導電性接着剤の市場動向

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導電性接着剤は、主にプリント基板の導体に電子部品を接続する導電材料として使用されている。エポキシ、シリコーン、ポリイミド、ポリウレタン系樹脂をバインダとし、銀、ニッケル、カーボンなどの導電性フィラーから構成される。

本稿では、IC、LSIの2次実装用途や振動子、コンデンサ、パッシブLCD電極の接続に使用される導電性接着剤を対象とし、ダイボンド材や異方導電性製品は対象外とした。

■タイプ別構成比と材料特性(2003年世界需要)

タイプ 販売数量ウェイト(%)
エポキシ系 54
ポリウレタン系 25
シリコーン系 15
ポリイミド系
合計 100
出所:富士キメラ総研
2003年の導電性接着剤市場は、エポキシ系の需要が最も多く2002年よりも販売ウェイトが伸びている。ポリウレタン系は低価格、柔軟性、高接着性であるが、耐熱性が低いことがネックである。

シリコーン系は柔軟性に富んでいるが、接着力が弱く高価格である。ポリイミド系は、耐熱性は高いが柔軟性が弱く価格は高い。

■用途動向(2003年世界需要)

用途名 販売数量ウェイト(%)
IC、LSIの2次実装 54
振動子(水晶、セラミックス) 29
その他 17
合計 100
出所:富士キメラ総研
当該製品の用途はIC、LSIの2次実装(プリント配線板との接続)と水晶振動子、セラミック振動子などの振動子が2大用途である。

その他にはコンデンサの電極材、LCDパネルの回路基板などに用いられている。

■導電性接着剤の市場規模推移(2003〜2008年世界需要)

市場規模推移及び予測 単位:t;、%
年次 2003年 2004年見込 2005年予測 2006年予測 2007年予測 2008年予測
国内販売数量 37 39 41 43 45 47
前年比 105.4 105.1 104.9 104.7 104.4
海外販売数量 15 17 20 23 27 31
前年比 113.3 117.6 115.0 117.4 114.8
合計 52 56 61 66 72 78
前年比 107.7 108.9 108.2 109.1 108.3
出所:富士キメラ総研
2003年の世界販売数量は前年比8.3%増の52tとなり、過去最高だった2000年と同レベルに回復している。2003年の世界販売金額は46億円弱である。2008年は78tに拡大すると予測している。

当該製品を製造しているのは日本のメーカーのみである。販売エリアは日本国内向けの割合が多い。今後は海外需要の割合が増えていくと考えられる。

■研究開発・技術動向
導電性接着剤のユーザー事例
企業名 技術開発 技術開発の概要
エプソントヨコム
(旧 東洋通信機)
半導体ダイアフラム型圧力センサを開発  半導体を用いた圧力センサは、その構造上小型化に適している。また使用目的に合わせて感圧素子をプリント基板に実装する際、ダイアフラムの応力歪みが残留しないようにすることが重要である。
 さらに、自動車を中心に用途先を広げている半導体ダイアフラム型圧力センサは、産業用から民生用に需要がシフトするのに伴って、メンテナンスフリーと低価格化が要求されている。
 この圧力センサは、圧力検出素子として、機械的弾性的性質を有する圧電材料からなるダイアフラムと、そのダイアフラムの熱膨張率に近似する熱膨張率を有するガラスからなる絶縁基板との間隙の静電容量の変化で、圧力検知を行う静電容量型圧力センサである。
 例えば、この圧力センサは、静電容量の変化を圧力に変換する電子回路部と送信部(電子回路部の出力を外部に送信する)を一体化し、自動車のタイヤ用ディスクホイール内にタイヤバルブ(タイヤに空気を注入する部品)と共にディスクホイールに固着し、タイヤ空気圧センサとして用いられる。
 同社が開発した圧力センサは、絶縁基板(圧力検出部)と、薄肉部及び同周縁の厚肉部を一体成形したダイアフラムと、配線が施されたプリント配線基板を順次積層した構造(3部材)になっている。同社の圧力センサは、圧力検出部に露出する引出し電極とリード電極や、電気的に接続するダミー電極と各電極に対応する内部接続端子との間に形成される間隙に、エポキシ系又はポリイミド系導電性接着剤を埋設することで電気的に接続している。
 同社が開発した半導体ダイアフラム型圧力センサは、前述の3部材同士の機械的な接続や、固定電極と可動電極との接続、各電極に対応する内部接続端子との電気的な接続において、陽極接合及び導電性接着材を併用することにより、圧力センサを小型で低価格化できる技術を開発している。

■参入企業とメーカーシェア(2003年世界需要)

メーカー名 販売数量ウェイト(%)
藤倉化成 23
スリーボンド 19
福田金属箔粉工業 10
ナミックス 10
その他 38
合 計 100
出所:富士キメラ総研
藤倉化成とスリーボンドが上位に入っており、共に技術開発を積極的に行っている。

その他には徳力化学研究所、田中貴金属、千住金属工業、ニホンハンダなどが参入している。

■今後の動向

当該製品はデバイスの小型化などに伴って、はんだ接合では対応できない用途向けに製品が開発され需要を伸ばしてきた。導電性接着剤は、接合部の柔軟性、実装温度を低温化できるメリットがあり、鉛はんだの代替材料として期待されている。

参考文献:「2004エレクトロニクス実装ニューマテリアル便覧」
(2004年5月21日:富士キメラ総研)


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