ディスプレイデバイス、関連部品市場
2010年の世界のディスプレイデバイス市場は約13兆円(04年比158%)と予測

 今回は富士経済グループのプレスリリースより世界経済を牽引するディスプレイデバイス、関連部品・材料の世界市場についてレポートします。

■ ディスプレイデバイス市場の概要
〜2004年 8兆2,054億円  2010年予測 12兆9,903億円(04年比158%)〜

 2004年の主要ディスプレイデバイス市場は、前年比19%増と前年に引き続き二桁成長し8.2兆円に拡大した。約1.3兆円の増加で、CDT/CPTの落ち込みをLCDがカバーしている。LCDでは、2005年第1四半期にS−LCDの7G(世代)ラインが量産稼動し、LG.Philipsの7.5Gが2006年上期、シャープの8Gが2006年10月の稼動を計画している。また、2004年後半に次世代ラインの延期を決めていたAUO、CMOで投資計画が復活している。一方で、セイコーエプソンと三洋電機の液晶事業統合(SEID)、FDTCのシャープによる買収、IDTechのソニーへの譲渡(STMD)など、中小型LCDの事業強化を目的に事業統合や買収が行われている。PDPでは富士通の事実上の撤退、日立製作所と松下電器の協業、パイオニアのNEC買収があり、実際のプレーヤーは、松下・日立連合、パイオニア、SDI、LGの4社に再編されている。
CDT:Color Data Tube(モニタ用ブラウン管)
CPT:Color Picture Tube(カラーTV用ブラウン管)

 ディスプレイデバイス業界はスケールメリットによるコストダウン、大口顧客への長期供給、安定供給が重要であり、企業間の提携や統廃合にはディスプレイ市場の成長性の高さとコスト競争の厳しさが現れている。2010年には、LCDが約10.4兆円、PDPが約1.1兆円、その他1.5兆円で、トータル13兆円の市場と予測される。新規ディスプレイとして量産化が予定されているものとして、2006年第1四半期のSED(キヤノン、東芝)がある。


ディスプレイデバイス市場規模予測 ディスプレイデバイス市場規模予測

■ ディスプレイ関連部品・材料市場の概要
〜2004年 3兆9,925億円  2010年予測 7兆8,692億円(04年比197%)〜

 対象52品目の合計市場規模は、2004年に前年比33%増の3兆9,925億円となった。LCD関連部材は、3.4兆円で前年比35%増、PDP関連は2,161億円(前年比64%増)、有機ELが36億円(同13%増)、その他ディスプレイ関連部材が3,677億円(同6%増)となっている。
 今後は、直下型バックライトの関連部材やVAパネル用で位相差機能が付与される偏光板保護フィルムなど、液晶TV向けのウエイトが高い部材の伸びが高くなると予測される。PDPでは各部材ともパネル需要に応じた伸びが期待できる。その他の関連部材では、LCD/PDPの両方に需要のある反射防止フィルムの成長率が最も高くなるとみられる。


ディスプレイ関連部品・材料市場予測 ディスプレイデバイス関連部品・材料市場予測

■ ディスプレイデバイスの注目市場
  LCD   2004年 5兆8,459億円  2010年予測 10兆3,660億円(04年比177%)

 アモルファスシリコンTFT、低温ポリシリコン/CGシリコン、TFD、STN、TNの合計市場である。2004年は前年比42%増(約1.7兆円の増加)で6兆円近い市場に拡大している。市場を牽引したのはモニタ向け(前年比39%増の1兆9,595億円)、携帯電話向け(同50%増の1兆3,246億円)、TV向け(同182%増の5,869億円)、ノートPC向け(同25%増の1兆783億円)である。低価格化の時期が2004年第4四半期末から2004年第2四半期末へと前倒しされ、予想以上に低価格化が進み需要が急増した。
 2005年第2四半期(TFT)は、パネル価格の下落により需要が急増しており、TV向けのパネルでは供給不足となっているケースもでている。ガラスなどの部材調達もタイトであるが、2005年第3四半期以降は徐々に緩和されると見込まれる。「タイト感」から来るパネル価格の上昇は僅かにとどまっている。大手TFT各社では次世代ライン(7G以降)の設備投資を計画、TFTアレイベースで見ると供給過剰な状態が継続し、パネル価格の上昇要因は今のところ乏しい。モニタ向けでCDT代替需要が飽和していくことから、今後のLCD産業はTVのウエイトが高まっていく。2011年頃には金額ベースでTVがモニタを上回ると予測される。
 今後はTV向けが市場を牽引し、2010年には10兆円強の規模に達するとみられる。金額ベースでのTV向けのウエイトは、2004年は約10%であるが2010年には30%弱に上昇すると予測される。


  PDP   2004年 5,198億円  2010年予測 1兆1,069億円(04年比212%)

 2004年は、365万枚(前年比79%増)、約5,200億円(前年比39%増)の市場となった。2004年は全体の約5割が日本以外での生産となっており、韓国、台湾メーカーおよび松下・上海工場の生産分がそれにあたる。2003年の海外生産比率は4割であったので、韓国メーカーの躍進が顕著だったことが明らかである。2001年までは業務用途(Monitor)中心の市場であったが、2002年以降は民生用途(TV)が逆転し主力となっている。2004年10月にパイオニアがNECプラズマディスプレイを買収し、2005年4月には富士通が株式と特許を日立製作所に譲渡し、PDP事業から事実上撤退した。その後、日立製作所と松下電器産業は開発・生産・マーケティング・知的財産権(日立製作所設立の特許管理会社に同社が出資する方向)に関して包括的協業を推進していくと発表した。当面はPDPの相互供給は無いようであるが、部材の相互利用などが検討されていくとみられる。
 2004年のTV用途の割合は85%(数量ベース)であった。2005年以降は年率30%弱で増加し、2010年には93%を占めると予測される。PDP市場全体も民生用途の本格的立ち上がり、業務用途の年率14%程度の堅調な推移により、PDP全体では年率28%程度の高成長が期待される。


■ ディスプレイ関連部品・材料の注目市場
  偏光板保護フィルム   2004年 579億円  2010年予測 2,339億円(04年比403%)

 TACフィルム、位相差補償機能を付与したN−TAC(コニカミノルタ)、WVフィルム/B−TAC(富士写真)、ZEONOR(オプテス/2005年以降)などPVA直貼りフィルム全般とPDP向けTACフィルム(反射防止フィルム)を対象とした。従来からあるTACフィルムは、TAC(セルローストリアセテート)フレークを溶液流延法(キャスト)で成膜したフィルムで、高い膜均一性を持つ。無配向、高透明性といった特徴がある。
 偏光板需要の拡大にともない、年率二桁成長が見込める市場である。今後、N−TACやB−TAC、ZEONOR、日東電工の供給するXプレート向け変性TACなどがVA(Vertical Aligned〜垂直配向)用位相差板のPVA保護フィルムとして増加する為、短期的な平均単価は上昇していく。一方、VA用の偏光板で従来主流の方式であったA+Cプレートの構成は縮小していくと予測される。PDP反射防止フィルム向けはPETの比率が増加しつつあり、大きな伸びは期待できない。


  反射防止フィルム(AR/LR)
           2004年 244億円  2010年予測 1,077億円(04年比441%)

 AR/LRフィルムを対象としている。2004年の反射防止フィルム市場は、PDP光学フィルタ、LCD偏光板向けTACの需要が伸びたことで前年比68%増、1,216万m2に拡大した。急速な単価下落と単価の高いドライコートフィルムの需要減少により、金額ベースでは18%増、244億円と推定される。従来はCDT/CPT向けが中心であったが、同分野での反射防止フィルムの採用は減少傾向で、LCD、PDP向けが現在の主力となっている。市場は2010年で2004年比9倍強の1.12億m2、金額では4.4倍の1,077億円と予測される。

■ 調査対象
1. ディスプレイデバイス
ディスプレイデバイス TFT、STN、PDP、CDT、CPT、有機EL等19分野35製品
ディスプレイ応用機器 ノートパソコン、デスクトップモニタ、セルラーホン、カラーTV等主要15製品
ディスプレイメーカー 大手28社(ケーススタディ)
2. ディスプレイ関連部品・材料(52部材)
LCD関連部材(28)、有機EL関連部材(6)、PDP関連部材(10)、その他ディスプレイ関連部材(8)


参考資料 :「2005 液晶関連市場の現状と将来展望(上巻)」(2005年7月11日:富士キメラ総研)
  :「2005 液晶関連市場の現状と将来展望(下巻)」(2005年8月5日:富士キメラ総研)
※本記事は富士経済グループ各社の独自調査資料を再編集したものです。

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