半導体コーティング製品の市場動向

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半導体関連製品の業界では、高分子材料をベースとしたコーティング材料が多く用いられており、これらは製品自体が主要材料として使用されたり、製造工程で絶縁材などに用いられている。

高分子材料が果たす役割は大きく、加工性や絶縁性、耐熱性、耐久性、強度、軽量性等の特性を活かし、薄膜・コーティング製品として用いられている。

ここでは、半導体の製造工程に関係するコーティング材(パッシベーション膜、層間絶縁膜材料、液状封止材)3製品について取り上げた。

■半導体コーティング製品における対象製品の製品概要、使用目的、使用材料

区分/製品名 対象製品の範囲、製品概要 使用目的・用途 使用材料


パッシベーション膜 半導体製造・前工程の最終プロセスにて形成され、外部からデバイスを隔離保護し、外部環境からの湿気等の影響による劣化を防ぎ、半導体素子の表面を安定化させるコーティング材料である。 IC、LSIチップの表面保護用、絶縁膜として使用。 使用素材はPIが中心。他にはPBO、シリコーン系等。
層間絶縁膜材料 CVD成膜によるガス材料と、SOG(Spin on Glass:塗布ガラス)に代表される塗布材料に2分されるが、ここでは後者を対象とする。 塗布材料は4層程度の低多層配線用途で、平坦化目的や絶縁膜用途に使用。 無機SOG(HSG)、有機SOG(MSQ)、有機ポリマー、ほか


液状封止材 液状封止材料は、末端機器の小型・薄型化に伴い実装方式の変化に対応し、LSI等、半導体チップの防塵、衝撃保護、外部環境変化の影響を防止するパッケージ材料である。 TCP、COF/COG向け半導体パンケージ用途。 エポキシ樹脂を主に採用し、石英フィラー等の添加剤を使用。

■半導体コーティング製品における材料特性

使用材料面から捉えると、パッシベーション膜にはエンプラ(ポリイミド樹脂)が使用されている。液状封止材は、エポキシ樹脂が代表的なコーティング用樹脂となっている。

層間絶縁膜(ILD=Inter Layer Dielectrics)の平坦化材には、無機SOG(HSG:水素化シルセスキオキサン)、有機SOG膜(MSQ膜:メチルシルセスキオキサン膜)が用いられ、またLow-k(低誘電率層間絶縁膜)材料には、有機SOGとして「HSG(日立化成工業)」、「HOSP(ハネウェル社)」があり、有機ポリマー系では「SilK(ダウ・ケミカル)」、「FLARE(ハネウェル社)」が使用されている。

■半導体コーティング製品の用途動向(2002年:世界需要ベース)

製品名 販売量ウェイト(%) 具体的用途例
層間絶縁膜材料 57 平坦化材、塗布型Low-k(低誘電率層間絶縁膜)材料、など
パッシベーション膜 36 チップ保護(IC、LSIチップ表面保護)、液状表示素子配向膜
液状封止材 7 ポッティング用/TCP(Tape Carrier Package)、COF(Chip on Film)、COB(Chip on Board)
合 計 100  
出所:富士キメラ総研

半導体コーティング製品の中では、層間絶縁膜材料の需要量が最も多くなっている。パッシベーション膜は、さらに層間絶縁膜の上に表面保護用、絶縁膜として使用される場合がある。

■半導体コーティング製品の市場規模推移(2002〜2006年:世界需要ベース)

下記の数表は半導体製造工程で使用されるコーティング製品(パッシベーション膜、層間絶縁膜材料、液状封止材)の合計販売量を示す。
●市場規模推移及び予測 (単位:t、%)
  2002年 2003年
見込
2004年
予測
2005年
予測
2006年
予測
販売数量 575 795 935 1,015 1,060
前年比 138.3 117.6 108.6 104.4
出所:富士キメラ総研

半導体製品の製造工程で使用されるコーティング材3製品の需要合計は、2002年の世界需要が575t、278.5億円となった。

これらの半導体コーティング製品は、日本メーカーの生産ウェイトが高い製品であるが、供給先は国内市場に限らず、特に輸出数量が増加傾向にある。

■参入企業とメーカーシェア(2002年:世界需要ベース)

メーカー名 販売量シェア(%)
旭化成 39
日立化成デュポンマイクロシステムズ 29
その他 32
合 計 100
出所:富士キメラ総研

上記の数表はパッシベーション膜のメーカー名とシェアを示す。上位2社で市場全体の68%を占めている。その他には東レ、住友ベークライト、旭化成、京セラケミカル、信越化学工業などが参入している。

<半導体コーティング製品と参入企業>
コーティング製品名 参入企業名
層間絶縁膜材料 ハネウェル、東京応化工業、ダウ・ケミカル、日立化成工業、ほか
液状封止材 ナミックス、住友ベークライト、松下電工、日立化成工業、日本化薬、ほか

層間絶縁膜市場は、ハネウェル社が首位(2002年世界の半導体コーティング材料においてシェアが41%を占有)を獲得している。2位は東京応化工業その後をダウ・ケミカルが続いている。

液状封止材市場では、ナミックスがトップメーカーであり2位の住友ベークライトに大きく差をつけている。

■今後の動向

層間絶縁膜材料分野では、半導体チップの微細化に伴い、先端ASICや、Low-k製品の本格的な立ち上がりが予想されており、数量・金額ベースでの需要拡大が今後見込まれている。

材料技術の変化、携帯機器やLCDの需要拡大により、半導体コーティング材3製品は今後も拡大傾向が続いていく見通しである。

参考文献:「2003年版 機能性塗料・コーティングの現状と将来展望」
(2003年1月24日:富士キメラ総研)


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