LCPフィルムの市場動向

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液晶ポリマー(LCP)フィルムは電気特性に優れ、同じスーパーエンプラフィルムのPIフィルムと比較すると、低吸水・低吸湿性が極めて低い。そのため吸湿膨張係数が小さい。また、ガスバリア性にも優れているため接着剤レスの2層FCCL(フレキシブル銅張積層板)向けベース素材として需要を伸ばしている。

■用途動向(2004年見込 世界需要)

用途名 販売量ウェイト(%) 具体的用途例
FPC基板 70 2層FCCLのベース材
多層・高周波基板 16  
絶縁テープ、他 14 ICパッケージの絶縁テープ
合 計 100  
出所:富士キメラ総研
LCPフィルムは高耐熱性、電気絶縁特性、低吸湿特性等を活かし、FPC基板、多層・高周波基板、絶縁テープ・材料用途に使用されている。その中でもFPC(フレキシブル配線板)向けが全用途の7割を占める。

新日鐵化学「エスパネックスLシリーズ」(液晶ポリマー銅張積層板)のベース材に、クラレの「ベクスター」が使用されている(PIをベース材としたFCCL材より、低吸水・低吸湿性が評価されているからである)。

■機能性高分子フィルムの材料特性

使用部材の素材構成 (2004年見込 世界需要)
使用部材名 使用樹脂・素材名 使用素材の
重量構成(%)
備考(採用理由、等)
基材フィルム 液晶ポリマー(LCP) 100 高耐熱性、電気特性、低吸水性
合 計 100  
出所:富士キメラ総研
基材フィルムの材料は液晶ポリマーである。LCPは、その分子構造において一般的には芳香族ポリエステルに分類され、高次構造においては、溶融時に剛直な分子が分子の長軸方向に並び、固化する時においても多くの部分でその構造が保持されている。

■市場規模推移及び予測(2004〜2008年)世界需要

単位:t、%
年次 2004見込 2005予測 2006予測 2007予測 2008予測
世界市場 37 43 50 57 65
前年比 116.2 116.3 114.0 114.0
出所:富士キメラ総研
LCPフィルムの2004年(見込)における世界市場は37tの見込であり、販売金額は9億円規模と見ている。2008年には販売量が65t、販売金額は15.5億円(2004年比1.72倍)に拡大すると予測している。

応用製品の末端機器市場が好調に推移していることから、当該市場も堅調な拡大が予測される。特に携帯電話、デジタルカメラなどに使用されている2層FCCLにおいて、ベース基材(PIフィルム)の供給が逼迫状況にあることから、LCPフィルムに代替する動きもみられる。

■参入企業とメーカーシェア(2004年見込 世界需要)

メーカー名 販売量シェア(%) 製品名
クラレ 87 ベクスター
ジャパンゴアテックス 13 BIAC(バイアック)
その他  
合 計 100  
△:僅少出所:富士キメラ総研
本格参入しているメーカーはクラレとジャパンゴアテックスの2社であるが、住友化学はLCPフィルムの開発・サンプルワーク段階にある。

クラレの「ベクスター」は、2層FCCL市場でトップの新日鐵化学「エスパネックスLシリーズ」のベース材に採用されている。2位のジャパンゴアテックスもFCCLのベース材向けに事業展開を行なっている。

■今後の動向

LCPフィルムはニッチな製品であり、適用部位も各種絶縁材料用途や回路基板周辺部材であり、需要量から見た場合、大幅に上昇する可能性は低いと思われる。

しかし、ICパッケージの絶縁材やFCCLのベース材などの既存用途に加え、新たな展開も検討されており、用途先の拡大が期待されている。

参考文献:「2005年版 機能性高分子フィルムの現状と将来展望」
(2004年11月30日:富士キメラ総研)


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