ルームエアコンの市場動向

マーケット情報TOP
エアコンはルームエアコンとハウジングエアコンに分類される。ここでは、ルームエアコンを対象とする。ルームエアコンとハウジングエアコンの販売台数による比率は、690万台対36万台であり95:5の割合となり、圧倒的にルームエアコンが多くなっている。

一般に、エアコンは6月と7月の時期に、年間の35〜40%の需要が見込まれる季節型商品に位置づけされ、初夏の気象状況がその年の市場規模に大きな影響を及ぼしている。

ルームエアコンの需要比率(2002年販売台数ベース)は、戸建住宅と集合住宅別に見ると戸建住宅が53%、集合住宅が47%となり、戸建住宅における採用がやや上回っている。さらに戸建住宅需要の中で、新築・既築需要別に分けた場合、新築需要は26%と少なく既築需要が74%と極めて多くなっている。

■ルームエアコンの新製品動向
ダイキン工業は、うるるとさらら「Rシリーズ」の壁掛形ルームエアコンを、2005年1月から販売を開始した。製品の概要は以下の通りである。
企業名 製品名 製品概要
ダイキン工業 うるるとさらら
「Rシリーズ」
壁掛形ルーム
エアコン
 新製品開発の背景は、住宅の高気密化対策や住宅建材等から発生するホルムアルデヒド等の有害物質を排出するなど、居住環境を第一に考え、人と住まいにやさしいエアコンの開発を目指している。
 同社は、快適な住宅環境を実現するために、本格的な温湿度制御、換気機能、健康機能、さらには室内機のコンパクト化(横幅が798mm、奥行きが198mm)を進めている。
 Rシリーズは、同社の技術である「うるる加湿」をパワーアップし、ヒアルロン酸を新配合したビタミンCフィルターで、肌水分量を向上させている。(女性の肌健康に関心が高まっており「人の健康と住まいの健康」を基本コンセプトに置いて技術開発に取組んでいる。)また気密性の高い住宅で見られるカビの発生を抑制する機能を備えている。

■ルームエアコンの市場概要

2002年のルームエアコン市場は、690万台である。金額ベースでは6,300億円であり住設機器の中では、最大規模の市場を形成している。(ルームエアコンに続いて大きいのは、システムキッチンの3,080億円である。)

2003年以降は販売台数・販売金額ともに、微増傾向で推移して行くと予測している。需要のピークとなる6〜7月の気温上昇・低下が、ルームエアコンの売れ行きを大きく左右する製品である。

ルームエアコンは、新築時に設置するよりも後付け需要が多く、家電量販店や地域の家電店で購入するケースが多い。特に量販店ルートの比率が高くなっている。

■研究開発・製品特性

企業名 技術開発 製品特性
三菱レイヨン 高い剛性と
耐衝撃性を持つ、
筐体用熱可塑性
樹脂組成物
を開発
 近年、家電製品やIT機器において小型薄型化が顕著である。例えば、エアコン室内外機やIT機器のハウジング(筐体)等には、筐体の薄肉化が要求され、そこで使用される樹脂材料には、高い剛性と耐衝撃性が求められている。
 そこで同社は、熱可塑性樹脂、エポキシ基を持つオレフィン系エラストマー及び繊維状充填材を含有する熱可塑性樹脂組成物を開発している。(この熱可塑性樹脂には非晶性樹脂、あるいは非晶性樹脂と芳香族ポリエステル樹脂から構成された樹脂が用いられている。)
 非晶性樹脂は、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリアリーレン樹脂、PES樹脂、PSF樹脂、PPE樹脂から選沢できる。この中では特に、PC樹脂が適している。非晶性樹脂はそのガラス転移温度が140℃以上の製品を使用することが好ましい。
 また繊維状充填剤は、炭素繊維、ガラス繊維、アルミナ繊維、シリコンカーバイド繊維、チタン酸カリウムウイスカー、酸化チタンウイスカー等の無機繊維、鉄、ステンレス、ニッケル、銅、銀、金、チタン等の金属繊維等が挙げられる。これらの中では炭素繊維、ガラス繊維が好ましいが、比重及び剛性付与能力の高さを基準にすると炭素繊維が最も適している。
 更に難燃剤は、臭素化合物、塩素化合物、フッ素化合物(ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素化ポリオレフィンやその共重合体)、燐化合物、赤燐、窒素化合物、珪素化合物などが挙げられる。
 同社が開発した熱可塑性樹脂組成物は、エアコン以外の用途には、PPC、FAX、プリンタ、PC、PDA、TVなど、OA・情報機器、家電製品のハウジングやシャーシー部品、PHS交換機、電話交換機等のハウジング、各種建築部材等への適用が可能である。

■参入企業とメーカーシェア(2002年:国内ベース)

メーカー名 販売量シェア(%)
松下電器産業 15
三菱電機 15
東芝キャリア 14
ダイキン工業 14
日立H&L 11
その他 31
合 計 100
出所:富士経済

ルームエアコン市場は、上位5社が11〜15%の範囲に並んでいる。ランキング順位の変動は少なく、松下電器産業と三菱電機、東芝キャリアとダイキン工業はそれぞれ同レベルのシェアを形成している。

2位の三菱電機は、2001年10月に投入した床温度センサー付きの「霧ヶ峰DX・RXシリーズ」が好調でややシェアが上昇している。


■今後の動向

ルームエアコンは、一家に2〜3台の設置は当たり前の家電製品となっており、買替え・買増し需要が多いことから、既に使用している機種と比較した時、新製品の商品提案力・メリットをいかに訴求できるかが各メーカーの開発課題となっている。

参考文献:「2003年版 住設建材マーケティング便覧」
(2003年8月26日:富士経済)


戻る