道路防音壁用化粧板の市場動向

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道路用化粧板のパネルは「高架道路桁化粧パネル」と「防音壁の民地側化粧パネル」に分類される。
道路用化粧板のパネル 高架道路桁化粧パネル
(防音壁外装材は含まず)
本項の調査対象には含んでいない
防音壁の民地側化粧パネル 本項の調査対象とした
高架道路桁化粧パネルは、防音効果の低い景観性を求めたパネルであるため調査対象から除外した。高架道路桁化粧パネルの民間需要は第3セクター的な駅前再開発等が中心で、官需では歩道橋や交差点などの用途で利用されている。景気低迷の影響を受け景観機能のみの製品需要は僅かなものとなっている。

ここでは防音機能を持った「防音壁の民地側化粧パネル」を道路防音壁用化粧板と捉えその市場をまとめた。
 
■用途動向(2003年ベース)

用途 販売量ウェイト(%)
防音壁 100
合 計 100
出所:富士キメラ総研
道路防音壁用化粧板は高速道路の金属パネルタイプの防音壁に使用されている。金属パネル型防音壁需要の減少に伴い、同化粧板の需要は微減傾向を示している。
 
■道路防音壁用化粧板における材料特性

部材 使用部位 化粧パネルの主な素材構成
防音壁 化粧パネル 原板:亜鉛メッキ鋼板
化粧層:フッ素樹脂フィルム(PVDF、PVF)接着剤、塗料、吸音材
防音壁はパネルと支柱(H型鋼)から構成され、橋梁部は2mスパン、土工部は4mスパンが標準である。防音壁用化粧板に用いる原板は通常、亜鉛メッキ鋼板が使用されており、一部アルミニウム系の製品もあるが当レポートでは除外した。

道路防音壁用化粧板にはフッ素樹脂ラミネート鋼板が採用され、その化粧層にはフッ素樹脂フィルムが積層されている。樹脂フィルムには例えば、デュポンのテドラー「PVFフィルム」が太陽光線、酸化、腐食などに優れていることから化粧層に使用されている。以下の図はフッ素樹脂ラミネート鋼板(単色の場合)の断面図を示したものである。

道路防音壁用化粧板
 
■市場規模推移及び予測(2003〜2007年)日本メーカーの出荷量ベース

(単位:t、%)
  2003年 2004年見込 2005年予測 2006年予測 2007年予測
販売数量 5,800 5,650 5,500 5,400 5,300
前年比 97.4 97.3 98.2 98.1
出所:富士キメラ総研
2003年の道路防音壁用化粧板市場は 5,800t、12.5億円である。2007年は11.2億円(2003年比89.6%)と予測している。防音壁市場全体は横這い推移を示すものの、新設道路建設件数の減少、透明タイプの防音壁の採用増加などにより、金属パネル型防音壁市場は縮小傾向にある。そのため、道路防音壁用化粧板市場も縮小基調で推移すると見ている。
 
■道路防音壁用化粧板の製品動向

日鐵建材工業が販売している「サイレンスエス隠蔽型吸音パネル」の特徴は以下の通りである。
製品名 サイレンスエス隠蔽型吸音パネル
製品概要  同社の吸音パネルは吸音・遮音性能に優れ、風圧荷重に耐える設計になっている。H形鋼のフランジ間に吸音パネルを落とし込むだけで組立・施工が容易である。ボルトレスの外観になっており、正面板はアルミニウム板を採用している。背面板に「フロールボンド」を採用することにより、耐久性、耐候性が向上している。背面板は24色のカラーバリエーションが用意されている。フロールボンドは新日本製鐵の溶融亜鉛メッキ鋼板の表面に、デュポンのテドラー(PVFフィルム)を積層したフッ素樹脂ラミネート鋼板である。
パネルの構成材料と仕様 正面板:アルミニウム板、t=1.0mm
側面板:溶融亜鉛メッキ鋼板、t=1.6mm
背面板:フロールボンド金属板、t=1.6mm
背面板フィルム:フッ素樹脂フィルム(デュポン製テドラー)38μm
吸音材:グラスウール吸音ボード
吸音材保護フィルム:ETFE又はPVFフィルム、t=21μm
端部シール:クロロプレンゴム
 
■参入企業とメーカーシェア(2003年国内ベース)

メーカー名 販売量シェア(%)
日鐵建材工業 66
JFE鋼板 17
三菱樹脂 17
合 計 100
出所:富士キメラ総研
樹脂化粧鋼板メーカーが多数参入している中で、防音壁向けの化粧板を扱うメーカーは限られる。先発メーカーである日鐵建材工業がトップに位置付けられる。

2位のJFE鋼板は2004年4月に川鉄鋼板とエヌケーケー鋼板の事業を統合し、JFE鋼板を設立している。
 
■今後の動向

金属パネル型防音壁は騒音対策資材として広く認知され採用されているが、道路の建設件数が伸び悩んでおり、更に透明板タイプの防音壁への移行も一部あり道路防音壁用化粧板の需要は減少基調が続いている。
 
参考文献:「2004年 道路関連市場の現状と将来展望」
(2004年4月28日:富士キメラ総研)


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