PET-Gフィルム・シートの市場動向

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カードを構成するコアシートやオーバーフィルムに、PET-Gフィルム・シートが使用されている。PVCフィルム・シートの代替素材として注目され、JR東日本のプリペイドICカード「Suica」やJR西日本の「ICOCA」、ETCカードなどに用いられている。

■PET-Gフィルム・シートの製品概要

企業名 三菱樹脂
製品名 「ディアフィクス」(フィルム・シート名)
製品概要、特徴
PVCの代替素材としてPETG(非結晶性PETコポリマー)を使用したカード用フィルム・シートである。
このフィルム・シートは、現在使用されているPVC素材と同等の強度及び加工適性があり、既に自治体カードやクレジットカードなどに実績がある。
今後も環境対策素材として自治体・銀行・クレジット会社・流通などの業界で、幅広くカード用素材として期待されている。
用途 ICカード(接触、非接触式)の基材に使用
規格
[汎用サイズ]    コアシート:0.1〜0.8mm、
オーバーフィルム:0.05〜0.2mm
[品種] 一般用、耐熱用
[その他] ICカード用(非接触タイプ含む)
使用頻度が高い交通系カード以外には、使用環境が高温下のETC車載器用途で用いられている。

■PET-Gフィルム・シートで製作したリライトカードの構成図

PET-Gフィルム・シートで製作したリライトカードの構成図
リライトカード用の基材には、50〜150の荷重たわみ温度を示す熱可塑性樹脂が用いられ、荷重たわみ温度がそれぞれ異なる2つの熱可塑性樹脂層から構成されている。

リライト層は、保護層、記録層、PET支持体、接着層などからなる複合フィルムであり、総厚み30〜50m程度のサーマルリライトフィルム(原反)が入手可能である。また、オーバーレイは印刷可能な透明シートであり、50〜100m程度のものがプラスチックカード向けに市販されており、硬質塩化ビニル系フィルム、PETG(非結晶性ポリエステル)系フィルムなどが知られている。

■PET-Gフィルム・シートの市場規模推移 2003〜2008年(国内需要)

単位:t、%
  2003年 2004年
見込
2005年
予測
2006年
予測
2007年
予測
2008年
予測
販売数量 580 1,200 1,000 1,100 1,200 1,300
前年比 206.9 83.3 110 109.1 108.3
出所:富士キメラ総研
PET-Gフィルム・シートは、JR東日本「Suica」とJR西日本「ICOCA」向けの需要が先行して市場が拡大している。ETCカードは高速道路における専用レーンの増加や車載器の低価格化によって需要が拡大しており、2004年では約700万枚の販売が見込まれる。

PET-Gフィルム・シートの2003年市場は580tであり、2008年には1,300t、10.5億円の市場規模に拡大すると予測している。

■参入企業と販売シェア(2003年国内需要)

企業名 販売数量シェア(%)
三菱樹脂 62
太平化学製品 31
筒中プラスチック工業 6
その他 1
合 計 100
出所:富士キメラ総研
コア材やオーバー材を供給する上位2社のシェアが大きい。オーバー材で高いシェアを占める三菱樹脂はリコーと共同でリライト可能なPET-G樹脂を開発しており、「Suica」定期券などのリライト層にPET-G樹脂を採用している。

太平化学製品は昇華印刷対応や全面ロイコ仕様のカードを製造しており、筒中プラスチック工業はコア材の供給を行っている。

■今後の動向

PET-Gフィルム・シートは環境負荷が低いことから、PVCの代替品として今後も交通分野や公共分野を中心に導入が増加すると予測される。PVCフィルム・シートと比較して高価格であり、一枚単価の高いICカード用途が需要の中心になる見込みである。

参考文献:「カード市場マーケティング要覧 2004年版」
(2004年7月28日:富士キメラ総研)


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