インストルメントパネルの市場動向

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インストルメントパネル(インパネ)はスピードメーター等の計器類、オーディオ、エアコンデフロスター、グローブボックス、助手席エアバック等を収納する内装部品であり、衝突時の安全性を確保する役割としても重視されている。

インパネは目に付きやすい正面に位置しており、車室内のデザイン性の観点から重要な要素になるため、自動車メーカーにおいて内製比率が高い製品となっている。

■インストルメントパネルにおける使用材料の特徴

使用材料 2003年の材料シェア(%)
PP 75
TPO 10
PVC 10
その他 5
合 計 100
出所:富士キメラ総研

インパネは表皮材、クッション材、基材から構成される。ソフト感、質感が必要とされる乗用車では、表皮材にはPVC/ABSシートの真空成形品又はPVCパウダースラッシュ成形品が使用され、クッション材にはPP又は半硬質ウレタンフォームを使用し、基材にはABS−GF、AS−GF、PP−GFが主に採用されている。

軽自動車やトラックなどではABSやAS−GF等、基材単体の射出成形品が採用されており、生産コストが低く抑えられ、しかも軽量である。

塩化ビニル等の塩素含有材料が環境に悪影響を及ぼすことから、その材料シェアは10%に低下している。インパネを含む自動車の内外装部品やシート材料には、ポリプロピレンやオレフィン系(TPO)の新素材が使用されている。

近年ではリサイクルの側面から、PVCパウダースラッシュ成形品からPPを中心にしたポリオレフィン(TPO)系材料へ移行している。

インパネの裏面にダクト部材を溶着させ、空調ダクト(箱断面形状)を加工したインパネ構造において、インパネ素材として界面破壊が生じる量のポリスチレン(PS)を含んだ変性ポリフェニレンオキサイドアロイ(変性PPO)と、ダクト部材(PS系材料)の両者を溶着させた場合、両者は完全に溶けて混じり合うことがないので、溶着強度を低く抑えることができる。(従って、乗員がインパネに対して衝撃荷重を加えた 場合、溶着部が界面破壊を起こし乗員の衝撃エネルギーを吸収することができる。)

■市場規模推移及び予測(2003〜2008年:ライン純正+市販輸出・補修)日本企業の販売数量ベース

(単位:千台、%)
  2003年 2004年
見込
2005年
予測
2006年
予測
2007年
予測
2008年
予測
ライン純正 10,290 10,345 10,320 10,330 10,330 10,290
前年比 100.5 99.8 100.1 100.0 99.6
市販輸出・補修 20 20 20 20 20 19
前年比 100.0 100.0 100.0 100.0 95.0
合 計 10,310 10,365 10,340 10,350 10,350 10,309
前年比 100.5 99.8 100.1 100.0 99.6
出所:富士キメラ総研

インストルメントパネルは国内の自動車生産台数にリンクした市場構造となっている。2003年のインストルメントパネル市場(ライン純正+市販輸出・補修)は、前年比0.3%増の1,031万台となり、金額では646億円の市場規模を形成している。2005年以降の販売数量は微減又は横ばい傾向で推移しており、2008年は646億円(2003年比100.0%)と予測している。

完成車メーカーからのコスト削減要求が求められている中、部品点数や組付け工程の削減に連動し、コックピットモジュールの納入比率が増加傾向にある。

■参入企業とメーカーシェア(2003年:日本企業の販売数量ベース)

メーカー名 販売数量ウェイト(%)
豊田合成 14
カルソニックカンセイ 9
西川化成 6
水菱プラスチック 6
その他 65
合 計 100
出所:富士キメラ総研

トヨタ系の豊田合成、東海理化、小島プレスが共同でグローボックス等を組み込んだインパネモジュール を開発し、RV、セダン共に納入を開始している 。

日産系のカルソニックカンセイは、空調システム、エアバック、メーター、コントロールスイッチなどを組み込んだコックピットモジュールを開発、量産車種だけでなく一部スポーツカーにも採用されている。

マツダではオーディオと空調パネルを一体化したインパネを開発し量産車に搭載している。

西川化成は、パウダースラッシュ表皮材や真空成形表皮材を使用したウレタン注入成形品、射出成形品にソフトフィール塗装から材着色射出成形などの、インストルメントパネル工法を保有している。

その他のメーカーはトヨタ自動車等の完成車メーカーの内製、三ツ星ベルト、日立化成工業、イノアックコーポレーション、八千代工業等が含まれている。特に、スズキ、ダイハツ工業は内製比率が高くなっている。

しげる工業はインパネ生産能力(2005年11月では月産15,000台)を、5割程度増産する計画である。2005年末から段階的に生産規模を引き上げる。ダイハツ車体(ダイハツ工業の生産子会社)の増産に対応している。しげる工業は、ハイゼット(ダイハツ車体が生産する軽商用車)を中心に、メーターやエアコン操作部を組込んだインパネを供給する。

■今後の動向

インパネを含む内装部品の開発では、組立工数や部品点数の削減が進んでおり、同時に部品の統合・モジュール化も進められている。特に、カルソニックカンセイではコックピットモジュール、フロントエンドモジュールの納入比率が増加傾向にあり、システムサプライヤとして明確な戦略をとっている。

完成車メーカーは内装を外装同様に重視する傾向が高まっており、特にコックピット回りは車室内の雰囲気を決定する重要な要素となっている。

参考文献:「2004年版 自動車部品マーケティング便覧」
(2004年4月21日:富士キメラ総研)


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