自動車部品の市場動向(総括)

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自動車を構成する部品点数は数万点に及んでいる。自動車部品市場は、既存材料の代替をはじめ、新素材開発による新規市場の創出が可能であるなど、今後もビジネスチャンスが期待できる巨大市場を形成している。

自動車産業において、環境技術が今後のキーテクノロジーになることは間違いなく、自動車の主要構成部品・材料にも変化が起こっている。特に日米欧では大気汚染に繋がる排ガス規制は厳しくなっており、環境を軸とした新素材の開発が進んでいる。また軽量化やリサイクルの観点から材料選定が重要な要素になっている。

さらには、コスト面では問題が残るが、新工法の開発により軽量化、耐久性や肉薄成形性が可能となり、鋳鉄からアルミ合金やチタン合金への材料転換も一部進展している。

■自動車部品の分野別市場規模分析(日本企業の販売金額ベース)

●部品分野別販売金額、伸長率、5年間の増減額 (単位:億円)
部品分野 販売金額 2008年伸長率
(2003年比)
5年間の
増減額
増減ポイント
2003年 2008年予測
エンジン関連部品 7,180 7,764 108.1% 584 +8.1%
電装部品 16,004 17,712 110.7% 1,708 +10.7%
駆動/伝達/操舵装置部品 1,892 1,873 99.0% -19 -1.0%
機能部品 654 1,097 167.7% 443 +67.7%
外装部品 2,728 2,722 99.8% -6 -0.2%
内装部品 10,036 10,022 99.9% -14 -0.1%
機構部品・その他 13,435 13,001 96.8% -434 -3.2%
52品目合計 51,929 54,191 104.4%  2,262 +4.4%
【販売金額=ライン純正+市販輸出・補修】出所:富士キメラ総研

2003年の国内自動車部品市場は、自動車の輸出拡大と国内の排ガス規制強化によるトラック特需を受けて、前年比0.9%増の51,929億円に拡大した。また、2004年は、北米、アジア地域で需要が旺盛になると予見している。

2006年以降は、環境対応技術の開発、エレクトロニクスカーの開発、また円高が進み海外生産に移行することなどが予測されており、2008年は5兆4,191億円の規模になると推定している。

2008年において「機能部品」の成長率が1.68倍(2003年比)と、急成長を見せている。その基幹部品には「車間距離感知システム、車載用CCDカメラ、盗難防止装置」が挙げられる。また2003年から5年間の増減額が大きいのは「電装部品」(1,708億円)である。特に「ECU」の成長が最も顕著であり2008年に5,343億円に拡大すると予測している。

自動車部品の搭載分野を7分類し、プラスチック系、合金系部品を合わせて52品目の自動車部品・材料を対象とした。
部品搭載分野 対象の自動車部品・材料名
エンジン関連部品(8) クランクシャフト、エンジンバルブ、燃料ポンプ、エアクリーナ、マフラー、触媒、DPF装置、燃料噴射装置
電装部品(10) 汎用バッテリー 、42V用バッテリー、補助電源(二次電池)、スタータ、スパークプラグ、カーエアコン、ワイヤーハーネス、アルミ電解コンデンサ、X-by-Wire、ECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)
駆動/伝達/操舵装置部品(4) ディファレンシャルギヤ、ショックアブソーバ、ディスクパッド、電子制御サスペンション
機能部品(6) クリアランスソナー 、車載用CCDカメラ、ワイヤレスキー、盗難防止装置、車間距離感知システム、車載用白色LED
外装部品(5) バンパー、ホイルキャップ、アウトサイドミラー、ラジエータグリル、ウェザーストリップ
内装部品(6) インストルメントパネル、シート、ドアドリム、パアーステアリング、天井内張り、キーロックハウジング
機構部品・その他(13) シリンダーヘッドカバー、キャニスター、プロペラシャフト、インテークマニホールド、CVJ(等速ユニバーサルジョイント)、エキゾーストマニホールド、タイミングベルト、タイミングチェーン、ラジエータ、燃料タンク、自動トランスミッション(トルクコンバータ)、水ポンプ、ランプ
合計52品目  
( )内の数字は品目数を示す出所:富士キメラ総研

■自動車部品市場におけるプラスチック材料の位置付け

環境対応の側面から、自動車の低燃費化に向け軽量化の動きが活発になっており、従来、耐熱性や耐久性不足で採用されなかったエンジン関連部品やパワートレイン部品にも、合成樹脂材料の改質・加工技術によって、スチール材料から樹脂材料への転換が進められている。また、樹脂材料を採用した部品に対しては、リサイクル性を考慮した材料の選定などが検討されている。

リヤゲートやフロントフェンダーなどボディーの一部に樹脂を採用しているモデルも見られる。(ただ、コスト面から採用の拡大には至っていない。)

サンルーフ用途ではPCを使うことで大幅な軽量化に成功するなど、樹脂の採用に関しては積極的な開発が行われている。

現在は生産・加工技術によるコストの低減化が行われる一方で、リサイクルを簡易化するために樹脂の統一化が進められている。

■プラスチック材料の採用動向

●主な自動車部品におけるプラスチック材料の採用動向
自動車部品 プラスチック材料の採用動向
燃料タンク 燃料タンクの材料は亜鉛やアルミなどをメッキしたプレス鋼板が主流であったが、材料や成形技術の改良により、設計自由度の高い樹脂製タンク需要が急増している。
ラジエータタンク コア部分の材料は黄銅やアルミ合金が使われていたが、冷却効果や軽量化が図れることからアルミ製ラジエータが主流になっている。またタンクは、成形性が良好であることから樹脂(PA)製が用いられている。
インテークマニホールド ポート内面の平滑性に優れている樹脂製インマニが増えている。また、成形技術の改良で低コスト化が実現でき、吸気系部品を組み合わせたモジュール品の開発が進められており、樹脂製インマニの採用が拡大する要因となっている。
ボディー/車体 ボディー/車体に対するプラスチック材料の採用は、耐久性、衝突安全性、コスト面が重視されており、スチール特にハイテン材が採用される傾向にある。樹脂材料ではフロントフェンダー、サイドシール/ガーニッシュ類に限定されているが、今後増加傾向を示すと見ている。
バンパー 軽量化、加工性、環境性からPP樹脂に統一されるものと思われるが、コスト削減も要求されており、樹脂(PP)のスペックの見直しも同時に行われるものと推察される。大型トラックなどでは強度面で鋼板が使われているが、バンパービームやコックピット形状の変更により今後樹脂化へ進む可能性が高い。

●エンジニアリングプラスチック材料の搭載分野と主な用途先
搭載分野 主な用途先
エンジン・機構部品 シリンダーヘッドカバー、キャニスター、インテークマニホールド、モーターギヤ、モーターハウジング
電装品 ヘッドランプ、テールランプ
内装品 ワイヤーハーネスコネクタ
外装品 アウトサイドミラー、ドアハンドル、エアスポイラー、ラジエータグリル

■主なエンジニアリングプラスチック材料、採用の方向性

PAは、エンジンルーム内での採用が増えており、インテークマニホールドやエンジンカバー等の大型部品、特に金属部品の代替材料として供給が進んでいる。2006年以降はエンジニアリングプラスチック材料の代替も一段落するため微増又は横ばいで推移すると予測している。

PCは、既にヘッドランプ用途の主要材料として市場が確立しており、一部、内・外装部品への採用も増えており増加傾向で推移している。

POMは、ギヤやレバー等の小物部品が多く採用されており、今後も、摺動性が必要とする箇所に採用が進んでいく。

参考文献:「2004年版 自動車部品マーケティング便覧」
(2004年4月21日:富士キメラ総研)


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