高機能コーティング市場:
先端テクノロジーで需要領域が拡がる高機能コーティング市場

コーティングは、従来から広い分野で使用されている塗装や透明樹脂、フッ素樹脂などの高分子コートが主要技術です。その他は、スパッタリング、メッキ、ゾル・ゲル法、印刷加工技術など多数の技術が挙げられます。いずれも、コーティングを施すことによって、製品の高機能化、高付加価値化が実現できます。

現在、その需要領域は多岐に亘っています。日用品や雑貨、衣料、包装資材などの汎用消費材から、建築・土木材料、自動車や家電製品などの耐久消費材、さらに、情報通信機器や航空宇宙産業、医療分野などの先端テクノロジーにいたるまで、社会全般に亘る大半の工業製品にコーティング技術は応用され、製品の高品質化に大きく貢献しています。

今回は、コーティング市場の中でも特に注目されるエレクトロニクス分野について見ていきましょう。

第1図 エレクトロニクスコーティング分野市場規模推移


近年、LCDやPDP、有機ELなどのディスプレイ製品の成長が顕著になっています。これに伴ってディスプレイ製品用のコーティング・膜材料市場も大幅な需要拡大が見込まれています。

ディスプレイ市場では、ノートパソコンや大型LCD−TV、携帯電話などの応用製品の市場が活況を呈しているため、反射防止フィルムや拡散フィルム、プリズムシート、フォトスペーサなどが高い成長率を示しています。

半導体コーティング市場は、層間絶縁膜、バッファコート膜などの関連コーティング材市場も成長を続けています。中でもフォトレジストは、メインのUVタイプからDeep UVタイプに移行し、DeepUVレジストを中心に成長が予測されます。今後は、キャパシタ絶縁膜、High−Kゲート絶縁膜といった品目の成長が期待されています。

情報記録関連市場は、DVD、DVD−Rの需要増加に伴って伸長が見込まれます。次世代DVDディスクが普及すればコーティング材も大幅に需要拡大が見込まれます。

インクジェット用紙、感熱紙などの紙関連分野では、インクジェット用でパソコンやデジタルカメラ、プリンターの普及がプラス要因となっています。

次に今後注目される市場について見ていきましょう。

始めに、「液晶配向膜」です。配向膜は、液晶分子を所定の方向に向けるためにガラス基板と液晶の界面に置く膜のことです。第2図に市場規模推移をグラフ化しました。2004年をベースに2008年まで年率18%の非常に大きな伸びを予測しています。

第2図 液晶配向膜市場規模推移

大型液晶テレビの市場が本格的に立ち上がっており、特に40インチ以上の大型テレビのキー素材として液晶配向膜は注目されています。需要は、液晶パネルの生産面積に比例したトレンドを示しているようです。

液晶配向膜は、世界市場の8割から9割程度は日本国内で生産されています。最近では、LCD生産拠点に近い韓国、中国、台湾のメーカーが台頭してきており、今後は台湾や韓国が生産比率を一層高めるのではないかと予測されます。

次に「光ディスクコーティング材」市場について見ていきましょう。2004年をベースに2008年まで年率15%の高成長と予測しています。

第3図 光ディスクコーティング材市場

光ディスクコーティング材は、光ディスクの記録層を保護するためにディスク表面に加工されるUV硬化型材料です。主な用途としては、CDやDVD向けです。

市場は、光ディスクの対擦傷性、対指紋性など表面保護の目的から確実に伸びています。ディスクの記憶大容量化に比例して、表面の指紋、汚れ、傷はデータの読み取り、書き込みに大きなダメージとなります。高容量化が進むに従って表面保護が更に重要になってきます。

次世代DVDと言われるブルーレイディスクや、HD−DVDなど、この市場が本格的に確立されれば、コーティング材市場もさらに拡大し、大きな期待がかかる市場となるでしょう。

参考文献:「2005年版 高機能コーティングの現状と将来展望」
(2005年5月6日:富士キメラ総研)


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