機能性塗料・コーティング材料市場(総括)
〜高機能化した塗料や環境適合型塗料が市場を牽引〜

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塗料は対象物の表面被覆による美装や保護、表示が本来の目的である。近年、塗装・コーティング処理技術によって表面機能が高度化し、耐久性、耐候性、耐食性等の基本機能はもとより、光学的機能、電気・電子機能、機械的機能、物理的機能、化学的機能、生物学的機能など多種多様な機能を付加することが可能となり、被塗装物の高付加価値化に貢献している。

その応用範囲は、住宅や建築・土木材料、自動車・家電製品、日用品や雑貨等への塗装、さらには半導体や液晶ディスプレイ部材、情報通信機器や航空宇宙産業、医療分野等の先端テクノロジーに至るまで広がっている。

■機能性塗料・コーティング材料の市場規模推移(2002〜2006年:金額ベース)

以下の数表は、機能性塗料、環境適合型塗料、汎用塗料の3分野に分類し、その販売金額と伸長率を一覧にしたものである。
●種類別市場規模推移 (単位:百万円、%)
        年 次
種 類
2002年 2003年
見込
2004年
予測
2005年
予測
2006年
予測
A.機能性塗料 180,700 195,500 213,800 232,500 248,500
前年比 108.2 109.4 108.7 106.9
B.環境適合型塗料 153,300 158,800 165,900 173,500 180,600
前年比 103.6 104.5 104.6 104.1
C.汎用塗料 372,800 371,000 371,000 367,400 365,000
前年比 99.5 100.0 99.0 99.3
合 計※A 706,800 725,300 750,700 773,400 794,100
前年比 102.6 103.5 103.0 102.7
出所:富士キメラ総研
※A: 合計値は、一部(水溶性樹脂塗料、自動車用塗料等)の区分において重複している。
また、半導体コーティング材、光ファイバーコーティング材料は世界市場で捉えている。

2002年の国内機能性塗料・コーティング材料市場は、金額ベースで7,068億円に成長している。2003年以降は前年比2.6〜3.5%の伸長率で推移するトレンドが描かれている。2006年は7,941億円(2002年比1.12倍)に拡大すると予測している。

販売金額では、機能性塗料が汎用塗料の販売規模を下回っているが、その伸長率は年率7〜9%増と大きい。また、「水溶性樹脂塗料」「PETボトルリサイクル塗料」などの環境適合型塗料も、年率3.6〜4.6%増のペースで推移していくと見ている。

●種類別販売金額と構成比の推移 (単位:百万円、%)
種類 2002年 構成比
(%)
2006年
予測
構成比
(%)
2006-2002
(%)
A.機能性塗料 180,700 25.6 248,500 31.3 +5.7
B.環境適合型塗料 153,300 21.7 180,600 22.7 +1.0
C.汎用塗料 372,800 52.7 365,000 46.0 -6.7
合 計 706,800 100.0 794,100 100.0  
出所:富士キメラ総研

2002年における機能性塗料・コーティング材料市場は、「汎用塗料」が過半数(52.7%)を占有し、次いで25.6%を「機能性塗料」が占め、残りの21.7%を「環境適合型塗料」が続いている。

2002年から2006年までの4年間で、販売構成比が増加傾向にあるのは、「機能性塗料と環境適合型塗料」であり、逆に減少しているのが「汎用塗料」である。

特に、「機能性塗料」の増加が顕著であり、蛍光塗料、半導体コーティング材、光ファイバーコーティング材など、「光学的機能塗料、電気・電子機能塗料」の拡大が構成比の上昇に貢献している。

各塗料分野の内訳は以下の41品目である。
分 野 対象の機能性塗料・コーティング材料
A.機能性塗料
25品目
光学的機能 蓄光塗料、蛍光塗料、UV硬化塗料、光ディスクコーティング材料、光ファイバーコーティング材料
電気・電子機能 帯電防止塗料、導電性塗料、半導体コーティング材、マグネシウム合金用塗料
熱的機能 耐熱塗料、熱発泡性耐火塗料、太陽熱遮断塗料
機械・化学機能 弾性塗料、超厚膜塗料、結氷・着雪防止塗料、水中硬化塗料、フッ素樹脂塗料、アクリル・シリコン塗料、結露防止塗料、耐酸性雨塗料、制振・防音塗料、非粘着塗料、落書き防止塗料、船底防汚塗料、抗菌塗料
B.環境適合型塗料9品目 エマルジョン塗料、VOCゼロ水系塗料、水溶性樹脂塗料、粉体塗料、光触媒塗料、光触媒コーティング材、PETボトルリサイクル塗料、自然塗料、新素材配合塗料
C.汎用塗料7品目 自動車用塗料(新車用)、自動車用塗料(補修用)、プラスチック用塗料、PCM用塗料、缶用塗料、重防食塗料、路面標示用塗料

■販売金額が大きい機能性塗料・コーティング材料の上位ランキング

2006年の販売金額が大きい機能性塗料・コーティング材料(上位5品目)は以下の通りである。
塗料分野 機能性塗料・コーティング製品 金額ベース(百万円) 伸長率
2002年 2006年
予測
2006/02
環境適合型塗料 自動車用塗料(新車用) 137,500 137,100 99.7%
重防食塗料 90,500 89,900 99.3%
水溶性樹脂塗料 53,500 66,600 124.5%
エマルジョン塗料 60,600 61,500 101.5%
電気・電子機能 半導体コーティング材※ 27,850 60,500 217.2%
出所:富士キメラ総研
半導体コーティング材は世界市場で捉えている。

環境適合型塗料が、1位から4位までランクされている。5位に電気・電子機能塗料の「半導体コーティング材」がつけている。

2006年市場の上位5品目の中で「自動車用塗料(新車用)、重防食塗料、エマルジョン塗料」は、600億円以上の市場規模を維持していくが、その成長トレンドは横ばい推移と予測している。

一方、水溶性樹脂塗料、半導体コーティング材(層間絶縁膜材料、パッシベーション膜、液状封止材)は、4年間で各々1.25倍と2.17倍という高い伸長率が注目される。

また、上位にランキングされている自動車用塗料(新車用)、エマルジョン塗料、半導体コーティング材の3品目は、フッ素樹脂などを使用したエンプラ樹脂系の塗料である。

■伸長率が大きい機能性塗料・コーティング材料の上位ランキング

2006年の伸長率が大きい機能性塗料・コーティング材料(上位7品目)は以下の通りである。
塗料分野 機能性塗料・コーティング製品 金額ベース(百万円) 伸長率
2002年 2006年
予測
2006/02
熱的機能 熱発泡性耐火塗料 90 1,200 1333.3%
環境適合型塗料 光触媒塗料 550 4,500 818.2%
光触媒コーティング材 750 2,450 326.7%
VOCゼロ水系塗料 1,100 3,000 272.7%
自然塗料 2,250 5,000 222.2%
機械・化学機能 結氷・着雪防止塗料 125 275 220.0%
電気・電子機能 半導体コーティング材 27,850 60,500 217.2%
出所:富士キメラ総研

伸長率から見た場合、熱発泡性耐火塗料(熱的機能塗料)は、販売金額は極めて小さいが、その伸長率は2002年比13.3倍と、急成長が予測されている。

2位〜5位には、環境適合型塗料「光触媒塗料、光触媒コーティング材、VOCゼロ水系塗料、自然塗料」の4品目が上位にランキングされている。

参考文献:「2003年版 機能性塗料・コーティングの現状と将来展望」
(2003年1月24日:富士キメラ総研)


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