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磁気ストライプカード原反は、カード基体の表面に個人情報等のデータを記録するための磁気テープが貼り付けられており、磁気ストライプカード向けに使用されている。銀行再編や各種ローン契約などの成約に伴い、新規カードの発行増が見込まれている。銀行用キャッシュカードをはじめ、各種クレジットカード、身分証明用カード(IDカード)、各種機器の制御用カード、医療用カードなど様々な分野で使用されている。
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■磁気ストライプカード原反の市場規模推移 2003〜2008年(国内需要) |
単位:千枚、% |
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2003 |
2004見込 |
2005予測 |
2006予測 |
2007予測 |
2008予測 |
販売数量 |
160,000 |
165,000 |
170,000 |
175,000 |
180,000 |
190,000 |
前年比 |
− |
103.1 |
103.0 |
102.9 |
102.9 |
105.6 |
出所:富士キメラ総研 |
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2003年は1億6千万枚の発行枚数である。金額ベースでは87億円と算出している。金融機関への納入が5割以上を占める。銀行や消費者金融機関での新規ローンカードの発行が増加している。2008年は1億9千万枚の発行枚数となり、金額では99億円と予測している。 |
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クレジットカード機能を備えたカードも発行され、発行企業オリジナルの特典に加え、クレジットカードのポイントサービスも受けられることから発行数量は増加傾向にある。 |
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■磁気ストライプカードの製造方法 |
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磁気ストライプカードの構造は通常、硬質塩化ビニル(PVC)のシート(センターコア)と透明で薄いPVCシート(オーバーシート)と磁気テープを積層した構成になっている。
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そのカード製造方法は、ベースシートの支持体上に剥離層、保護層、磁性層、感熱接着層を順番に積層塗布した磁気ストライプ転写テープを用意し、同転写テープの加熱圧着層が厚さ約0.1mmの透明PVCシートの表面に接するように重ね約100℃で加熱圧着する。その後冷却し、磁気ストライプが接着された透明PVCシートが得られる。
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そして、必要に応じて両面又は片面に印刷を施し、白色PVCシート(厚さ約0.5mm)に磁気ストライプを接着した透明PVCシートを重ね、鏡面金属板で挟持し約150℃で加熱圧着することによって、磁気ストライプカードが製造される。
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■参入企業とメーカーシェア(2003年 国内需要) |
企業名 |
販売量シェア(%) |
凸版印刷工 |
31 |
大日本印刷 |
29 |
日立マクセル |
19 |
NECトーキン |
9 |
その他 |
12 |
合 計 |
100 |
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大手印刷会社2社が高いシェアを占めている。両社は磁気ストライプカード原反(生カード)の販売以外には、各取引先企業からの受託印刷も対応している。日立マクセルやNECトーキンも一部受託印刷を行っているが生カードの販売が主体である。
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■今後の動向 |
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磁気ストライプカード原反市場は安定成長しており、当面緩やかな成長を続けていくと考えられる。金融機関においては、設備投資(コスト面)の関係からICカード一本に移行することは難しいため、磁気ストライプ併用型のICカードで対応することになる。
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参考文献:「カード市場マーケティング要覧 2004年版」 (2004年7月28日:富士キメラ総研)
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