スカラ型組立ロボットの市場動向

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スカラ型組立ロボットとは、2関節がZ軸(上下軸)回転関節を持つロボットアームであり、水平多関節ロボットと呼ぶことがある。

SCARA(selective compliance assembly robot arm)は、元々、選択的コンプライアンス組立ロボットアームの意味で、水平面において柔らかく垂直方向に硬いという特徴を持っている。

電機・電子部品及び自動車部品への用途が約90%である一方で、新規アプリケーションの開拓ができていない(一部、医療用への展開も見られるが極めて少ない)ため、販売チャネルが限定される。

製品開発面では、小型精密部品向け製品の市場投入が活発化しており、精度、剛性を向上させた上で、小型化をどこまで進められるかが開発テーマとなっている。

■応用分野別構成比(2002年度ベース)

応用分野 数量ウェイト(%)
電機・電子分野 48
自動車分野 44
機械分野 4
その他 4
合 計 100
出所:富士経済

スカラ型組立ロボットの用途は、半導体チップに代表される微小電子部品、光学部品からエンジンやトランスミッション部品などの大型部品まで、搬送組立及び加工等の用途に使用される。特に、その製品仕様により小型機器・部品の組立に適している。

電機・電子用では携帯電話やPCの部品組立を中心に利用され、自動車用では、エンジンやトランスミッション等の電装部品などの用途で使用されている。

■スカラ型組立ロボットの市場規模推移(2002〜2005年:国内生産ベース)

●市場規模推移及び予測 (単位:台、%)
年度 2002年 2003年
見込
2004年
予測
2005年
予測
国内数量 2,385 2,490 2,600 2,700
前年比 104.4 104.4 103.8
輸出数量 975 1,330 1,580 1,850
前年比 136.4 118.8 117.1
合計数量 3,360 3,820 4,180 4,550
前年比 113.7 109.4 108.9
出所:富士経済

蛇の目ミシン工業やアイエイアイが、スカラ型組立ロボット市場に本格的に参入し、ソニーマニュファクチュアリングシステムズが2003年度で市場から撤退するなど、市場構造に大きな変化が起きている。

2002年度のスカラ型組立ロボット市場は、3,360台であり、金額ベースでは約58億円である。そして2005年の市場規模は約78億円(2002年比1.34倍)と予測している。

2003年度は携帯電話、PC、家電、実装関連など電機・電子分野が持ち直す見込みであり、2桁成長と推定されている。特に電機・電子用途への販売比率が高いセイコーエプソンなどが需要が大幅に伸長している。

2002年の国内販売と輸出の販売比率は7対3であるのに対して、2005年には6対4と予測している。海外展開では代理店の整備など積極的に展開されており、今後輸出実績が目立ってくると予測している。

■商品開発・製品特性

デンソーウェーブは2005年8月に、中型水平多関節ロボット(HM-Gシリーズ)を発売した。シリーズの概要は以下の通りである。


メーカー名 特徴 中型水平多関節ロボット
(HM-Gシリーズ)の概要
デンソーウェーブ ラインアップの充実 アーム長は、600mm、700mm、850mm、1000mmを品揃え。
最大可搬質量を拡げる 最大可搬質量は、従来の10kgに加え20kg仕様を追加。
最大許容慣性モーメント 最大許容慣性モーメントは、可搬質量10kg時:国際単位系0.25Kgm2(重力単位系2.55Kgfcms2) 可搬質量20kg時:同0.45Kgm2(同4.59Kgfcms2)である。ハンド設計の自由度やアプリケーションの幅が拡大できる。
バリエーションが豊富 顧客のニーズに合わせ、標準タイプ、標準・天吊りタイプ以外に、防塵防滴タイプ、クリーンタイプが選択できる。

■参入企業とメーカーシェア(2002年度:生産金額ベース)

メーカー名 金額ウェイト(%)
デンソーウェーブ 37
セイコーエプソン 25
ヤマハ発動機 14
三協精機製作所 7
東芝機械 7
その他 10
合 計 100
出所:富士経済

デンソーウェーブは、ロボット単体よりもカスタマイズの即応性、周辺機器のラインアップの充実などトータルシステム及びサポート面においてユーザーから高い評価を得ている。

セイコーエプソンは、PC、携帯電話用など電機・電子用途向けに約70%の販売比率を占めている。販売全体のうち、欧米向けの輸出は約60%を占める。

■今後の動向
電機・電子分野の生産拠点がアジア圏を中心に拡散しており、スカラ型組立ロボットの海外市場展開が、今後さらに進んでいくと見ている。しかしながら、輸出比率が増大する割には、海外でのサービス拠点数(メンテナンスを含む)が少ないことが課題となっている。

低価格戦略を展開するヤマハ発動機が、製造コストを低減させた機種の販売展開を模索している。参入各社は、利益の出る販売環境にするためには、生産コストの低減が必要と考えている。

参考文献:「2004年版 FA・ロボット関連市場の全貌」
(2004年1月21日:富士経済)


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