インテークマニホールドの市場動向

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インテークマニホールドはエンジンルーム内で設置されており、吸気マニホールド、キャブレタから各シリンダーに対して、混合気を配給するための分岐管である。吸入抵抗が少なく、各シリンダーに均等に配分されるように工夫されている。また、燃料の気化を助ける役割も持っている。

使用素材は鋳鉄やアルミ合金が挙げられるが、吸気部品のモジュール化に伴って近年は、より軽量で安価な樹脂製の製品が急増している。

■インテークマニホールドにおける使用材料の特徴

使用材料 販売数量シェア(%)
アルミニウム 60
PA 35
その他 5
合 計 100
出所:富士キメラ総研

これまでは、鋳鉄に替わりアルミダイカストが主流を占めてきた。その後、GF(グラスファイバー)入りポリアミド樹脂(ナイロン:PA6)製のインテークマニホールドが上市された。樹脂製インテークマニホールドの登場により、その割合はアルミニウムに迫る勢いで伸ばしてきている。

他には、マグネシウム合金が軽量化素材として注目されている。しかし参入各社は技術開発を行ってはいるものの、実用化のための解決課題が多いため当面の採用は難しい。

アルミ鋳造品に対して25〜50%軽量化が図れ、ポート内面の平滑性に優れることから樹脂製インテークマニホールドの販売量が増えている。

成形技術の改良で低コスト化が実現され、吸気系部品を組み合わせたモジュール製品の開発も進んでいることから、樹脂製インテークマニホールドの採用に拍車をかけている。

■市場規模推移及び予測(2003〜2008年:ライン純正+市販輸出・補修)日本企業の販売数量ベース

(単位:千本、%)
  2003年 2004年
見込
2005年
予測
2006年
予測
2007年
予測
2008年
予測
ライン純正 10,350 10,200 10,000 10,100 10,100 10,000
前年比 98.6 98.0 101.0 100.0 99.0
市販輸出・補修
前年比
合 計 10.350 10.200 10.000 10.100 10.100 10.000
前年比 98.6 98.0 101.0 100.0 99.0
△印は僅少を示す 出所:富士キメラ総研

インテークマニホールドの市販輸出・補修市場は殆ど存在せず、ほぼ100%近くライン純正市場が占めている。そのため自動車の生産台数に連動した形態で市場が形成されている。上記の数表には、トヨタ自動車、日産自動車の内製分も含まれている。

2003年の市場規模は1,035万本、433億円市場であるが、2008年は413億円(2003年比4.6%減)になると予測している。従来のアルミダイカスト製に比べ安価な樹脂製インテークマニホールドが増加傾向にあることから、金額ベースの市場は縮小傾向が続いている。

近年、インテークマニホールドの単体販売から、スロットルボディ、エアクリーナー等を一体化した商品(吸気モジュール)が、一般乗用車クラスで採用実績が出てきており、今後普及が加速すると考えられる。

■研究開発・製品特性

企業名 技術開発 製品特性
三菱電機 樹脂製インテークマニホールドの製造技術を開発  従来のインテークマニホールドは、4バルブエンジンのエンジンヘッドに対応するため、内燃エンジンの各気筒に各々2つのインテークポートを設けた殻体(かくたい)を備えている。この殻体に吸気制御弁(燃焼用吸気量を制御する)を設けた構成の製品が開発されている。また、吸気制御弁はインテークマニホールドの殻体を成形した後に組み込まれている。そのため、吸気制御弁のシャフトとバタフライバルブは別体にしないと、殻体に組み付けができない。
 即ち、シャフトとバタフライバルブを予め別体で構成しておく必要があるため、部品点数が多くなり製造コストが嵩み、組立て性も悪くなる。
 そこで同社は、部品点数や組み付け工数を削減し、組み立てが容易で、吸気制御弁の設置箇所の設計自由度が大きいインテークマニホールドを開発することを検討した。
 インテークマニホールドの製造方法は、管軸線方向に2分割された形状を有する一対の半割体を予め金型で成形加工を行う。さらに、シャフトが両半割体の間に挟まれた状態になるように吸気制御弁を組み込む。その後、これらの半割体の接合面同士を一体的に接合して1つの殻体にしている。
 その結果、シャフトとバタフライバルブが一体化した吸気制御弁を使用できるようになり、部品点数の削減、組付け工数の削減が図れる。さらには、ネジ止め工具の挿入作業性を考慮する必要が無いため、吸気制御弁の設置箇所において設計上の自由度が大きくなる。
 なお、この殻体は耐熱性、強度、価格などを考慮してポリアミド等の樹脂が採用されている。

■参入企業とメーカーシェア(2003年:日本企業の販売数量ベース)

メーカー名 販売数量ウェイト(%)
アイシン精機 22
広島アルミニウム工業 12
日産自動車 11
トヨタ自動車 9
その他 46
合 計 100
出所:富士キメラ総研

アイシン精機、広島アルミニウム工業が上位メーカーに位置付けられる。他には日産自動車とトヨタ自動車の内製分を合計した販売量は、市場全体の2割程度を占めている。その他のメーカーには旭テック、ケーヒンなどが参入している。

■今後の動向

インテークマニホールドの販売数量は近年、微減傾向で推移している状況にある。使用材料の面からはポリアミド樹脂が、今後アルミダイカスト製品に替わって主流になると予測される。樹脂製インテークマニホールドは、従来の金属製と比較して30%程度安価であることと軽量であることが評価され、採用が進んでいる。但し、耐熱性の面で課題が残されている。

逆にアルミダイカスト法による薄肉化が実現すれば、コスト面及び重量面に関して樹脂製インマニのメリットが出しにくくなることを予想している。

参考文献:「2004年版 自動車部品マーケティング便覧」
(2004年4月21日:富士キメラ総研)


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