クロゼット扉の市場動向

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収納製品の種類には、クロゼット扉、システム収納、玄関収納、床下収納庫等が挙げられる。ここではクロゼット扉を対象とする。

クロゼットは、本来、押入れ、戸棚小部屋を意味し、欧米では寝室に付随して衣装用の小部屋が作られている。日本では、格納に似た部屋から今日では、寝室や居間などの壁面に置かれたり、造り付けとして主に洋服や衣服用のハンガーを使用した「戸棚」や「家具」として用いられている。

クロゼット扉を含む2002年の収納製品市場は、ここ数年新設住宅着工戸数の減少により、落ち込みが激しい状況にある。クロゼット扉は、新築住宅への依存度が高いことが需要低下の要因となっている。

収納製品(クロゼット扉などを含む)のリフォームを希望する声は多く、既築市場における潜在ニーズは大きいと見ている。(但し、収納製品は施工現場でのサイズ対応が難しいことから、工期、時間、コストがかかり、リフォームに踏み切れないケースが少なくない。)

■クロゼット扉における材料特性

クロゼット扉や浴室などに用いる内装建材用化粧フィルムは、PVCフィルム(ポリ塩化ビニルフィルム)から、非塩ビ系(ポリオレフィン系、ポリエステル系、 PMMA系)フィルムや紙に中心素材が移行してきている。

PVC系化粧フィルムの需要が減少してきた理由は、1990年代にVOC(有機揮発性物質)等による室内空気汚染が問題視されたことが一因となっている。

そのため、PVC系化粧フィルムに替えて、木質や鋼板基材の用途に用いる化粧フィルム(基材フィルム+柄印刷を施したフィルムやエンボス加工したフィルム)は、非塩ビ系フィルムにシフトしている。

■クロゼット扉の市場概要

2002年のクロゼット扉市場は450億円となり、新築戸建住宅着工戸数の減少により市場が縮小傾向で推移しており、2003年以降は減少トレンドで推移していくと見ている。

今後も需要の中心となる持ち家住宅の市場で減少が続くと予測される。また、既築需要も伸び悩んでいる。

■研究開発・製品特性

企業名 技術開発 製品特性
大日本印刷 基材に貼付して使用される木質化粧板を開発  同社は、扉や壁面材などの建具の表面化粧材として、基材に貼り付けて用いられる木質化粧板を開発した。
 従来、合板や繊維板、樹脂板などを基材とし、その表裏面に表面化粧材を積層して扉や壁面材などの建具などが製作されてきた。
 表面化粧材は、天然木をスライスして得られる厚み0.15mm〜1.0mm程度の薄板である突板や、透明又は半透明の樹脂シートに、木目模様などの印刷を施した印刷化粧シートなどに用いられている。
 2種以上の突板(ツキイタ)を同一平面内に並置して構成される突板構成体の表面に、透明または半透明の印刷シートを接着積層して木質化粧板の製作を可能にしている。
 透明・半透明の印刷シートには、例えば、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂(LDPE、HDPE、PPなど)シートが好ましい。
 印刷シートに用いる樹脂は、熱可塑性ポリエステル樹脂も使用でき、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどが使用できる。
 印刷模様(絵柄)は、導管、年輪、浮造年輪、木肌、照りなどを表現した木目柄の他に、複合的に石目柄、布目柄、皮紋柄、幾何学図形、文字、記号や全面ベタなどの印刷絵柄を複合的に用いることもできる。
 また印刷シートに対してエンボス加工、ワイピング加工、グロス加工、マット加工を単独で施したり、又は組み合わせることも可能である。
 木質化粧板は、合板、※MDF(Medium density fiberboard:中質繊維板)などの台板(基板)上に積層して、壁面材、天井材、床材、扉、などの建具に用いることができる。
 ※MDFは木材チップを原料とし、これを蒸煮・解繊したものに合成樹脂を加えて成形加工される。

■参入企業とメーカーシェア(2002年:国内ベース)

メーカー名 販売量シェア(%)
松下電工 20
ユニオン 16
永大産業 12
大建工業 11
その他 41
合 計 100
出所:富士経済

松下電工は、住宅設備機器・部材全般の製品においてブランド力があり、クロゼット扉においてもトップとなっている。クロゼット扉では、分譲マンションに強いユニオンが2位に入っている。その他のメーカーにはウッドワン(木質建材メーカー)などがあげられる。


■今後の動向

クロゼット扉の主要需要先は、新築戸建住宅及び分譲マンションである。今後、市場を拡大させていくには、既築市場と新築集合賃貸住宅への市場開拓が必要となっていく。

参考文献:「2003年版 住設建材マーケティング便覧」
(2003年8月26日:富士経済)


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