透明遮音板の市場動向

マーケット情報TOP
透明遮音板は主に高架式高速道路に設置されており、都市部や景勝地などで金属パネル型防音板に替わって採用されている。透明遮音板は視界をさえぎらないこと(ドライバーへの閉塞感解消)、日照性や景観性に優れるなどのメリットを備えている。

■用途動向(2003年ベース)

用途 販売量ウェイト(%)
道路 96
鉄道、その他 4
合 計 100
出所:富士キメラ総研
透明遮音板は防音性と景観性、日照性を同時に実現する製品として、特に高架道路や景勝地を走る道路で設置されている。

鉄道分野での需要先は新幹線、駅及びその周辺地区において眺望性が求められる場所などに限定される。他には工場近隣の公共施設、住宅等があげられる。

■透明遮音板における材料特性

部材 使用部位 素材構成
透明板 PC樹脂、PMMA樹脂、ガラス
枠材 アルミニウム合金

透明板に使用される材料はポリカーボネートが主に採用されている。PC樹脂の持つ高い耐衝撃性、自己消化性など、道路資材としての安全性が評価されている。その他にはアクリル樹脂、ガラス等がある。

透明遮音板の透光板には透明性のほか、耐候性、耐擦傷性、表面平滑性などが求められ、エクステリアや採光板など建材分野で使用される材料より高い性能が要求される。

アクリルは光透過性や耐候性、耐擦傷性などに優れ、PCよりも大きなパネルが作れるため、ワイドパネル仕様の遮音壁は眺望性が優れているため採用増が期待されている。

近年、遮音壁に対する技術基準として、遮音性能、安全性、耐久性、リサイクル性の項目が重視されてきている。

■市場規模推移及び予測(2003〜2007年)日本メーカーの出荷量ベース

(単位:m2、%)
  2003年 2004年見込 2005年予測 2006年予測 2007年予測
販売数量 109,000 117,000 125,000 133,000 140,000
前年比 107.3 106.8 106.4 105.3
出所:富士キメラ総研
防音性に加え、景観性、日照性などを求める傾向が強くなっており、2003年の透明遮音板市場は10.9万m2となり、金額では22.5億円である。需要は増加傾向にあり、2007年は27.5億円(2003年比122.2%)に上昇すると予測している。

騒音対策ニーズは依然として高く、更に環境性 (日照面、景観性等) に対するニーズが高まる傾向にあるため、当該市場は防音壁市場に比べ高い成長率を示している。

■透明遮音板の新製品動向

積水樹脂はハイドロクリーン透明板(光触媒超親水性透明板)の販売を展開している。光触媒超親水性という、光触媒の働きで汚れをセルフクリーニングする機能を持たせた透明板である。高速道路、パーキングエリアなどで多くの施工実績をあげている。製品の概要は以下の通りである。
企業名 技術開発 製品特性
積水樹脂 光触媒超親水性透明板
「ハイドロクリーン透明板」
 ハイドロクリーン透明板は太陽光と雨水の力で、自動車の排ガスや粉塵などの汚れを自然に除去するセルフクリーニング機能(自浄防汚機能)を備えた透光型遮音板(透光板)である。
 超親水性機能により防汚機能と屋根面への雨水導水効果により道路面への防水効果、視野を確保する効果を併せ持っている。
 従来の透明板は、排気ガスや粉塵によって汚れが付着し、日照性や美観性を損ねていた。これらの課題を解決するため、同社のハイドロクリーン透明板は、光触媒による超親水化現象を利用して、付着した汚れをメンテナンスフリーで除去することを可能にしている。
 光触媒である酸化チタンは、太陽光などの紫外線が照射されると表面が超親水性状態を形成する材料である。例えば、光触媒にシリカやシリコーンなどを組み合わせて薄膜を形成し、光エネルギー(紫外線など)を与えると、その薄膜表面は水をはじかなくなる状態(水玉ができない超親水性状態)が持続し、表面に油性の汚れが付着しても、水が汚れの下にもぐり込みやすい状態をつくる。
【製品の特徴】
太陽光(紫外線を含む光)があたり、雨水が降り注ぐ場所では洗浄メンテナンスなしで透明板の汚れを除去できる。雨水があたらない場所では、水洗いで簡単に汚れの除去が可能である。
防曇・防滴機能が良好で視界を確保できる。

■参入企業とメーカーシェア(2003年国内ベース)

メーカー名 販売量シェア(%)
積水樹脂 28
日鐵建材工業 26
日本板硝子環境アメニティ 22
その他 24
合 計 100
出所:富士キメラ総研
上位3社は防音壁市場の大手メーカーでもある。積水樹脂は「ハイドロクリーン透明板」や光触媒コート品などを品揃えして、「快適な道路環境」の提案により実績をあげている。

金属パネルタイプの防音壁を扱うメーカーが、透明遮音板も品揃えしており、ユーザーニーズに合わせて、どちらでも対応できる体制を整えている。

■今後の動向

騒音対策ニーズが厳しくなる中、防音壁は防音対策資材として広く認知・普及しており採用が進んでいる。特に、防音効果と同時に景観性も優れている透明遮音板は着実に市場を拡大している。道路の建設数量が伸び悩み防音壁ニーズも低迷しているが、透明遮音板はその製品特性から需要を増加させている。

参考文献:「2004年 道路関連市場の現状と将来展望」
(2004年4月28日:富士キメラ総研)


戻る