反射防止(AR/LR)フィルムの市場動向

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反射防止フィルムは、AR (Anti Reflective)/LR (Low Reflective)フィルムを対象としている。ARフィルムは主にCPT、CDT、PDP光学フィルター等に貼り画面の表面反射や映り込みを抑える製品である。LRフィルムは低屈折率の材料を塗布(単層)して反射率を1%台にした製品である。

反射防止機能を付与するには、コーティングフィルムを貼る以外に、CRTガラス表面や偏光板原反、LCD保護パネルのアクリル樹脂板に直接ドライコート(蒸着又はスパッタリング)或いはウェットコート処理を施す方式がある。

ここではPETフィルムやTACフィルムをベースとしたAR/LRフィルムや偏光板原反に直接スパッタリングされた製品を対象としている。液晶モニター/液晶TVで使用されているアクリル保護プレート(ディッピングとダイレクトスパッタ)は除外している。

■用途動向(2004年見込 世界需要)

用途名 販売量
ウェイト(%)
具体的用途例
反射防止+低反射用 39 TVが中心
PDP 33 Agスパッタ仕様で両面処理、Cuメッシュ、ファブリックメッシュでは片面処理
クリアハードコート
+低反射用
18 TVチューナ付PC、モニター( CRTライク)
その他 10 CDT(モニター用CRT)、CPT(TV用CRT)、他
合 計 100  
出所:富士キメラ総研
反射防止+低反射用及びCHC(クリアハードコート)+低反射用等のLCD偏光板用途が6割弱を占める。

AR+LR処理はノートPCで多く採用されていたが、近年ではTV中心に加工されている。クリアLRはTVへの採用は少なくPC向けに採用が進んでいる。

■機能性高分子フィルムの材料特性

使用部材の素材構成 (2004年見込 世界需要)
使用部材名 使用樹脂・素材名 使用素材の
重量構成(%)
備考(採用理由、等)
ベースフィルム TAC 60 耐熱性、寸法安定性、低コスト
PET 26 光学特性、偏光板保護材料
その他 14 無機系導電材料、有機材料、他
合 計 100  
出所:富士キメラ総研
LCD偏光板用反射防止フィルムにはTACフィルムが多く採用されており、LCD用途でPETフィルムを使用しているのはタッチパネルやタブレットの一部である。PDP用途では当初、TACフィルムが使われていたが、近年はPETフィルムの採用が多くなっている。

コーティング形態は多層コートが基本であるが、ハードコート、導電性付与など各種の要求グレードによって異なってくる。反射防止材として、有機系ではフッ素樹脂、無機系ではSiO2やITOがコートされている。

■市場規模推移及び予測(2004〜2008年)世界需要

単位:1000m2、%
年次 2004見込 2005予測 2006予測 2007予測 2008予測
国内販売数量 11,360 17,250 25,520 33,010 40,370
前年比 151.8 147.9 129.3 122.3
海外販売数量 2,210 4,670 8,990 14,470 21,400
前年比 211.3 192.5 161.0 147.9
世界市場 13,570 21,920 34,510 47,480 61,770
前年比 161.5 157.4 137.6 130.1
出所:富士キメラ総研
※設定重量の換算基準:フィルム厚さは188μm、基材を260g/m2、トータルで300g/m2として換算
反射防止(AR/LR)フィルムの世界市場(2004年見込)は 1,357万m2(前年比187.4%)、284.4億円と見込んでいる。PDP光学フィルター、LCD用偏光板の需要増が顕著であり、2008年は771億円と予測している。

従来主力であったCDT、CPTなどのCRT(Cathode Ray Tube:ブラウン管)用途の需要が減少しており、LCDやPDP用途への代替が進んでいる。

■参入企業とメーカーシェア(2004年見込 世界需要)

メーカー名 販売量シェア(%)
日東電工 33
日本油脂 24
大日本印刷
富士写真フイルム
その他 25
合 計 100
出所:富士キメラ総研
日東電工は自社製品の偏光板向けに内製を行っており大きなシェアを占めている。同社はAG+LR、CHC+LRの両分野でトップシェアを持つ。2位の日本油脂はPDP用途ではトップシェアを獲得している。

その他のメーカーには、凸版印刷、住友大阪セメント、日本化薬、日産化学工業などが参入している。

■今後の動向

近年、LCDやPDP関連のディスプレイ需要が急速に拡大しており、当該市場は3年間(2001〜2004年まで)の平均成長率(数量ベース)は69.6%と極めて高い値を示している。

PDP業界の成長率は光学フィルターの生産台数(PDP-TVの生産台数)にほぼ比例しており、今後、液晶TVではローヘイズのAG/LR(一部クリアLR)、モニターやノートPCではAG/LRとクリアLRが採用率を高めていく。

参考文献:「2005年版 機能性高分子フィルムの現状と将来展望」
(2004年11月30日:富士キメラ総研)


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