透明蒸着フィルムの市場動向

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透明蒸着フィルムは無機物を真空中で蒸発させ、基材フィルムの上に薄膜を形成した製品であり、透明な蒸着層が形成されることによりガスバリア性、水蒸気バリア性、保香性を発揮するバリアフィルムである。種類はアルミナ蒸着、シリカ蒸着、二元蒸着の3種類がある。

アルミ蒸着フィルムと異なり金属を使用しないため、電子レンジや金属探知機の使用が可能で、透明であることから内容物の認識ができ、異物混入や噛み込みシールチェックなども可能である。

二元蒸着フィルムはアルミナ蒸着とシリカ蒸着の長所を組み合わせた、透明で柔軟性がある新しい透明蒸着フィルムである。

透明蒸着フィルムは他のバリアフィルムからの代替や、ユーザーサイドのバリアニーズの増加、ハイバリア化による採用用途の拡大、パッケージの変化(個包装、見せるパッケージなど)等を背景に好調な市場推移を示している。

■用途動向(2004年見込 内需+輸出)

用途名 販売量
ウェイト(%)
具体的用途例
食品 スナック、菓子類 31 スナック菓子、キャンディ、米菓、チョコレート、ケーキ、他
ボイル・レトルト系食品 26 レトルト食品、ボイル食品、スープ、水煮野菜、他
その他食品 19 畜肉加工品、日本酒、焼酎、他
非食品 トイレタリー 洗剤、シャンプー、石鹸、他
その他非食品 電子部品、輸液バッグ外袋、他
輸出 11 レトルト食品
合 計 100  
出所:富士キメラ総研
透明蒸着フィルムのメイン用途は食品分野であるが、成熟市場であるため大きな伸びは期待しにくい。しかし、食に対する安定性意識の高まりを受け、透明蒸着フィルムは安全性や衛生性が評価されたり、賞味期限を長くできるメリットがあり、従来バリアフィルムを使用していなかった用途にも採用が広がっている。

■機能性高分子フィルムの材料特性

使用部材の素材構成 (2004年見込 内需+輸出)
使用部材名 使用樹脂・素材名 使用素材の重量構成(%)
基材フィルム  PET 85
 ONY 15
 PVA
合 計 100
 △:僅少 出所:富士キメラ総研
基材フィルムにはPET、ONY、PVAなどが使用されており、現状ではPETが主流である。基材フィルムとしては蒸着適性、ガスバリア性の安定性等からPET、ONYが採用されている。PVAの基材フィルムは三菱樹脂のみが取扱っており、超高性能グレードとして医薬品などの要求物性が高度な内容物向けに使用されている。

■市場規模推移及び予測(2004〜2008年)国内需要+輸出

単位:t、%
年次 2004見込 2005予測 2006予測 2007予測 2008予測
販売数量 9,100 9,900 10,700 11,500 12,300
前年比 108.8 108.1 107.5 107.0
出所:富士キメラ総研
2004年(見込)の透明蒸着フィルム(アルミナ蒸着、シリカ蒸着、二元蒸着)市場は、9,100t、104億円と推定される。食品用途がメインであるが、2005年以降は年率7〜8%台の伸長率で拡大すると推定される。2008年は136億円(2004年比1.31倍)と予測している。

上記の市場規模は国内メーカーの出荷量(内需+輸出)を表しているが、海外における参入メーカーは数社しか存在せず、生産量も少ないことから透明蒸着フィルムの世界需要は2004年に1万t程と推定される。

■参入企業とメーカーシェア(2004年見込 内需+輸出)

メーカー名 販売量シェア(%)
凸版印刷 37
東レフィルム加工 33
大日本印刷 12
三菱樹脂
その他 10
合 計 100
出所:富士キメラ総研
透明蒸着フィルム市場のトップは凸版印刷であり、続く東レフィルム加工の2社で6割強のシェアを占める。上位2社はアルミナ蒸着フィルムの大手メーカーである。凸版印刷が首位にある理由は輸出のウェイトが他社よりも大きいことが起因している。

シリカ蒸着フィルムは大日本印刷と三菱樹脂の大手2社で7割のシェアを占める。大日本印刷はアルミナ蒸着フィルムも品揃えしているが、圧倒的にシリカ蒸着フィルムの取扱い量が多い。二元蒸着フィルムは東洋紡績1社のみの参入となっている。

■今後の動向

透明蒸着フィルム市場において、近年の伸びを支えている最大の需要先はレトルト食品である。国内のみならず海外でもレトルト食品需要が増加しており、輸出も含めて市場は今後も拡大傾向で推移していく。

参考文献:「2005年版 機能性高分子フィルムの現状と将来展望」
(2004年11月30日:富士キメラ総研)


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