方向性(直線カット性)フィルムの市場動向

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方向性フィルムは、縦方向(MD:Machine Direction)又は横方向(TD:Transverse Direction)に直線カット性を持たせたフィルムである。フィルム自体に機能を付与しているため、ラミネート包材の基材フィルムを替えるだけで包材に直線カット性を持たせ、開封性を格段に良くすることができる。

当該フィルムは一定方向にまっすぐ引き裂くことができるフィルムとして、食品や医薬などの分野で、易開封性を特徴として採用が増加している。その背景には、誰でも開けやすいパッケージであり、バリアフリーやユニバーサルデザイン及びPL法対策の観点から評価されているからである。

■用途動向(2004年見込 国内需要)

用途名 販売量
ウェイト(%)
具体的用途例
食品包装 58 ひねり包装(キャンディ、米菓、チーズなど)、菓子、レトルト・ボイル食品、調味料、水産・畜肉加工品、他
コイン包装 13 コイン(1円、10円、100円等)用
テープ包装 段ボール開封用テープ、粘着テープ、他
その他 21 医療用包材、タイヤ包装、電線束ね材等
合 計 100  
出所:富士キメラ総研
方向性フィルムは食品分野のひねり包装に多く使用され、食品包装の3割はひねり包装と推定される。

直線カット性が必要とされる食品としては、ケーキやクッキーのように崩れやすい菓子類、一口羊羹や袋に入った生味噌(タイト包装)などが挙げられる。

テープ用途の段ボール開封用テープ(段ボール箱の内側に開封用テープを貼り、開ける際にこのテープを外から引っ張ると、段ボールがきれいに開封できる)では、縦方向への強さが利用されており、粘着テープでは横方向の手切れ性の良さが活かされている。

■機能性高分子フィルムの材料特性

使用部材の素材構成 (2004年見込 国内需要)
使用部材名 使用樹脂・素材名 使用素材の
重量構成(%)
備考(採用理由、等)
基材フィルム
その他
縦一軸PO 66 PE:ひねり特性、MD方向への強度、等
PP:MD方向への強度、透明性、等
PET 11 耐ピンホール性、耐落袋性、耐圧強度、衝撃強度、耐熱性、機械的強度、等
ONY 10 加工性・仕上がり性が良好
OPP 耐熱性、寸法安定性、機械的強度、等
横一軸PE TD方向への強度、コシの強さ、不透明等
合 計 100  
出所:富士キメラ総研
使用されているフィルムの種類は、縦一軸延伸PO(HDPE、PP)、横一軸延伸HDPE、OPP、ONY、PETなどが挙げられる。採用量が最も多いのは、キャンディやお菓子などのひねり包装に使用されるPE(縦一軸延伸)である。

包装材料に直線カット機能を付与する場合は、縦一軸HDPE/PP、横一軸HDPEは基材とシーラント層の間に使用され、OPP、ONY、PETは基材として利用できる。

年々、使用ウェイトが拡大しているのはPETとONYである。両フィルムはボイル・レトルト食品などに使用され、温めた後の開封時に、内容物の飛び出しによるやけど防止などに効果があり採用が増えている。

■市場規模推移及び予測(2004〜2008年)国内需要

単位:t、%
年次 2004見込 2005予測 2006予測 2007予測 2008予測
販売数量 7,800 8,100 8,400 8,700 9,000
前年比 103.8 103.7 103.6 103.4
出所:富士キメラ総研
2004年の方向性フィルム市場は7,800t、48億円規模と推定される。市場の6割強を占める縦一軸延伸POは、ひねり包装をメインに販売されている。また、需要先の市場は成熟化が進んでいるため、大きな伸びは期待しにくい。2008年は9,000t、55億円(2004年比1.15倍)と予測している。

新規には採用されにくい面はあるが、一度使用されるとその後も使い続ける傾向があるため、2005年以降、年率3〜4%程の成長率で推移するとみている。

■参入企業とメーカーシェア(2004年見込 国内需要)

メーカー名 販売量シェア(%)
三井化学プラテック 59
ユニチカ 15
東レ
その他 17
合 計 100
出所:富士キメラ総研
三井化学プラテック(ハイシート工業と合併し、2005年4月に三井化学ファブロに社名を変更した)がトップである。同社の製品は腰が強く剛性があり、デッドホールド性があることから、ひねり包装やコイン包装用途を中心に展開している。

ユニチカはPETとONY品を扱っておりPETが主体である。東レは横方向に直線カット性を持つOPPフィルムを扱い、食品用途で主に採用されている。その他のメーカーには出光ユニテック、電気化学工業などが参入している。

■今後の動向

切り易い、食べ易い、安全性という観点から、方向性フィルムに対する注目度は高く、話題性は豊富であるが、包材のコストアップになることから採用に結びつかない状況もある。

易開封性の観点から、直線カット性はあった方が良いという認識が一般的であるため、潜在需要は大きいと推定される。

参考文献:「2005年版 機能性高分子フィルムの現状と将来展望」
(2004年11月30日:富士キメラ総研)


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