中国・アジアのプラスチック市場規模を2008年まで予測 (総論)

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〜アジアにおけるプラスチック(汎用樹脂・エンプラ合計16品目)の販売量は、2008年には7,344万t(2003年比1.31倍)に拡大。特に、汎用エンプラ・スーパーエンプラ9品目は、2008年に367万t(同1.57倍)に拡大すると予測〜
■中国・アジアにおける汎用樹脂・エンプラの市場概要
中国・アジア市場の拡大は世界経済に大きな影響を及ぼしており、汎用樹脂・エンプラの主要な需要拠点としてその成長が期待されている。また中国国内では2008年北京オリンピックや2010年の上海万国博覧会を控え、大規模な開発が推進されている。

汎用樹脂(7品目)のアジア市場は5,354万t(2003年)となり、2008年には6,977万t(2003年比1.30倍)に上昇すると予測している。2003年アジア市場においてHDPE、LDPE、PP、PVCの4樹脂の販売量を合計すると83.6%(4,474万t)を占める。

一方、PCは代表的なエンプラとしてアジア市場で幅広く使用され、特に光メディアや電気電子・OA機器用途で、PA6はフィルム製品用途、PA66は自動車部品、電気電子部品の素材原料として消費されている。

POMはアジアでは電気電子機器用途のウェイトが大きい。日本では2003年以降自動車部品の燃料系モジュールに採用されている。PBTはメインの自動車部品以外にはフィルム用途の需要拡大が顕著である。

■中国・アジアの市場規模予測 (2003、2006、2008年)

●アジアにおける汎用樹脂とエンプラの市場比較 単位:千t
区分\年次 2003年 2006年予測 2008年予測 伸長率
08/03年
増加量
08−03年
汎用樹脂(7品目) 53,535 63,195 69,765 130.3% 16,230
エンプラ(9品目) 2,344 3,076 3,671 156.6% 1,327
合計(16品目) 55,879 66,271 73,436 131.4% 17,557
出所:富士経済
アジア市場における2008年の汎用樹脂(7品目)の需要量は、6,977万tであり、その伸長率は130.3%(2003年比)である。それに対してエンプラ(9品目)の伸長率は同156.6%で汎用樹脂よりも高い伸長率を示している。

2003年のアジアエンプラ市場(9品目)の販売数量は234.4万tとなり、金額ベースでは8,855億円である。5年後の2008年には367.1万t(2003年比1.57倍)に上昇すると推定している。金額では1兆5,931億円(2003年比1.80倍)に拡大すると予測している。

但し、汎用樹脂はHDPE、LDPE、PP、PVC、PS、ABS、PMMAの7品目が対象。
調査対象の汎用エンプラ・スーパーエンプラは以下の9品目である。
汎用エンプラはポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA6、PA66)、ポリアセタール(POM)、変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、GF-PET樹脂の7品目が対象。
スーパーエンプラはポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)の2品目が対象。

●アジアにおける汎用樹脂/エンプラの需要構成  
区分\年次 区分 2003年 2006年予測 2008年予測
汎用樹脂(7品目) 需要量 53,535t 63,195t 69,765t
構成比 95.8% 95.4% 95.0%
エンプラ(9品目) 需要量 2,344t 3,076t 3,671t
構成比 4.2% 4.6% 5.0%
合計(16品目) 需要量 55,879t 66,271t 73,436t
構成比 100.0% 100.0% 100.0%
出所:富士経済
2003年の汎用樹脂(7品目)とエンプラ(9品目)の構成比は95.8対4.2であるが、その後2008年には95対5となりエンプラの需要比率の上昇を予見している。

アジアエンプラ市場の拡大につながる要因として、PCの場合は光学、電気電子機器、自動車など需要の裾野が広いことや、PAは自動車分野で、PBTは自動車、電気電子部品用途、POMは電気電子部品用途での需要増を指摘している。

■中国・アジアの樹脂別地域別エンプラ需要 (2003年、2008年)

●アジア(日本、中国、その他のアジア)におけるエンプラ需要動向 単位:千t
  2003年市場 2008年市場
種類\地域 日本 中国 他の
アジア
アジア
合計
日本 中国 他の
アジア
アジア
合計
PC 244 400 400 1,044 286 914 555 1,755
PA6 125 70 101 296 149 146 122 417
PA66 67 52 50 169 71 109 59 239
POM 83 150 100 333 88 309 112 509
m−PEE 42 40 38 120 37 86 42 165
PBT 112 90 95 297 144 176 121 441
GF−PET 10 20 10 40 11 35 10 56
PPS 17 6 7 30 22 13 8 43
LCP 6 6 3 15 12 29 5 46
9品目合計 706 834 804 2,344 820 1,817 1,034 3,671
構成比 30.1% 35.6% 34.3% 100.0% 22.3% 49.5% 28.2% 100.0%
出所:富士経済
青い箇所は、3地域の中で最大の需要地域を示す。
但し、その他のアジアは、台湾、韓国、ASEAN(タイ、マレーシア等)、インド、 その他が対象。
 
アジアのエンプラ市場を大きく3地域(日本、中国、他のアジア)に分割し、需要動向の分析を行った。2003年の日本市場において最も需要が多いエンプラは、PA6、PA66、m−PPE、PBT、PPS、LCP(網掛け箇所)である。その後2008年にはPA6、PPSを除き、エンプラ需要の中心は中国市場にシフトしていく見通しである。

【2003年市場】
2003年のアジアエンプラ市場(3地域)は、日本が30.1%、中国が35.6%、他のアジアが34.3%となり、これらの3地域がほぼ30%台で並んでおり、この3極がアジアのエンプラ市場を形成している。

一方、先行しているPCの需要量は日本が24.4万tに対して、日本以外のアジア(中国と他のアジアが共に40万t)市場は80万tに急増している。

また234.4万tのアジアエンプラ市場の中で、PC需要は44.5%(104.4万t)を占有し、エンプラ市場を牽引している。

【2008年市場】
2008年のアジアエンプラ市場(3地域)は、中国(49.5%)が半数近くを占め、残りを日本(22.3%)と他のアジア(28.2%)が2分する市場構造に移行すると推定している。

また、2008年の中国市場はPC を中心としてPA66、POM、m−PPE、PBT、GF−PET 、LCP(青い箇所)の需要拡大に注目が集まっている。(需要の中心が、日本から中国に移行したエンプラはPA66、m-PPE、PBTが挙げられる)

参考文献:「2005年 中国・アジアプラスチック市場の現状と将来展望」
(2004年10月29日:富士経済)


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