ラジエータグリルの市場動向

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ラジエータグリルはエンジンルームへの空気流入量を考慮することを目的に設計されており、自動車のフロントフェイスの一部分であり、デザイン面からも重要な部品として位置付けられている。

特に、最近では完成車メーカーによるフロントフェイスの統一デザイン化が進み、メッキ(クロム・ダーク・半光沢メッキ、部分メッキ)等の二次加工による質感や光沢度を増すための表面処理が重要になってきている。

■ラジエータグリルにおける使用材料の特徴

使用材料 販売数量シェア(%)
ABS 90
AAS/AES 8
アルミ合金 2
合 計 100
出所:富士キメラ総研

以前は鋼板やアルミ合金が採用されていたが、トラック等を除き殆どが汎用熱可塑性樹脂に代替している。

今後は、使用材料の統一が進んでいくと考えられPPやPC樹脂に替わり、高輝性のある商品製作が可能なABS樹脂が今後も使用されていくと思われる。PC樹脂などエンプラを使用したラジエータグリルの需要は減少傾向にある。

成形加工や塗装材料面からの改良アプローチは今後も進んでいくと思われる。

■市場規模推移及び予測(2003〜2008年:ライン純正 + 市販輸出・補修)日本企業の販売数量ベース

(単位:千個、%)
  2003年 2004年
見込
2005年
予測
2006年
予測
2007年
予測
2008年
予測
ライン純正 10,290 10,350 10,320 10,330 10,340 10,290
前年比 100.6 99.7 100.1 100.1 99.5
市販輸出・補修 20 20 20 20 20 20
前年比 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
合 計 10,310 10,370 10,340 10,350 10,360 10,310
前年比 100.6 99.7 100.1 100.1 99.5
出所:富士キメラ総研

2003年のラジエータグリル市場(ライン純正+市販輸出・補修)は1,031万個となり、その販売金額は432億円である。ライン純正が圧倒的に多くなっている。2008年は428億円(2003年比0.9%減)と予測している。(市販向けのドレスアップ用にフロントグリルとして販売されている製品もあるが、上記市場には含まれていない。)

完成車メーカーによるフロントフェイスの統一デザインが進められた結果、バンパーとの一体型モデルは見られるものの、グリルレスのモデル数は少なくなっている。

ラジエータグリルをはじめ、樹脂製品の自社・他社モデルを含む材料の統一や選別、加工プロセス、生産設備の改良によりコスト削減を図っていくものと思われる。

■研究開発・製品特性

企業名 技術開発 製品特性
トヨタ自動車 立体感が得られるラジエータグリルの格子開発技術  格子を備えているラジエータグリルは、格子全体にメタリック塗装を施した場合、光を乱反射するため格子全体にキラキラ感が出てしまい、立体感のある格子を開発することができなかった。
 同社は、樹脂基材を用いたラジエータグリルの格子において、立体感が得られるメッキ格子意匠部品の製造技術を開発している。そのメッキ格子意匠部品は、人に対面する格子前面と格子前面に連設する格子側面を持った格子が形成されている。
 その製造方法は、樹脂を基材とした格子意匠部品を用い、格子側面よりも格子前面に厚くなるように金属メッキ層を積層し、更に金属メッキ層にスモーククリア層を積層してメッキ格子意匠部品を製造している。
 このため、ラジエータグリル等のメッキ格子意匠部品の前方に位置する人に対して、格子の格子側面の光反射が抑えられ、格子側面は暗色気味に人に視認される。これに対して、格子のうち人に直接的に対面する格子前面は、光を高い光反射率で反射するため、集中的に輝くように視認される。
 従って、従来型メッキ格子意匠部品に比べて、ラジエータグリルの格子は立体感が一層高まり、ラジエータグリルの基材が樹脂であっても、格子の金属光沢感が高まり意匠性が向上する。
 ラジエータグリルの基材樹脂は、ABS、アクリル、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリウレタン等が適している。
 また樹脂を基材としたメッキ意匠部品はラジエータグリル以外には、アルミホイール、車両等のエンブレムやマーク、モール等が代表的である。

■参入企業とメーカーシェア(2003年:日本企業の販売数量ベース)

メーカー名 販売数量ウェイト(%)
豊田合成 20
橋本フォーミング工業 14
森六 9
サカエ理研工業 8
その他 51
合 計 100
出所:富士キメラ総研

ラジエータグリルの表面処理において「高光輝化」が要求される。豊田合成は光沢度を増すために表面処理技術の開発を進めている。

森六は本田技研工業との供給体制を主軸に、高品質化・高付加価値化・低価格化を追及している。また、積極的に複合材料などのデータを完成車メーカーに提供するなど、世界規模の営業展開を行っている。

その他のメーカーには、カルソニックカンセイ、ジー・ピー・ダイキョーなどが参入している。

■今後の動向

内外装部品と共に提案型部品が増えており、各部品メーカーは保有している加工・生産技術を駆使し、完成車メーカーに対して如何に商品を売り込むかによって供給量が変化している。

ラジエータグリルは完成車メーカーの顔とも言えるため、コストや耐久性だけでなく益々光輝感や深み感等も重要な部品選択の要素になっていく。

参考文献:「2004年版 自動車部品マーケティング便覧」
(2004年4月21日:富士キメラ総研)


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