ホイルキャップの市場動向

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ホイルキャップは、アルミホイールが標準装備されていない中級車種以下のモデルに対して、ホイールの表面をカバーすることによって、外観性を高めるための装飾部品である。

最近ではデザインや質感が向上しており、アルミホイールの必要性を感じさせないなど、ハイグレードの製品も販売されている。

■ホイルキャップにおける使用材料の特徴

使用材料 販売数量シェア(%)
PA(ナイロン) 55
変性PPO 37
その他 8
合 計 100
出所:富士キメラ総研

耐熱性に優れたPAや変成PPOが主に採用されている。最近では見映えが重視されることから、汎用熱可塑性樹脂のABS樹脂(二次加工の際に優位)等の採用も増えている。

ブレーキによる発熱で150℃近くまで上昇するため、耐熱性に優れているエンジニアリングプラスチックスやポリマーアロイが採用されている。また、コスト面やリサイクル性に優れたPPや耐衝撃性が良好で塗装等の加工がし易いABSを採用しているケースが見られる。

■市場規模推移及び予測(2003〜2008年:ライン純正+市販輸出・補修)日本企業の販売数量ベース

(単位:千個、%)
  2003年 2004年
見込
2005年
予測
2006年
予測
2007年
予測
2008年
予測
ライン純正 13,760 13,520 13,400 13,400 13,360 13,360
前年比 98.3 99.1 100 99.7 100
市販輸出・補修 118 115 114 114 114 114
前年比 97.5 99.1 100 100 100
合 計 13,878 13,635 13,514 13,514 13,474 13,474
前年比 98.2 99.1 100 99.7 100
出所:富士キメラ総研

中上級モデルを中心にアルミホイールの標準装備化が進んでおり、ホイルキャップの全体市場は減少傾向にある。

2003年は前年比0.4%減の1,388万個となった。その販売金額は250億円である。2003年のライン純正と市販との販売数量比率は99対1となり、ライン純正品が圧倒的に多くなっている。2008年は242億円(2003年比3.2%減)に低下すると予測している。

■研究開発・製品特性

企業名 技術開発 製品特性
旭化成 表面の外観性、耐候性、剛性、耐熱変形性、耐薬品性に優れた、車両用ホイルキャップを開発  最近、自動車部品は、燃費向上の観点から車体の軽量化が進められてきている。車両用ホイルキャップは、従来、金属材料で製造されていたが、近年は樹脂製の車両用ホイルキャップが上市されている。
 ポリアミド系樹脂は、耐衝撃性と塗装性の改善を目的とする、ポリアミド・ポリオレフィン樹脂コンパウンドからなる車両用ホイルキャップの提案や、耐低温衝撃性及び塗膜密着性の改善を目的とする、ポリアミドとビニル系共重合体と変性ポリオレフィン樹脂コンパウンドを用いた車両用ホイルキャップが提案されている。
 しかし、ポリアミド樹脂を成分とする車両用ホイルキャップは、ポリアミド樹脂由来の吸湿による寸法変化及び剛性低下は避けられず、その使用時要求特性に問題が生じていた。
 一方、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)に代表されるポリエステル系樹脂は、耐熱性、耐薬品性(耐油性)、吸水特性(低吸水性)等に優れ、車両用ホイルキャップ材料としてその特性が期待できる。しかし、PETの結晶化速度は非常に小さく、核剤等を併用しても、成形条件を複雑に設定する必要があり煩雑である。
 そこで同社は、これらの技術課題を踏まえ、熱可塑性ポリエステル系樹脂であるポリトリメチレンテレフタレート(PTT)のコンパウンド樹脂を研究開発し、表面の外観性以外に、機械特性、耐熱性、耐候性、耐薬品性等に優れた車両用ホイルキャップの開発技術を確立している。
 PTT樹脂の酸成分は主にテレフタル酸を、グリコール成分は主にトリメチレングリコールを用いたポリエステル樹脂である。PTTは同じポリエステル系樹脂であるPETやPBTに比べ、「表面硬度」やフィラーを入れた時の「外観平滑性」に優れている。
 同樹脂コンパウンド(PTT樹脂、結晶核剤、無機フィラーなどから構成される)で製造した車両用ホイルキャップは、機械特性、耐熱性、耐薬品性(耐油性)、吸水特性(低吸水性)等に優れ、外観性、耐候性に優れていることが明らかになった。

■参入企業とメーカーシェア(2003年:日本企業の販売数量ベース)

メーカー名 販売数量ウェイト(%)
東海理化 33
橋本フォーミング工業 18
太平洋工業 16
豊田合成 15
その他 18
合 計 100
出所:富士キメラ総研

2004年4月より橋本フォーミング工業とアルティアの2社が経営統合し、持ち株会社「株式会社ファルテック」を設立している。その他のメーカーには、森六などが参入している。

■今後の動向

既に上級車種についてはアルミホイールの標準装備化が完了しており、中級クラスの下位モデルと量販車種、軽自動車にホイルキャップが採用されるのみとなっている。

今後ともアルミホイールの標準装備化は進むものと思われるが、割安感を重視する量産モデルと軽自動車、商業車種に関しての需要は、引き続き維持して行くと推察される。

参考文献:「2004年版 自動車部品マーケティング便覧」
(2004年4月21日:富士キメラ総研)


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