超高分子量ポリエチレンパウダーの市場動向

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超高分子量ポリエチレン(UHMWPE:Ultra High Molecular Weight Polyethylene)は、通常のポリエチレンに比べて分子量が100万〜600万と非常に大きい樹脂であり、樹脂の特性をそのまま備えている球状微粒子である。

また、超高分子量ポリエチレンの供給形態はペレットではなく、100〜200m程度の粒子状で販売されている。当該市場では25〜30m程度の微細な超高分子量ポリエチレンパウダーを対象としており、同サイズのパウダーを量産レベルで製造しているのは三井化学のみである。

■超高分子量ポリエチレンパウダーにおける材料の特徴

製造方法 懸濁重合法
平均粒径 25〜30m
粒子形状 球状
原材料 超高分子量ポリエチレン

超高分子量ポリエチレンは、一般的なPEよりも分子量が極めて大きく、耐摩耗性や摺動性、自己潤滑性、耐薬品性等が優れている。

超高分子量ポリエチレンパウダーは平均粒径が25〜30m、かつ200万以上の分子量を有し懸濁重合法によって製造される。

●超高分子量ポリエチレンパウダーの特徴
種々の樹脂、ゴムに添加して潤滑性、耐摩耗性、耐衝撃性、耐薬品性等の向上に有効。
フィラーや顔料等の分散性に優れているため、良好な機械物性の製品が得られる。
耐熱性、耐水性に優れている。
FDA規格に適合する(プラスチック包材として食品衛生性に優れる)。
FDA(Food and Drug Administration):米国食品医薬局、日本なら厚生労働省に相当する機関。

■用途動向(2003年:国内販売+輸出ベース)

用途名 販売量
ウェイト(%)
備考(具体例、等)
樹脂・ゴムの改質用 79 ポリアセタール、ナイロン、フェノール、ゴム等に添加。(5〜20%添加し、摺動性を高める。)
摺動材料 10 カーボン、グラファイト、二硫化モリブデン等、フィラーの高充填が可能で、高度の摺動特性を持つ製品の製造が可能。
その他 11 フィルター(焼結することで小さな孔径を持つ多孔体が得られる)。グリース、潤滑油、インキ、塗料、顔料等へ添加。
合 計 100  
出所:富士キメラ総研

樹脂・ゴムの改質用がメイン用途であり高いウェイトを占める。具体的には自動車用のゴム改質向けに安定需要を形成している。

ゴムのように弾性特性を有する材料は通常滑り性が悪い。そこに、超高分子量ポリエチレンパウダーを混入することにより、弾力性を持ちながら摺動性を備えた製品の製造が可能である。

■市場規模推移(2002〜2007年)

●市場規模推移及び予測(国内販売+輸出ベース) (単位:t、%)
  2002年 2003年 2004年
見込
2005年
予測
2006年
予測
2007年
予測
販売数量 250 260 270 280 290 300
前年比 104.0 103.8 103.7 103.6 103.4
出所:富士キメラ総研

2003年の超高分子量ポリエチレンパウダー市場は、260t、2.7億円と推定している。1990年に上市以来、安定した伸びを示している。また、2007年は3.1億円と予測している。

当該製品の認知度がまだ低く、用途開拓が不充分であること、参入メーカーが1社のみであることから、大幅に市場拡大するまでには至っていないが潜在的な新規用途開拓の可能性は高い。2004年以降、顕在化している需要分野の開拓を中心として、市場は拡大傾向で推移していくと予測している。

■競合・棲み分け状況/比較ポイント

競合分野 競合部位 製品種類 比較ポイント 競合状況
コスト 分散性 耐熱性 摺動性
樹脂・ゴム改質 自動車部品、等 当該品 × 棲み分け
フッ素樹脂 × ×
凡例 : 優れる◎、やや優れる○、やや劣る△、劣る×

■参入企業とメーカーシェア(2003年)

メーカー名 販売量ウェイト(%)
三井化学 100
合 計 100
出所:富士キメラ総研

超高分子量ポリエチレンパウダーを取り扱っているメーカーは、国内では三井化学であり、海外ではティコナ社(ドイツ)が供給している。三井化学は「ミペロン」という製品名で販売している。

■今後の動向

まだユーザーの認知度が低く、認知度アップにより用途開拓の余地が見込まれる。また、競合する製品は特になく、徐々にではあるが今後も市場は拡大傾向で推移していく。

参考文献:「2004年 微粉体市場の現状と将来展望」
(2004年8月5日:富士キメラ総研)


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