住宅用金属製玄関ドアの市場動向

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住宅用玄関ドアは、アルミ製玄関ドア(一般のアルミ製と断熱アルミ製に分類できる。)、スチール製玄関ドア、木製ドアに大別される。ここでは、アルミ製玄関ドアとスチール製玄関ドアを対象として、その市場動向について整理した。

2002年の戸建住宅用に使用されるアルミ製玄関ドア市場は、新設住宅着工戸数減少の影響を受け、厳しい販売環境下にある。メーカー各社は高断熱性能やセキュリティ機能を強化した新商品を投入し、他社との差別化を図っている。

■住宅用金属製玄関ドアにおける材料特性

アルミ製とスチール製玄関ドアのパネル表面には、PETフィルムやフッ素フィルム等のラミネートフィルムが使用されている。

玄関ドア等の外装建材用途では、雨や紫外線による影響や湿度の作用による表面劣化等の問題点を回避するために、耐候性の高い化粧フィルム・シートが用いられている。

玄関ドア需要は、材料的にはアルミ製玄関ドアは新築戸建住宅、スチール製玄関ドアは集合住宅分野が中心となっている。

■住宅用金属製玄関ドアの市場概要

2002年の住宅用金属製玄関ドアの全体市場は148万セットであり、金額ベースでは1,316億円である。その内訳はアルミ製玄関ドアが64.8万セット、断熱アルミ製玄関ドアが15.2万セット、スチール製玄関ドアが68万セットである。

玄関ドア向けに、省施工タイプのリフォーム対応商品も投入されているが、開口部材に対するリフォーム需要が本格化しておらず、既築比率の伸びは消極的である。

2003年以降、住宅用金属製玄関ドア市場は、142〜145万セットの規模(前年比1.8%減のペース)で推移していくと予測している。

スチール製玄関ドア、アルミ製玄関ドアの需要は、年々減少推移しているのに対して、断熱アルミ製玄関ドア市場は、金額ベースで前年比3%台の伸び率で拡大基調にある。

■研究開発・製品特性

企業名 技術開発 製品特性
凸版印刷 耐熱接着性や、耐湿接着性が優れた高耐候性の化粧シートを開発  通常、化粧シートは、複数の熱可塑性樹脂層をドライラミネート法によって積層され、使用する接着剤は、軟包材用の2液硬化型ポリエステルポリウレタン系樹脂等を用いる場合が多い。これは雨や紫外線による黄変や、湿度の作用による加水分解劣化等の問題があり、耐候性の面で課題点があった。
 近年、玄関ドア等の外装用途で使用される化粧シートは、表面保護層、透明上台熱可塑性樹脂層(表面保護シート)、着色下台熱可塑性樹脂層(基材シート)には紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤等を添加し、絵柄層の顔料系やバインダー樹脂には耐候性の良い材料を使用した高耐候性化粧シートが用いられている。
 同社が開発した高耐候性化粧シートの断面構成は下図の通りである。
凸版印刷開発:高耐候性化粧シートの断面構成
 2層目の透明熱可塑性樹脂層を構成する熱可塑性樹脂としては、例えばPE、PP等のポリオレフィン系樹脂をはじめ、他には、PET、PBT、PEN、PAR、PC、PET-G等のポリエステル系樹脂、6ナイロン等のポリアミド系樹脂、フッ素樹脂などが使用できる。
 上記の化粧シートは、2層以上の熱可塑性樹脂層を、ポリカーボネート骨格を持つ2液硬化型ポリウレタン系樹脂を主成分とする接着剤層を介して積層することにより、通常のドライラミネート法で能率的な生産が可能である。
 しかも、従来の熱ラミネート法の場合のように、耐熱性不足や工程管理の煩雑さ等の問題もなく、従来のドライラミネート用接着剤である2液硬化型ポリエステルポリウレタン系樹脂と比較しても、紫外線による黄変や、湿度により接着性が低下することなく、耐候性を改善した化粧シートを製造できる。
 この化粧シートは、玄関ドアや窓枠等の外装用途に高耐候性シートとして使用できる。

■参入企業とメーカーシェア(2002年:国内ベース)

メーカー名 販売量シェア(%)
コスモ近畿 26
三和シャッター工業 22
YKK AP 20
文化シャッター 6
その他 26
合 計 100
出所:富士経済
※上記の数表はスチール製玄関ドア市場のシェアを示す。

コスモ近畿、三和シャッター工業、YKK APの上位3社でスチール製玄関ドア市場の68%を占有している。スチール製玄関ドア市場は、首都圏の相次ぐ再開発事業によるドア需要が拡大した結果、三和シャッター工業、文化シャッター等の上位メーカーが大きな実績をあげている。2002年の販売実績は、三和シャッターが前年比25%増(数量ベース)、文化シャッターが同10%増と大躍進を遂げた。

<住宅用金属製玄関ドア製品と参入企業>
金属製玄関ドア製品名 参入企業名
アルミ製玄関ドア
断熱アルミ製玄関ドア
トステム、YKK AP、新日軽、三協アルミニウム工業、ほか

■今後の動向

開発面では、防犯機能の強化が重要になっており、トステムと東海理化との「スマートキーシステム」の開発など、他業種メーカーとの共同開発が進んでいる。

玄関ドアやサッシ等の建材とIT技術の組み合わせが本流になりつつあり、今後IT関連企業や警備会社など他業種との提携が活発化することも予想される。

参考文献:「2003年版 住設建材マーケティング便覧」
(2003年8月26日:富士経済)


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