PIフィルムの市場動向

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PI(ポリイミド)フィルムは、高耐熱性、機械的強靱性、電気特性に優れており、主にFPC(フレキシブルプリント配線板)向け基板材料やTAB(Tape Automated Bonding)テープの基材フィルム、回路基板周りの絶縁材料として使用されている。

PI は一般的に、酸二無水物と芳香族ジアミンの2モノマーを付加縮合反応させ、ポリアミック酸(ポリイミドの前駆体)が合成されている。この溶液をイミド化反応させた後に、キャスティング法でフィルムに加工している。

■用途動向(2004年見込 世界需要)

用途名 販売量
ウェイト(%)
具体的用途例
FPC用 82 FCCL基板材料
TABテープ 12 TCP(Tape Carrier Package)実装、
COF(Chip on Film)実装
その他 回路基板周りの電気絶縁材料、ICパッケージ材料
合 計 100  
出所:富士キメラ総研
PIフィルムは、その優れた絶縁性と高耐熱性、低誘導性から、金属箔(銅箔など)と積層したフレキシブル回路基板用のベースフィルムに利用されている。その他にはTABテープ用途が続いている。

3層FCCL(Flexible Copper Clad Laminates)には全て、PIフィルムがベース材に用いられている。2層FCCLでもラミネート法(三井化学、宇部興産、松下電工、等)、スパッタリング・めっき法(住友金属鉱山、東レフィルム加工、デュポン、等)で製造されるFCCLには、PIフィルムが使用されている。

(3層)TABテープには、宇部興産の「ユーピレックス-S」が標準製品としてほぼ 100%供給されている。COFタイプの2層TABテープ向けには、屈曲性に富む東レ・デュポンの「カプトン」が適している。

■機能性高分子フィルムの材料特性

使用部材の素材構成 (2004年見込 世界需要)
使用部材名 使用樹脂・素材名 使用素材の
重量構成(%)
備考(採用理由、等)
基材フィルム ポリイミド 100 高耐熱性、絶縁性、低誘電特性
合 計 100  
出所:富士キメラ総研
PIフィルムの2次加工品には、粘着テープや蒸着加工フィルムなどが挙げられる。例えば粘着テープは、日東電工「†360UL」や中興化成工業「AP1-111」」が取扱っており、主にLiイオン2次電池の電極絶縁用途や部品実装リフロー工程などの分野に応用されている。

■市場規模推移及び予測(2004〜2008年)世界需要

単位:t、%
年次 2004見込 2005予測 2006予測 2007予測 2008予測
国内販売数量 2,920 3,450 3,900 4,300 4,700
前年比 118.2 113.0 110.3 109.3
海外販売数量 900 950 1,000 1,030 1,070
前年比 105.6 105.3 103.0 103.9
世界市場 3,820 4,400 4,900 5,330 5,770
前年比 115.2 111.4 108.8 108.3
出所:富士キメラ総研
PIフィルムの生産は日系メーカーとデュポンが対応している。また、需要先であるFPC向けフレキ材料の使用比率が7〜8割と高く国内需要の割合が大きい。

2004年(見込)の世界市場は3,820tで販売金額は556億円である。2008年は販売量 5,770t、販売金額は760億円に達すると推定している。海外では米国・デュポンが北米、欧州エリアを中心に販売展開している。

海外市場では日系FPCメーカーの海外進出(海外生産)に伴い、東南アジアで需要が拡大しつつある。

■参入企業とメーカーシェア(2004年見込 世界需要)

メーカー名 販売量シェア(%) 製品名
カネカ 37 「アピカル」シリーズ
東レ・デュポン 28 「カプトン」シリーズ
デュポン 20 「カプトン」シリーズ
宇部興産 15 ユーピレックス-S
合 計 100  
出所:富士キメラ総研
カネカ(米国・カネカハイテックマテリアルズを含む)は1,430tを販売し首位につけている。2位の東レ・デュポンは、2005年に年間生産能力が1,775t体制になる見込である。

宇部興産の「ユーピレックス-S」は(3層)TABテープ用途では圧倒的なシェアを持つ。

■今後の動向

PIフィルムはその多くがFPC向けの基板材料に使用されている。FPCは、その薄型・軽量性、折り曲げ特性などからエレクトロニクス関連機器、デジタル家電の好況を背景に需要が旺盛である。

フレキシブル基板材料は、携帯電話、デジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラのマザーボード、LCDドライバなどに多用されており、これらの製品需要が好調なことから、PIフィルムの需要も順調に推移すると思われる。

参考文献:「2005年版 機能性高分子フィルムの現状と将来展望」
(2004年11月30日:富士キメラ総研)


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