橋面防水材の市場動向

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道路橋は、交通荷重や凍結防止剤(塩化ナトリウム)の散布、気象変化、自然環境の違いなどから、通常の道路に比べ損傷・劣化が早期に起こる傾向が高い。橋面防水材は雨水等の浸入を防ぐためにアスファルトと床版の間に施工され、床版の耐久性向上を目的としている。橋面防水材に求められる特性は、接着性(引張接着性、せん断接着性等)、ひび割れ追従性、耐久性、遮塩性能、耐舗設性能などである。

防水材の基本水準の向上(材料の高度化、施工技術のレベルアップ等)や防水材の普及などを目的に業界団体(高機能床版防水システム協会、床版アスファルト防水工業会)が設立されている。
 
■用途動向(2003年ベース)

用途分野 販売量ウェイト(%) 主な採用先
橋梁の床版 100 床版防水工事
合 計 100  
出所:富士キメラ総研
橋面防水材は全て橋面防水用に使用され、橋梁の新設時又は舗装打ち替え時に施工されており、改修時の施工がメインである。新設橋梁では防水工が施されているが、過去の橋梁は防水工が行われていないため、潜在需要が大きく橋面防水が注目されている。

橋面防水はシート状の防水材を床版に貼り付けるシート防水と、加熱又は溶剤により溶融した液状防水材料を床版に塗布する塗膜防水の2つに分類されるがアスファルト系シート防水の需要が多い。
 
■橋面防水材における材料特性

防水工の種類 主な使用素材・材料
シート防水 アスファルト、改質アスファルト乳剤、基材(ポリエステル不織布やガラス繊維、等)
塗膜防水 アスファルト、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、等
橋面防水に使用されているのはアスファルト系シート防水が中心である。他材料に比べ安価で実績が多い。シート系は基材のポリエステル不織布にアスファルトを含浸させた形態で使用されており、流し貼り工法が主に採用されている。

従来のアスファルト系に対して、アクリル系、ウレタン系などの樹脂系塗膜防水材が販売されている。アクリル系は橋面防水として採用実績は少ない。ウレタン系は耐久性や防水性など性能の高さは評価されているが、初期コストが上昇することから本格的な普及には至っていない。
 
■市場規模推移及び予測(2003〜2007年)日本メーカーの出荷量ベース

(単位:千m2、%)
  2003年 2004年見込 2005年予測 2006年予測 2007年予測
販売数量 2,600 2,800 3,100 3,600 4,000
前年比 107.7 110.7 116.1 111.1
出所:富士キメラ総研
2003年の橋面防水材市場は260万m2となり、金額では36億円である。2007年は53億円(2003年比1.47倍)に上昇すると予測している。高機能舗装の採用増、路面凍結防止剤使用量の増加など、道路橋の使用環境は年々厳しくなっており、橋梁をつくり替えるのではなく延命化することが重要になっており、床版の耐久性を確保するために橋面防水材の需要が増加している。
 
■研究開発・技術動向

企業名 技術開発 技術特性
ニチレキ 防水層の損傷を防止し、舗装層との接着力が強い橋面防水構造を改良
 従来、道路橋、高架道路橋、高架駐車場、屋上駐車場等、床版上の舗装工事は、舗装に先だって床版上に防水層を構築した後で舗装するのが通例である。このような段取りで行うのは、舗装を浸透する雨水等によって、床版面の発錆や腐食を防止(鋼床版の場合)したり、床版内の鉄筋及びコンクリートに対して水による劣化を防止(コンクリート床版の場合)するためである。
 同社は、防水層と舗装層との間に保護層を設け、保護層と舗装層との間にカップリング層を備えた橋面防水構造(構築方法)を開発・改良した。

【橋面防水構造の断面図と使用材料】
橋面防水構造の断面図

 防水層の、シート防水材は天然繊維や合成繊維の不織布や織布を基材とし、これにアスファルト系の防水材を含浸した材料などが使用されており、合成繊維材料にはポリエステル繊維などが適している。
 ニチレキ製の「カチコートR」は、コンクリート床版上で使用されるアスファルト防水の溶剤型接着剤である。
 
■参入企業とメーカーシェア(2003年国内ベース)

メーカー名 販売量シェア(%)
ニチレキ 58
東亜道路工業 12
昭石化工 12
その他 18
合 計 100
出所:富士キメラ総研
参入メーカーはアスファルト乳剤や防水メーカーが中心であり、施工も合わせて展開している。アスファルト系シート防水を得意とするニチレキがトップシェアを占める。2位はアスファルト乳剤最大手の東亜道路工業が続く。ウレタン系では三菱化学産資「ノバレタンES」の製品評価が高い。

その他にはアオイ化学工業、東和工業、静岡瀝青工業など多くの企業が参入している。
 
■今後の動向

既存の橋梁を長期間使用するため橋面防水工事を行ない、床版の延命化を図る動きが活発化している。高度成長期に建設された築40〜50年経つ橋梁が急増するため、今後改修をメインとする需要が増加していく。
 
参考文献:「2004年 道路関連市場の現状と将来展望」
(2004年4月28日:富士キメラ総研)


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