半導体ウエハ搬送ロボットの市場動向

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近年、半導体業界のウエハ生産現場では、200mm(8インチ)用搬送ラインが主流であったが、2003年度に入り300mm(12インチ)用ラインの量産化が活発化しており、各ロボットメーカーは300mm用ウエハ搬送ロボットのラインアップを拡充している。

デジタル家電、通信、デジタルカメラ、ゲーム機などの電気・電子分野の需要動向の影響を受け、現状の販売環境は好転しており、生産設備はここにきてフル稼働が続いている。

対象製品は、ローダ・アンローダ(ロボットハンドでウエハを1枚ずつ取り出し、コンベアに移載する装置)用途を主体としたロボットを対象としている。)

■応用分野別構成比(2002年度ベース)

応用分野 数量ウェイト(%)
8インチウエハ用 69
12インチウエハ用 27
6インチウエハ用 4
合 計 100
出所:富士経済

2002年度、2003年度ともに200mmライン用搬送ロボットが圧倒的に販売数が多くなっている。徐々に300mm用のロボットが市場投入されており、海外を中心に受注比率が高まっている。テストラインでの導入に限定されず、本格的に導入され始めている。

日本の半導体業界では300mmウエハ投資が加速していると同時に、韓国、台湾などの東アジア地域においても、一時期の停滞状況を脱し、投資を再加速する意向が顕在化している。

■ウエハ搬送ロボットの市場規模推移(2002〜2005年:国内生産ベース)

●市場規模推移及び予測 (単位:台、%)
年度 2002年 2003年
見込
2004年
予測
2005年
予測
国内数量 860 1,110 1,400 1,650
前年比 129.1 126.1 117.9
輸出数量 1,665 2,150 2,700 3,200
前年比 129.1 125.6 118.5
合計数量 2,525 3,260 4,100 4,850
前年比 129.1 125.8 118.3
出所:富士経済

2002年度のウエハ搬送ロボット市場は、2,525台で、約206億円である。そして2005年の市場規模は360億円(2002年比1.75倍)に拡大すると予測している。

2003年度は、半導体工場新設・ライン増設を中心とした動きが目立ち、デジタル家電、携帯電話などの電気・電子分野の販売数が回復することによって、ウエハ搬送ロボット市場もその恩恵を受ける形となった。

輸出は、2003年度においても国内を含むアジア市場からのニーズが高い。更に米国需要も拡大しており半導体工場の設備投資が継続していることから、今後も、需要は活発化していくと考えられる。

■商品開発・製品特性

安川電機は、広い動作範囲と小さな旋回姿勢を実現した半導体ウエハ搬送ロボット「MOTOMAN-RC1000G 」を開発し、2004年12月から販売を開始した。

同社のMOTOMAN-RC1000Gは、多関節アーム機構の採用により広い動作範囲と小さな旋回姿勢を両立させることができる。また、製造装置の高クリーン・コンパクト化を可能にしている。新機種の概要は以下の通りである。

<半導体ウエハ搬送ロボット「MOTOMAN-RC1000G」の特徴と概要>
メーカー名 特 徴 「MOTOMAN-RC1000G」の概要
安川電機 高いクリーン環境
を実現
搬送機構の中で、最も発塵原因の1つとされる走行機構を搭載せずに、搬送が可能である。また、走行機構によりロボット全体の移動で起こる気流の乱れが生じないため、周囲の塵がウエハへの付着を最小限にすることができる。
装置のコンパクト設計が可能 多関節アーム機構は、アーム全体を折りたたみ旋回動作姿勢を小さくすることができており、装置全体をコンパクトにしている。
生産の効率搬送に貢献する MOTOMAN-RC1000Gの多関節アーム機構は、単腕でありながらアーム先端に2つのハンドを装備でき、処理前・処理後を区別したウエハ搬送や、処理室にあるウエハを取り出し、新たなウエハをセットする入れ替え作業を一度に行うことができる。

■参入企業とメーカーシェア(2002年度:生産金額ベース)

メーカー名 金額ウェイト(%)
安川電機 58
ダイヘン 10
ローツェ 9
平田機工 9
アシストジャパン 5
その他 9
合 計 100
出所:富士経済

安川電機は小倉事業所で生産していた半導体・液晶関連分野向けのロボットを、主力工場の北九州市八幡西区に集約するとともに、クリーンルームを含めた大幅な改装・拡張を進めている。

ダイヘンは米国・台湾・韓国などでグローバルな営業活動が奏功し、2003年度売上は前年度比約1.6倍の成長が見込まれている。

■今後の動向

半導体や電子デバイスの生産数の拡大に伴い、生産管理システムのニーズが高まっている。ユーザーの注目点は、ロボット単体から生産ラインのタクトタイム(製品1個当りの生産に要する時間)短縮へと変化しているため、ロボットの単体販売よりも、システムとしての付加価値向上を追求したメーカーの成長が、予見される。

参考文献:「2004年版 FA・ロボット関連市場の全貌」
(2004年1月21日:富士経済)


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