塗装ロボットの市場動向

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塗装ロボット(Painting Robot)メーカーは、神戸製鋼所のロボット事業を継承した川崎重工業や幅広いラインアップで市場展開している安川電機を中心に、溶接用ロボットの販売チャネルを活かした販売展開を行なっている。

対象業界は自動車部品や携帯電話、PCが主体となっている。機能としては、高速かつ安定した塗装軌跡をたどるロボットが要求されており、またアームや手首まで、ロボット内蔵による小型化など改善点は多く残されている。

■応用分野別構成比(2002年度ベース)

応用分野 数量ウェイト(%)
自動車分野 61
電機・電子分野 20
機械分野 10
その他 9
合 計 100
出所:富士経済

2002年度の設備投資増による好況感が継続しており、2003年度は自動車分野では前年度よりも約100台前後、販売台数を伸ばしている。

電気・電子部品分野ではPC、携帯電話、家電、ゲーム機などの市場が2003年に回復に転じたことにより、生産数量ウェイトがおよそ3%(2002年度比)上昇した。

■塗装ロボットの市場規模推移(2002〜2005年:国内生産ベース)

●市場規模推移及び予測 (単位:台、%)
年度 2002年 2003年
見込
2004年
予測
2005年
予測
国内数量 620 710 780 850
前年比 114.5 109.9 109.0
輸出数量 700 800 900 1,000
前年比 114.3 112.5 111.1
合計数量 1,320 1,510 1,680 1,850
前年比 114.4 111.3 110.1
出所:富士経済

2002年度の塗装ロボット市場は、国内自動車メーカーの設備投資増強を背景として、前年度比で130%以上の伸長率を示した。アジア地域を中心とする輸出販売が好調であったことも一因として挙げられる。

2003年度は、携帯電話やPCなどの電機・電子分野の業績回復により、前年度比約15%前後の増加が見込まれる。

2002年度の塗装ロボットの国内生産台数は1,320台であり、金額ベースでは約93億円である。2005年の国内生産金額は136億円(2002年比1.46倍)と予測している。

■研究開発・技術動向

企業名 技術開発 製品・技術概要
日産自動車 微粒化塗料の
温度を効率的に
制御する、
静電塗装装置
を開発
同社は、微粒化塗料の温度を効率的に制御することが可能な静電塗装装置を開発した。
静電塗装装置は、塗装ラインの塗装ブース内に設置された塗装ロボットと塗装ガン(同塗装ロボットにエンドエフェクタとして装着されている)と、当該塗装ガンに塗料ホースで連結された塗料供給装置とエア供給装置(塗装ガンにて使用される各種エアを供給する装置)が装備されている。
塗装ライン内を移動可能な塗装台車により、塗装ブース内に搬送された被塗物(自動車ボディなど)に静電塗装を行う装置である。
同社は、噴霧された微粒化塗料とシェーピングエアとの間に、加熱された温調用流体を供給して、塗装ブース全体ではなく、極めて局所的に雰囲気を制御することにより、微粒化塗料の温度を効率的に制御することが可能となる。
また、噴霧前の塗料自体を加熱するのではなく、温調用流体を介して、噴霧された後の微粒化塗料を加熱するので、塗料非噴霧(停滞)時の過加熱の問題が生じるおそれは少ない。

塗料供給装置から、塗料供給用通路を介してベルカップに供給される塗料は、主にポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン樹脂等に着色材等を添加した熱硬化型塗料、2液硬化型塗料が用いられ、中塗り塗料や上塗り塗料として使用される。

■参入企業とメーカーシェア(2002年度:生産金額ベース)

メーカー名 金額ウェイト(%)
川崎重工業 48
安川電機 26
三菱重工業 16
不二越 5
東芝機械 3
その他 2
合 計 100
出所:富士経済

川崎重工業は、従来のKREシリーズ、EEシリーズ、JEシリーズの生産を2003年10月で終了し、継続機種であるKFシリーズ(神戸製鋼所の技術やノウハウを自社技術に融合した塗装ロボット)に絞り込んで、生産性の向上を図っている。

安川電機は、大型製品はもとより小型(可搬質量3Kg)クラスの製品までラインアップしている。

■今後の動向

電機・電子部品分野への展開が活発化してきており、自動車分野に次ぐアプリケーションとして、その需要基盤を明確化している。また、塗装ニーズは多岐にわたるため、ロボットメーカー以外の塗装機器メーカーとの協力関係も重視していくことが重要視されている。

参考文献:「2004年版 FA・ロボット関連市場の全貌」
(2004年1月21日:富士経済)


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