取り出しロボットの市場動向

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取り出しロボットは、軽量物(20t〜150t)向けで精度の低いスイング型と、重量物(150t〜5000t以上)を対象とし高精度のトラバース型の2種類に分類される。

アプリケーションは、ディスク取り出し用と樹脂成形機向け取り出し用に大別され、参入メーカーの多くは、ディスク用、樹脂成形機用の両方に対応できる製品をラインアップしている。その販売比率は、台数ベースで樹脂成形機用が83%、ディスク用が17%である。

取り出しロボットメーカーは、当初、ディスク用の販売比率がさらに伸びる(売上全体の約20〜25%)と見込んでいたが、アジア地域をはじめ販売価格面での折り合いがつかないケースが多くあり、売上高の拡大に苦戦している。

■応用分野別構成比(2002年度ベース)

応用分野 数量ウェイト(%)
樹脂成形(自動車) 40
樹脂成形(電機・電子) 29
樹脂成形(日用品等) 14
ディスク 17
合 計 100
出所:富士経済

樹脂成型機用途が中心であり、そのアプリケーションの内訳として自動車向け、電機・電子向けの2分野が市場をけん引している。

また、ディスク用は、ディスク生産の海外移転(特にアジア地域)に伴って、日系企業を中心に一定の受注成果が出てきており、2004年度以降も期待されるマーケットとなっている。

■取り出しロボットの市場規模推移(2002〜2005年:国内生産ベース)

●市場規模推移及び予測 (単位:台、%)
年度 2002年 2003年
見込
2004年
予測
2005年
予測
国内数量 6,860 8,020 8,350 8,680
前年比 116.9 104.1 104.0
輸出数量 900 980 1,020 1,060
前年比 108.9 104.1 103.9
合計数量 7,760 9,000 9,370 9,740
前年比 116.0 104.1 103.9
出所:富士経済

設備投資が低調だった1999年度から2002年度にかけて樹脂加工機の出荷台数は減少したが、微細加工需要が高まりを見せた2003年度からは、樹脂加工・成形機の売上増加に比例して、取り出しロボットの売上が回復している。

2003年度の取り出しロボットの国内生産台数は、前年比16%増(数量ベース)の伸長率で販売台数を伸ばす結果となった。最終的には約9,000台まで販売数が見込まれる。2004年度以降も一定の成長を示すが、2002年度〜2003年度ほどの大幅な販売増は望めない。

2002年度の取り出しロボット市場は、7,760台で、141億円である。また、2005年度の市場規模は約175億円(2002年度比1.24倍)と予測している。

■製品開発・製品技術特性

ユーシン精機が開発した光ディスク取出ロボット「DRDIII」の概要は以下の通りである。

企業名 特徴 製品技術特性
ユーシン精機 製品概要 CDやDVDなどのディスク基盤の取出し作業を目的として開発された、クリーン度クラス100に対応した光ディスク取出ロボット(後工程装置)である。
多種金型にもフレキシブルに対応 引抜軸(水平軸)動作ストロークを従来機の2倍(100mm)とし、薄型、厚型の段取り替えに、取出ロボット設置位置の変更を行わず、ティーチング変更だけでの対応を可能にした。
AI自動調整機能(取出しタイマ) 取出しタイミングの自動調整により、オペレータの経験を問わず、最適な取出しタイムが短時間で設定できる。
特殊な取出しロボットアーム 中実構造で形成した炭素繊維強化樹脂製のロボットアームは改良され、中空構造に形成することで、剛性を維持しつつ軽量化を図っている。光ディスクの取出し所要時間が0.069秒という、世界で最速の取出しサイクルタイムを実現するなど、取出し作業能率を向上させている。

<光ディスク取出ロボット「DRDIII」の標準仕様書>
電源 AC200V(50/60Hz)
駆動方式 旋回、引抜2軸サーボモータ
制御方式 マイコン制御(NC制御)
取出方向 反操作側
ディスクチャック方式 吸着方式
クリーン度 クラス100 (工場側吸引排気が必要)
機械重量 ロボット 25Kg
旋回可能角度 120度 Max
引抜ストローク 100mm Max
繰返し停止精度 引抜±0.1mm 旋回±0.01度
最大所要電力 AC200V 3.75A
出所:ユーシン精機

■参入企業とメーカーシェア(2002年度生産金額ベース)

メーカー名 金額ウェイト(%)
ユーシン精機 39
ファナック 20
ハーモ 14
スター精機 14
セーラー万年筆 10
その他 3
合 計 100
出所:富士経済

射出成形機用取り出しロボット専業メーカーのユーシン精機は、2002年度に樹脂加工・成形機向けのアプリケーションで大口需要を獲得するなど販売実績が回復した。2003年度は更に、自動車用、電機・電子用共に、樹脂成形機の販売台数を大幅に伸ばしている。

また、同社は、取り出しロボット市場の底上げの意味合いから光ディスク取り出しロボットの販売に注力しており、2003年度の伸長率は前年度比約17%増と予測している。特に、光ディスク生産体制の海外シフトが加速してきたため、メンテナンスなどのサービス拠点拡充が急がれている。

■今後の動向
受注活動面において、取り出しロボットの性能(精度、高剛性など)の向上以外には、カスタマイズ要求の際にオプション対応の豊富さ、容易にプログラミングができるソフト開発対応など、ユーザーにとって使い勝手が良い製品づくり及びそのシステム構築力が、今後、受注の成否を分けることになる。

参考文献:「2004年版 FA・ロボット関連市場の全貌」
(2004年1月21日:富士経済)


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