フリップチップボンダ(半導体関連装置)の市場動向

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フリップチップボンダ(FCボンダ)とは、ボンディングワイヤーやリードを使用せず、シリコンチップ上のバンプと呼ばれる表面電極とガラス基板の電極同士が、直接対向して密着させる接合装置である。

フリップチップ(FC)は、ICチップ表面部にバンプという突起電極を形成したチップである。FCの接続方法には、はんだを使用する金属接合、金バンプと銀ペースト(ペースト状の主剤にポリイミド樹脂を使用)を使用した接着法、金バンプと異方性導電膜(ACFの基材フィルムはPET樹脂が中心)を使用した圧接法等がある。

■タイプ別構成比(2002年:世界市場ベース)

タイプ 数量ウェイト(%)
Au-Sn 52
SolderBump 27
ACF/ACP 17
NCP 4
合 計 100
出所:富士キメラ総研

LCD用のICドライバの生産に使用されている超音波によるAu-Snはんだ接合が主流である。超音波を使用した方式は、工程数を短縮できることから広く受け入れられている。Au-Snは今後の増加傾向にある。ACF/ACP(異方性導電フィルム/ペーストを使用した接合方法)は、コストの問題と信頼性の問題があるため減少傾向にある。

SolderBumpは環境問題の観点からやや厳しい状況下にある。従来、Solderには一般に、鉛−すずのソルダ材料が使用されてきたが、鉛代替のためにすず−銀−銅、すず−銀、すず−銅のソルダ材料が使用されている。

NCP工法は、AuバンプとAuメッキされた基板電極との間において、実装前に接合材を注入し、加圧状態で接合材を硬化させ圧着接合する方法である。

■FCボンダの市場規模推移(2002〜2007年:世界市場)

●市場規模推移及び予測 (単位:台、%)
  2002年 2003年
見込
2004年
予測
2005年
予測
2006年
予測
2007年
予測
国内販売数量 120 120 150 180 190 210
前年比 108.3 115.4 120.0 105.6 110.5
海外販売数量 120 150 180 210 230 250
前年比 125.0 120.0 116.7 109.5 108.7
合 計 240 280 330 390 420 460
前年比 116.7 117.9 118.2 107.7 109.5
出所:富士キメラ総研

2002年の世界市場は半導体不況にもかかわらず、液晶用ドライバIC市場に支えられ240台(前年比114.3%)、約67億円という、比較的堅調な市場推移を示した。2003年は半導体市場の回復が見込まれている。そして2007年市場は117億円(2002年比1.75倍)と予測している。

今後の懸念材料は、有機EL、低温ポリシリコンの台頭によるドライバIC需要の伸び悩みを指摘している。

■研究開発・技術動向

企業名 技術開発 製品・技術概要
ディスコ 半導体チップの
バンプが短絡しない、
フリップチップ
ボンダを開発
近年の電子機器は軽量化、小型化を実現するために、半導体チップの電極に50〜100mの突起状バンプを形成し、実装基板上の電極と直接接合できるフリップチップが開発されている。
従来、加熱した板をバンプに押し当ててバンプの高さを揃えると、バンプが潰れる際に、隣接するバンプと短絡するという問題が指摘されている。
そこで同社は、半導体チップ表面の突起電極が短絡することなく、電極の高さを揃えることができるフリップチップ(FC)ボンダを開発した。
実装基板保持手段と、表面に複数個の電極が突出した半導体チップを、実装基板保持手段に保持された実装基板に接合する、FCボンダである。
フリップチップは、その表面に複数個のスタッドバンプ(電極)が形成され、そのバンプを介して実装基板に接合するために、突起状のバンプの高さを揃える必要がある。
同社のFCボンダは、半導体チップ搬入域と半導体チップ搬出域と電極切削域との間を移動可能な構造になっている。
半導体チップの表面に突出して形成された複数個の電極は、先端部が切削によって除去されるため短絡を生じさせることなく、その高さを容易に揃えることができる。
従って、半導体チップの表面に形成された複数個のバンプ電極を、実装基板に確実に接合することができる。

■参入企業とメーカーシェア(2002年:世界市場ベース)

メーカー名 数量ウェイト(%)
松下電器産業 37
東レエンジニアリング 25
九州松下電器 13
芝浦メカトロニクス 8
ESEC(スイス) 5
その他 12
合 計 100
出所:富士キメラ総研

2003年1月の事業再編に伴い、松下電器産業の装置部門と九州松下電器のFA事業部が統合し、パナソニックファクトリーソリューションズという新会社を設立したため、2003年以降は松下電器グループが、マーケットの半数をキープすることは間違いない。2位の東レンジニアリングは松下グループの独走を阻止している。

■今後の動向

バンプの高さのばらつきや基板のたわみによってバンプの接着不良等が起こるため、バンプレベリングと呼ばれる荷重制御が必要とされている。

FCボンダはまだ確立されていない技術でもあり、ユーザーの信頼性が得られていない一面がある。量産体制時における高い信頼性が求められている。FCボンダの定時安定性が今後の技術課題である。

参考文献:「2003 エレクトロニクス実装ニューマテリアル便覧」
(2003年5月23日:富士キメラ総研)


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