燃料ポンプの市場動向

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燃料ポンプは燃料タンクの内部に搭載され、燃料をインジェクター(シリンダー内に燃料を噴射するノズル)に送り込む働きをする部品である。

燃料ポンプには電動モータと羽根車(インペラ)が内装され、モータの回転に連動して羽根車がガソリンを押し出すしくみになっている。現在は電動モータ式の製品が主体である。

■燃料ポンプにおける使用材料とポンプ機構の特徴

円筒状の電動燃料ポンプの場合ハウジング材料は、鉄やアルミニウム等の金属材料で形成される。ハウジングの下端にポンプ部、上端は吐出部があり中間部にはモータ部が配置される。ポンプ部はポンプケーシングとポンプカバーによりポンプ室が形成され、そのポンプ室内では羽根車が回転する。羽根車にPPS樹脂等のエンプラが採用されている。

ハウジングの下端開口はポンプケーシングとポンプカバーにより閉塞され、この部位にポンプ部が形成される。モータ部は界磁磁石などで構成され、回転軸の下端は軸受を介してポンプケーシングに支持され、回転軸の上端は軸受を介してベアリング保持部材に支持される。

羽根車がポンプ室内で回転することにより圧力差が生じ、これを多数の羽根溝でくり返えすことにより、ポンプ吸入路からポンプ室内に燃料を吸入し、このポンプ室内で昇圧された燃料がポンプ吐出路からハウジング内に吐出される。更にこの燃料がモータ部の周囲を通り吐出路を介し、外部に連なる燃料配管へと吐出される。

■市場規模推移及び予測(2003〜2008年:ライン純正+市販輸出・補修)日本企業の販売数量ベース

(単位:千個、%)
  2003年 2004年
見込
2005年
予測
2006年
予測
2007年
予測
2008年
予測
ライン純正 10,300 10,350 10,350 10,330 10,330 10,330
前年比 100.5 100.0 99.8 100.0 100.0
市販輸出・補修 850 845 835 830 825 820
前年比 99.4 98.8 99.4 99.4 99.4
合 計 11,150 11,195 11,185 11,160 11,155 11,150
前年比 100.4 99.9 99.8 100.0 100.0
出所:富士キメラ総研

2003年の燃料ポンプの販売数量は1,115万個となり、自動車生産台数の動向に左右される。金額ベースでは約298億円あった。2004年以降も横ばい又は微減傾向で推移すると見ている。2008年は296億円(2003年比0.7%減)になると予測している。

今後は自動車の軽量化と生産ラインの簡素化を図るために、燃料ポンプと周辺部品を一体化させた燃料ポンプモジュールが普及すると見ている。

■研究開発・製品特性

企業名 技術開発 製品特性
ケーヒン 電動燃料ポンプ装置を開発
 従来から、電動燃料ポンプ装置は、ポンプハウジングの軽量化や耐摩耗性を得るために、ポンプハウジングの材質はアルミ合金が使用され、その内面は硬質アルマイト被膜で仕上げられている。
 またポンプインペラ(ポンプ羽根車)は、軽量化、耐摩耗性、強度を確保するため、強化繊維(グラスファイバ等)を添加した樹脂が使用されている。しかし、ポンプハウジング及びポンプインペラの耐摩耗性は充分とは言えず、長期間使用すればポンプ性能が低下する。
 そこで同社は、ポンプハウジング及びポンプインペラが耐摩耗性に優れ摩擦損失が少なく、ポンプ性能を長期間維持する電動燃料ポンプ装置を開発した。同社が開発した電動燃料ポンプ装置の構成は、モータハウジングの端部に燃料ポンプのポンプハウジングを結合させ、ポンプハウジング内のポンプ室に、電動モータのロータ軸で回転駆動するポンプインペラが収容されている。(下記の図を参照)

電動燃料ポンプ装置の構成図
樹脂製シリンダーヘッドカバーの構成図

 ポンプハウジングを構成する外側ハウジングと内側ハウジングには、アルミ合金を採用し、ポンプインペラは強化繊維入りのPPS樹脂にすることで、電動燃料ポンプ装置の軽量化を図っている。
 特に、ポンプインペラは樹脂製にすることで、その慣性モーメントが小さくなりポンプ特性の立ち上がりを良好にすることができる。
 また、強化繊維入りのPPS樹脂は、ポンプインペラの強度を高め、さらに燃料によるポンプインペラの膨潤を防ぐことができる。

■参入企業とメーカーシェア(2003年:日本企業の販売数量ベース)

メーカー名 販売数量ウェイト(%)
デンソー 44
愛三工業 26
日立ユニシアオートモティブ 17
三菱電機 10
その他 3
合 計 100
出所:富士キメラ総研

デンソーは、中国広州市で2004年7月に設立した新会社「電装有限公司(広州市南沙)」において、ガソリン車用の燃料噴射装置を2005年末から生産を開始する計画である。生産品目はフューエルポンプとインジェクターであり、燃焼効率を向上と排出ガス浄化、燃費の向上を目指している。

その他のメーカーには京三電機などが参入している。

■今後の動向

自動車の軽量化や生産ラインの簡素化を実現するため、今後、燃料ポンプと周辺部品を一体化した燃料ポンプモジュールが普及していくと考えられる。燃料ポンプモジュールに改良するメリットは、燃料のリターンレス化によってシステムコストの削減を図ると共に、燃料タンク内の蒸発ガソリン量の低減を挙げている。

参考文献:「2004年版 自動車部品マーケティング便覧」
(2004年4月21日:富士キメラ総研)


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