システムキッチンの市場動向

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システムキッチン市場の製品範囲は、複数のキャビネットを連結し、シンク付きのワークトップ(天板)により一体化させたキッチンセットを対象としている。システムキッチンにおける既築比率は、戸建では約4割を占めるが、全体的には3割程度にとどまっている。

新築住宅市場の縮小に伴い業界再編が加速しており、2002年にはサンウエーブ工業と日立ハウステックとの業務提携などの動きが見られ、システムキッチン業界は変革期を迎えている。

■システムキッチンにおける材料特性

従来のシステムキッチン用パネル材は、PVCフィルム(ポリ塩化ビニルフィルム)上にデザイン印刷を施した後に、透明なPVCフィルムやPETフィルムを積層した化粧フィルムが使用されていた。この化粧フィルムは、接着樹脂層、基材樹脂層、印刷層、表面樹脂層が順次積層されている。

ところが、PVCフィルムを使用した化粧フィルムは、耐汚染性、耐溶剤性などの表面物性が劣り、また焼却・廃棄処理の際に、塩化水素ガスのような有毒ガスが発生して環境を汚染したり、焼却の際に焼却炉を傷めるなどの問題点が指摘されている。

近年、システムキッチンのキャビネットのパネルや扉には、主にPETフィルムを使用した外板パネル材が多く使用されている。パネル材の表面に汚れなどの付着を防止し、パネル表面の掃除がし易く、耐キズ付き性にも優れたPETフィルムが化粧フィルムとしてラミネートされている。

■システムキッチンの市場概要

住設機器の中で、2002年のシステムキッチン市場は、3,080億円(国内需要)という巨大な市場を形成している。数量ベースでは107万5,000台となり、前年比6%程度の市場拡大を遂げている。

2003年以降、システムキッチンメーカーは、リフォーム対応型製品の開発を推進し、高級グレードのシステムキッチンの販売を強化するなど、潜在的な市場の掘り起こしを展開している。

近年、大都市を中心に高層マンションの新設工事が顕著であるなど、新築住宅の建設が追い風となりシステムキッチンの販売台数を押し上げる要因として働き、2005年にはプラス成長を維持することが予測される。

■商品開発・製品特性

トステムは、「汚れにくくて落ちやすい清掃性の向上にこだわったシステムキッチン「プラータ」を開発し、2005年9月1日から販売を開始している。

プラータは「お手入れテキパキッチン」を商品コンセプトとして、清掃性をより向上させ、手入れが簡単なキッチンを目指したシステムキッチンである。一般ユーザーから要望の高い「清掃性」に着目して開発が行われた。新製品の特徴や概要は以下の通りである。


商品名 製品概要
「プラータ」 特徴  トステムは1996年から、汚れのつきやすいキッチン部位に対してはフッ素加工やUV塗装を行い、さらにはEB(電子線)コートを利用した耐汚染性に優れた表面仕上げを行っている。
 このように「プラータ」は、使用部材に対して表面処理を行い、清掃性を高め、手入れが簡単な仕様「ピュアクリーン」を積極的に採用している。
 日本のライフスタイルは今後さらに共働き率が上昇し、主婦が仕事・家事・子育てと多忙を極めることを想定しており、キッチン環境全体に対してピュアクリーン仕様にすることで、清掃性の向上を図っている。
 例えば「レンジフードフィルター」にはフッ素加工を施すことによって、しつこい油汚れも落とせるように仕上げている。
製品
グレード
中級・普及クラスのシステムキッチン
販売
ターゲット
団塊ジュニアなど、30代の住宅購入を検討している世代(仕事や家事・子育てを行っている共働きの世帯など)
カウンター
高さ
身長に合せて3種類(80cm、85cm、90cm)から選べる
価格 85万円(税抜き)に設定

■参入企業とメーカーシェア(2002年:国内ベース)

メーカー名 販売量シェア(%)
タカラスタンダード 21
クリナップ 17
サンウエーブ工業 15
松下電工 9
ナスステンレス 6
その他 32
合 計 100
出所:富士経済

2002年のシステムキッチン市場は、タカラスタンダードとクリナップが上位にランキングされている。タカラスタンダードがトップにきているのは、マンション物件で販売量を伸ばしたことが起因している。2位のクリナップはリフォーム市場において中高級商品が、売上伸長に貢献している。

3位のサンウエーブ工業は、「サンヴァリエ<ピット>」を投入するも振るわず、4位の松下電工も2001年に好調であった「シーメイド」の販売が失速するなど、いずれもシェアを落とした。その他の企業の中では、ミカドが分譲戸建住宅で実績を伸ばしている。

■今後の動向

システムキッチン市場は、新築への依存度が高いため新設住宅着工戸数の増減トレンドの影響を受け易い傾向がある。従って、参入メーカー各社は安定した売上、利益を確保していくためには、既築需要の売上比率を高めていくことが急務となっている。

既築分野でシステムキッチンの売上を拡大するためには、例えば、リフォーム業者、設備工事業者等、既築市場に間口の広い業者に対して商品を供給するなどの販売施策が考えられる。

参考文献:「2003年版 住設建材マーケティング便覧」
(2003年8月26日:富士経済)


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