、多層化積層処理に伴う加熱変形を起こさない、多層回路基板を開発している。

■参入企業とメーカーシェア(2002年世界市場ベース)

メーカー名 数量ウェイト(%)
NOKグループ 57
シャープ 11
ADFlex 9
住友電工 3
その他 20
合 計 100
出所:富士キメラ総研

NOKグループ(生産は日本メクトロンが対応)のシェアが大きいのは、ドイツ、台湾、東南アジア、日本、米国とワールドワイドで展開しているためである。シャープはビルドアップ法を採用しており、北米向けが強い。3位のADFlexは欧州市場で実績をあげている。

■今後の動向

3層FCCLは接着剤の厚さが約50mを有し、微細加工時に有害ガスが接着剤から発生する。配線パターン等の微細加工の妨げになることから、2層FCCL材料を使用した多層FPCが2002年春から市場投入されており、今後の需要拡大が予測されている。


参考文献:「2003 エレクトロニクス実装ニューマテリアル便覧」
(2003年5月23日:富士キメラ総研)


戻る