直交型組立ロボットの市場動向

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直交ロボットは、腕の機械構造が2軸又は3軸の直交するスライド軸で構成されており、制御装置による座標変換はほとんど必要としていない。ここでは組立作業を目的とした産業用ロボットを対象とする。なお、このデータでは直交型組立ロボット市場として、ガントリータイプをはずしており、組立用のアプリケーションのみを対象としている。

直交型組立ロボットは、ダウンサイジング、精度などの仕様面や機能に対して差別化が進められている。近年は、製品の性能・能力よりも、短納期、カスタマイズが容易であること、メンテナンスサービスの充実等によって、付加価値を高めることに重点がおかれている。

■応用分野別構成比(2002年度ベース)

応用分野 数量ウェイト(%)
電機・電子分野 53
自動車分野 22
食品・化学分野 15
その他 10
合 計 100
出所:富士経済

アプリケーションの中で販売台数の約半数を占める電機・電子分野(携帯電話、PC、家電など)の業績が好転したことにより、2002年度から2003年度にかけて市場推移は回復傾向に転じた。

用途展開では、医療用、食品用のピックアンドプレースを始めとした新規用途の拡大を狙っているが、メーカーとユーザーとの間で価格見解に大幅な格差が見られる。自動車分野(二輪車用の実績も含む)では、ライン新設時に導入するパターンは消極的になっている。

今後は、既存ではない分野の用途開発やアプリケーション構成を把握することで、新たな需要を伸ばす余地があると見ている。

■直交型組立ロボットの市場規模推移(2002〜2005年:国内生産ベース)

●市場規模推移及び予測 (単位:台、%)
年度 2002年 2003年
見込
2004年
予測
2005年
予測
国内数量 2,220 2,310 2,350 2,400
前年比 104.1 101.7 102.1
輸出数量 1,300 1,420 1,500 1,550
前年比 109.2 105.6 103.3
合計数量 3,520 3,730 3,850 3,950
前年比 106.0 103.2 102.6
出所:富士経済

2002年度の直交型組立ロボット市場は、3,520台であり、金額ベースでは約38億円である。そして2005年の市場規模は約42億円(2002年比1.11倍)と予測している。

2003年度は実質的には2002年度の減収反動により数字が回復しただけという見方が多く、他の組立用ロボットに販売シェアを奪われるなど、今後の市場見通しは厳しい。

2001年度のように電機・電子分野の市場が後退し、販売減少分をカバーできるアプリケーションが、開拓できていないことが問題となっている。

さらに、組立作業用としては高価格(平均100万円台)であることもユーザーから敬遠されており、ロボットメーカーではコントローラや部品材料など、製造コストの低減を進めている。

■商品開発・製品特性

ヤマハ発動機が上市している直交型ロボット「XY-Xシリーズ」の特徴は、以下の通りである。

メーカー名 特徴 直交型ロボット「XY-Xシリーズ」の概要
ヤマハ発動機 充実したラインアップ 充実したバリエーションがあり、小型精密部品の組み立てから、シーリング、ネジ締め等の他には、クリーンルームでの使用が可能である。
XY-Xシリーズの種類 アームタイプ、ガントリタイプ、ムービングアームタイプ、ポールタイプ、XZタイプ、クリーンルーム専用タイプ
操作性が良好 完全アブソリュート方式が標準仕様である。(高精度・高耐久性の位置検出器であるレゾルバの採用により、面倒な原点復帰動作を不要にした。)
サイクルタイムの速度向上 ボールネジ駆動タイプの場合、最高速度を1200mm/secと20%高速化し、サイクルタイムを向上している。
高剛性 高剛性フレームを採用し、高い可搬質量と許容オーバーハング量を実現。
10daysデリバリー 発注後、10日間(メーカー稼働日数)で納品できる。

■参入企業とメーカーシェア(2002年度:生産金額ベース)

メーカー名 金額ウェイト(%)
ヤマハ発動機 51
平田機工 25
デンソーウェーブ 10
三協精機製作所 4
セイコーエプソン 2
その他 8
合 計 100
出所:富士経済

ヤマハ発動機は、直交型組立ロボット市場において半数以上のシェアを占める。

完全アブソリュート方式を採用する「XY−Xシリーズ」は、短納期対応「10days delivery」と低価格化を図ることによって、多くのアプリケーションに製品を導入している。

平田機工は自動車分野への販売比率が約60%を占めている。同社の特徴はロボット単体の売切り販売ではなく、エンジニアリング、ソフトウェアなどシステムを提供するメーカーとしての特性が強い。

■今後の動向
電機・電子用途を中心に東南アジア、東アジアでのノックダウン生産が拡充しており、今後も同地域への輸出比率が更に高くなるであろう。電機・電子分野以外のアプリケーション開拓が今後の課題である。

参考文献:「2004年版 FA・ロボット関連市場の全貌」
(2004年1月21日:富士経済)


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