ドライフィルムレジスト(DFR)の市場動向

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ドライフィルムレジスト(DFR)は、片面・両面・多層基板の回路形成に使用されるフィルム状のエッチングレジストである。感光性樹脂をフィルム化し、ベースフィルムと保護フィルムの間に挟み込んだ構造になっている。

用途の大半はプリント配線板(PWB)向けであり、PWBの需要及びその末端機器の動向が、DFR需要に大きな影響を及ぼしている。

■用途動向(2004年見込 世界需要)

用途名 販売量ウェイト(%) 具体的用途例
多層板 56 携帯電話、ノートパソコン
片面・両面板 25  
FPC 14 携帯電話、ノートパソコン、デジタル機器
その他 LCD、PDP用
合 計 100  
出所:富士キメラ総研
DFRは配線基板のエッチング工程をメインに、テンティングやめっき工程で使用される。

DFRをウェットエッチング法で使用する場合、銅張積層板などの金属上にDFRをラミネートし、露光、現像により設計したレジストパターンを形成後、対象とする金属を溶解するための酸性溶液等でエッチングを行い、微細な配線パターンなどを得ることができる。

片面・両面板向けのウェイトが減少している反面、携帯電話やノートパソコンなどの需要増を背景にFPC(フレキシブルプリント配線板)向けの需要比率が国内、アジア地域を中心に上昇傾向にある。

国内ではICパッケージやPDP向けの高付加価値品の製造に使用され、海外ではプリント配線板などの汎用品の製造に使用されている。

■機能性高分子フィルムの材料特性

使用部材の素材構成 (2004年見込 世界需要ベース)
構成部材名 使用樹脂・素材名 使用素材の重量構成(%) 備考(採用理由、等)
感光層 フォトレジスト 46  
ベースフィルム PETフィルム 29 光透過性、均一性
保護フィルム PEフィルム 25 均一性、柔軟性
合 計 100  
出所:富士キメラ総研
使用素材の重量換算基準
(感光層:約40g/m2、PETフィルム:約25g/m2、PEフィルム:約20g/m2
2004年における感光層の厚さは40μmであるが回路基板のファインピッチ化に伴い、30〜25μm、又は15μm厚のニーズが要求されている。ベースフィルムには光透過性に優れているPETフィルム、保護フィルムにはPEフィルムが用いられている。

■市場規模推移及び予測(2004〜2008年)世界需要

単位:1000m2、%
年次 2004見込 2005予測 2006予測 2007予測 2008予測
国内販売数量 86,000 87,000 89,000 91,000 93,000
前年比 101.2 102.3 102.2 102.2
海外販売数量 493,000 520,000 550,000 583,000 610,000
前年比 105.5 105.8 106.0 104.6
世界市場 579,000 607,000 639,000 674,000 703,000
前年比 104.8 105.3 105.5 104.3
出所:富士キメラ総研

DFRはその主用途がPWBやFPCの回路形成用エッチングレジストとして使用されているためその需要動向は、回路基板及びその末端機器の需要特性、技術動向(多層化等)に影響される傾向が強い。

2004年(見込)の世界市場は5億7,900万m2、販売金額は882億円と推定される。2008年の販売金額は1,033億円に達すると予測している。


■参入企業とメーカーシェア(2004年見込 世界需要)

メーカー名 販売量シェア(%) 主な製品名
日立化成工業 29 フォテック
長興 28  
旭化成エレクトロニクス 17 サンフォート
デュポン 10 リストン
その他 16  
合 計 100  
出所:富士キメラ総研
トップの日立化成工業が販売量1億 7,000万m2を販売し全体の3割弱を占めている。同社は「日立化成工業有限公司」(中国・東莞)に増資を行い、2003年4月から塗工設備(5,000万m2/年)が稼働している。

2位の長興(台湾メーカー)は、ここ数年中国市場向けを中心にシェアを伸ばしている。

旭化成エレクトロニクスは、中国でFPC用DFRを大幅に増強している。2003年5月に稼働した蘇州の生産拠点に新ラインを導入するなど、汎用品は蘇州に生産を集約することでコスト競争力を高めている。

その他のメーカーには、ニチゴー・モートン(製品名:ALPHO)、東京応化工業(同:オーディルシリーズ)などが参入している。

■今後の動向

回路基板のファインパターン化の進展に伴い、DFRの微細化対応の限界が指摘されるなど、一部、液状レジストへのスイッチが懸念される。今後、DFR市場はPWB/FPC及びその末端製品の需要動向に影響を受けながら、堅調な需要拡大が予測される。

参考文献:「2005年版 機能性高分子フィルムの現状と将来展望」
(2004年11月30日:富士キメラ総研)


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