ダイボンドフィルムの市場動向

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ダイボンド材はダイボンド工程において、半導体チップをリードフレーム、基板、セラミックケースなどに固着化するために使用される接合材料である。ペーストとフィルムタイプの2形状あるが、本稿ではフィルム状のダイボンド材を取り上げる。

ダイボンド材は従来から、ペーストタイプが使用されていたが、CSP、BGA、LOCなど小型の先端パッケージ製品ではダイボンドフィルムを使用することで生産性を向上させている。

■ダイボンドフィルムの材料特性(2003年世界需要)

用途名 販売量ウェイト(%)
ポリイミド系 94
エポキシ系
合計 100
出所:富士キメラ総研
ポリイミド系のダイボンドフィルムは、耐はんだリフロー性に優れていることから、需要量全体の9割を超えている。エポキシ系は価格が安くチップ同士の接続など比較的容易な用途(部位)で用いられている。

フィルムタイプのメリットは積層した際にペースト状の材料よりも平坦性が良いことと、はみ出しが少ないことが挙げられる。逆にデメリットはデバイス当たりの単価が高くなることである。

■用途動向(2003年世界需要)

用途名 販売量ウェイト(%)
チップ/基板間接続 78
チップ/チップ間接続 22
合計 100
出所:富士キメラ総研
ダイボンドフィルムはCSP、BGAなどのパッケージ製品と基板との接続がメイン用途である。チップと基板では熱膨張率が異なるため、その物性に対して耐性を持つポリイミド系の需要が多くなっている。

チップ/チップ間接続の需要分野はスタックドパッケージ用途である。スタック用途はダイボンドペーストでも対応は可能であり、海外メーカーではペーストタイプを主に使用している。今後、高積層化が進んでいくならば将来的には海外メーカーもフィルムタイプに切り替える可能性がある。

■ダイボンドフィルムの市場規模推移(2003〜2008年世界需要)

市場規模推移及び予測 単位:m²、%
年次 2003年 2004年見込 2005年予測 2006年予測 2007年予測 2008年予測
国内販売数量 150 180 210 240 260 280
前年比 120.0 116.7 114.3 108.3 107.7
海外販売数量 10 10 20 20 30 40
前年比 100.0 200.0 100.0 150.0 133.3
合計 160 190 230 260 290 320
前年比 118.8 121.1 113.0 111.5 110.3
出所:富士キメラ総研
ダイボンドフィルムの世界市場は、2003年に販売数量が160m²(前年比123.1%)、販売金額は41億円(同117.1%)となった。数量・金額共に前年を大きく上回った。2008年は63億円に拡大すると予測している。

当該製品はMCP(Multi Chip Package)などのスタックドパッケージ製品に採用されている。2004年において、スタックドパッケージに当該製品を使用しているのは日系メーカーが主体であった。しかし、韓国メーカーを中心に海外メーカーの採用が徐々に増えている。

スタックドパッケージの需要先は携帯電話などの小型電子機器であり、今後も市場拡大が期待されている。

■技術・研究開発動向

企業名 技術開発 技術開発の概要
ルネサステクノロジ  空気の巻込みを最小限に抑え、ダイボンドフィルムを基板に貼り付ける技術を開発  ダイボンドフィルムは吸着コレットで基板上に搬送された後に、コレットで押圧することにより基板に貼り付けられる。その際、ダイボンドフィルムと基板との間に空気が入ると、ダイボンドフィルムは基板に接着せず、半導体チップに浮きが生じダイボンドフィルムが破裂し、これによって配線が断線したり、基板にクラックが生じたりするなどの問題があった。
  そこで同社は、空気の巻き込みを最小限に抑えつつダイボンドフィルムを基板の上に貼り付ける技術を開発した。
  同社は前述の課題を解決するために、ダイボンドフィルムを基板に押圧する押圧部と、この押圧部を保持する保持部から構成されるコレットを用いて半導体パッケージ製品を製造する技術を開発している。
  具体的には、コレットの押圧部と保持部との間には弾性部が設けられている。そして、この弾性部の幅方向の寸法W1と押圧部の幅方向の寸法W2との間にはW1<W2の関係が成立っている。
  また押圧部の押圧面は、所定の位置にセットされた基板に接触しない状態で、この基板の表面に対して2度以上5度以下の傾斜を持たせることによって、空気の巻き込みを最小限に抑えている。
  ダイボンドフィルムには、エポキシやポリイミドなどの樹脂を含む熱硬化性樹脂のフィルムが使用されている。

■参入企業とメーカーシェア(2003年世界需要)

メーカー名 販売数量ウェイト(%)
日立化成工業 88
リンテック
その他
合 計 100
出所:富士キメラ総研
日立化成工業は世界市場の9割弱を獲得し、ポリイミド系を中心に販売しているトップメーカーである。2003年は前年のシェアをさらに伸ばしている。リンテックはエポキシ系を得意としている。

その他の企業には、エイブルスティック、ゴアテックス、日東電工、ダウコーニング、三井化学、LG Cableなどが参入している。

■今後の動向

ダイボンドフィルムは通常、ロール状又はシート状でユーザーに納入されているが、最近ではダイシングテープと一体化した製品が開発され、半導体の製造工程を短縮できるメリットがあり注目されている。

参考文献:「2004エレクトロニクス実装ニューマテリアル便覧」
(2004年5月21日:富士キメラ総研)


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